(続き)日本の原子力開発の歴史的経緯をたどった福島事故の事故原因の本質的要因は、誰もたどりつけておらず、国会事故調も政府事故調も、似て非なるものであり、後知恵(結果論)での議論に終始しており、本質は見えてこず、本質は、ふたつあり、ひとつは現代技術の手法、もうひとつは地震学の未熟。
(続き)福島事故で明らかになったことは、原発災害(AEC ; Reactor Safety Study, WASH-1400(1975))についての知識のある人が、悲しいことに、残念なことに、ほとんどいないことが分かりましたが、今も同程度の認識しかなく、憂慮すべき現状です。
日本の社会システムは、事故が起これば起こるほど、メーカーが儲かるようになっており、その典型例は、福島事故であり、原子炉メーカーの東芝と日立は、前例のない廃炉の技術開発に対し、実際にかかる開発費の10倍もの費用を上わ乗せすると言う火事場泥棒的悪戯をしており、知らないのは国民のみ。
trovatoreさんから、「桜井先生が、茨城新聞などでフィルタベントの効果を力説する論文を出せば、住民は納得するのではないでしょうか」なるコメントあり。世の中それほど単純でもないと思います。福島事故のような光景を見たならば、誰しも、何も信じないでしょう。
福島事故の住民保証や廃炉のための技術開発には、政府の融資金や東電の電気料金の一部が利用されており、分かりやすく言えば、国民の税金や電気料金で、住民保証や廃炉開発が実施されているのです。国民は、そのような政治メカニズムを把握し、もっと、怒らなければなりません。
(続き)各事故調報告書の特徴は、東電は、当事者のためプラント情報など基本情報・データの公開、民間事故調は、平均的で最もレベル低い、国会事故調は、政治的反原発的で社会背景を反映した、政府事故調は、構えた割には慎重になりすぎ独創性に欠ける、原子力学会事故調は、専門の割に踏み込み不足。
(続き)原発を有する欧州各国は、スペインを除き、1982-90年に、フィルタベント(受動型放射能除去タンクシステム)を設置していました。日本でも、その時期に、採用していたならば、深刻な土地汚染や避難区域など、発生しませんでした。
(続き)この国の無策を告発すれば、福島事故事故の国会事故調には、税金が20億円も費やされ、公開されていませんが、政府事故調の費用は、調査期間から推定すれば、40億円となり、国会事故調と政府事故調とも、費やした費用の割に、調査内容に、オリジナリティがなく、詐欺的調査報告書でした。
(続き)東電事故調は、当事者として、加工できないできるだけ多くの現場写真やプラント記録を提出しましたが、他の事故調は、結果論による後づけだけでした。なぜ、苛酷事故対策が採用されていなかったのか、欧米対策との相互比較から、その相違を考察すべきでした。
福島事故後、二回、現場に入り、作業者が通過し、本人確認や線量計貸与など、現場をひととおり見学・調査したが、多人数を対象とする割には、線量計の置き場所・管理・貸与など、大変な作業を適切にこなしていると感じました。現場は、24時間体制での作業のため、コロナ対策を含め、安全管理が大変。
(続き)日本の規制側も事業者も、外部電源喪失は、想定し、信頼性の高い非常用ディーゼル発電機を2-3台(初期の頃2台、途中からBWRに対して3台)並列に設置し、現実的な対応をしました。しかし、普通環境ならば、機能喪失確率は、マイナス9乗でしたが、浸水による停止は、想定外。
福島事故後、五つの事故調が発足し、それぞれ特徴的報告書を公開したものの、東電以外のすべてに共通する事項は、①東電報告書の批判的検討に留まっていること、②日本の地震学のレベルと欠陥に触れていないこと、③安全審査時の地震・津波評価の間違いの原因に触れていないこと、など。
(続き)そのような状態が約半世紀続き、福島事故に遭遇し、東大や原研などの審査委員は、自然災害の深さを認識し、それまでの安全規制や審査指針の誤りに気づきました。福島事故の経験は、あまりにも大きく高い勉強材料でした。日本国民、特に、福島県民には、受け入れ難い現実でした。
昨日、東京地裁は、「東電株主福島事故訴訟」判決において、政府地震研究推進本部から信頼に足りる地震評価結果が出ていたにもかかわらず、それを無視した東電の津波対策の不実施に対し、原告勝訴判決を下しました。着目点は「施設の水密化の実施によって電源喪失の回避ができた」と言う指摘です。
(続き)国会事故調(黒川清委員長)は、あの程度の政治的反原発的インチキ報告書の作成のための調査・討論・アンケート調査など委員・事務局・業者まで、すべてにかかった費用は、半年間の活動期間に、公表された数字として、20億円とされており、それに値しない内容です。