誰かに淹れていただく珈琲は いつだってとてもおいしくて優しい ふう、と一息つくのと同時に 何かに全身が揺さぶられて頭が痛くなる こういう時、奥底の私は言語化できない何かを感じている 一抹の苦しさとこういう瞬間が訪れる幸せを思う
この世界の煩わしさについて 考えようとするとキリがないかもしれない それと同じように この世界の美しさについて 数え、語ろうとするときっと 一生では足りない ただ空を見上げて雲を追って または目を閉じて瞬間の空気を吸い込む 何にも拒まれない、何も拒むことはないと 知るだけの時間