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呟】久しくなかった波風が職場に立ち起きてござる 狂言を稽古し、狂言面を打って できるだけ心を鎮めてござる 起きたことや荒い言葉そのものは消えはせずとも 受け流し心穏やかに過ごすことを選べれば概ねやりすごせるものでござる

呟】今年の四月の作品展に出した狂言面『福の神』 観に来られた方がことのほか氣に入られぜひ譲ってほしいとのことでお嫁入りすることになってござる 桐箱と面袋を揃えてお渡し終えてござるがそもそも狂言で遣うべく打ったものなれば 今年今一面並行して福の神を打つことにいたしましてござる

呟】狂言は平和な芝居 観て和やかに和らい こころ和らげる芸能でござる 世界中で狂言を愉しみ 悦び和らいあえる その一歩として 狂言との出逢いに感謝し 関わっていける仕合わせを 悦び愉しむのでござる 狂言を通じて心身と世界の平和調和に貢献しようと存じまする

呟】狂言発表会が9月7日に終わり しばらく立て込んでいた予定も収まってござれば 今日は約一月振りの狂言面打ちでござった 額と両頬が大きく突き出た独特な造形はこれまでの面とは勝手も違うてござるがその三点が定ってまいれば大きく進んだように感じられてござる

呟】三年目を迎えた狂言面打ち 明日から京都市文化博物館で作品展が始まりまする 本日はその準備のため午後休を取り展示会場へ参ってござる 作品展参加も三回目 準備も少しずつ慣れてきてござる 明日から三日間自由に観ていただけまするによって ご来場を待ちつつ愉しみまする

呟】十四回目の毘沙門堂詣も恙なく終えてござれば 今日は狂言面福の神の最終仕上げでござった 全体を研いてのち溝と云う溝へ汚しを掛けてござる その上より薄く伸ばした膠液を霧のように撒き掛けて和らかに留めてござる 間に合うかどうかと思ったこともござったが余裕をもって仕上がってござる

呟)狂言面打ち福の神の彫りが終わり胡粉と膠で下地塗り 少し磨いて下色を付け さらに磨いてから上色を叩いてござる この辺りから細かな石を混ぜて表面に凹凸を施しそこに陰影を着ける濃い色を振り掛けてござる さらに濃い色を重ねたあと 墨で毛を描いてまいりまする 完成が見えてきてござる

呟)よくよく視較べてみれば 細かな違いばかりか 明らかな容貌の違いも目に付いてござる 彫りを終え色を付けていく内 改めて手本の面に目を凝らせば 口の開き額の曲面頬の凹凸目の開き加減鼻の孔の向き… さりながらこれらの違いを含んでなお私独自の面となっているとも云えると存じまする

呟)小さな頃から好きなエッシャーの絵を観に佐川美術館へ参ってござる 狂言師の茂山宗彦さんから教えてもらいまして一人ぶらっと訪れました これまで詳しく知らなかったエッシャーと云う芸術家に触れて わたくしの画心も激しゅう刺激されましてござる 狂言面打ちに狂言画描きに活かしましょう

呟】十月はなかなか面を打ちに行くことが成らず 十一月に入っても予定通りには参りませぬが ようやく福の神さまらしい容貌も現れてきたようで嬉しゅうござる まだかなり厚みがあって 何層も削り進めるとは思いまするが この面差しを保ちながら調和しつつ打って参るのでござる

呟】論語に曰く 之れを知る者は之れを好む者に如かず 之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず ’之れ‘を狂言とすればわたくしは当に愉しむ者でござる 狂言を愉しむことに勝ち負けも善し悪しもござらぬが 愉しんでいることが何より 悦んでいることが何よりと 思うてやっているのでござる

呟】日曜は朝から狂言面『福の神』打ちの続きでござった 毎度持ち帰るモノの自宅ではなかなか進めることができずにおりまする 打つ場所や時間を予定として確保する必要がありましょう 次回お稽古までに一回 これは自身との約束でござる

呟】狂言面『福の神』五月二回目に参ってござる 先に来ていた大先輩は今年既に四面目の仕上げ彫の最中 粗彫できるところは自宅で彫り 師の作業場で手本を見て仕上げるそうでござる わたくしは縦型を合わせるための高さを整え 持ち易くする為裏面を粗繰り 思い通りやや早めに進んでござる

呟】今日から狂言面打ちも三年目 前回は彫りに時間が掛かり彩色がイコウ短うなってござる 賢徳、空吹に続く三面目は 狂言福の神に遣う狂言面『福の神』でござる 遣う檜材は小面と同じ最も小さいモノ 福の神の面は女面並に小さいようでござる 序盤は大胆に細部は慎重に彫り進みょうと存ずる

今年の狂言の目標

呟】狂言面打作品展まで一カ月を切ってようやく塗りに入ってござる 仕上げ彫りは自身でキリをつけねばなかなか終えぬものでござる 自作は五割増しで まず裏面下地塗り赤多め 確りと乾かせた上から カシューを薄めて塗布してござる しばし乾燥して次回は表の塗りでござる

呟】立春すぎて今年狂言の舞台に狂言面打ちに披露める活動にいっそう取り組む意欲が満ち満ちてござる 二月に入って三度目の狂言面空吹の仕上げ彫り 頬を削ぎ顎を細めればだんだん歳嵩が増してきてござる 後は額の皺を深くし 眼に光を増して参れば仕舞いに近づきまする

呟】狂言面空吹の仕上げ彫も佳境に入り 手本面と見比べながら 耳から頬、目玉から小鼻と 氣に入った容が出るまで打ちとうはござれども どこかで切りを付けねば いつまでも終わりませぬ 最後は顔全体を観た印象 舞台で自身が掛けて出たならば 確と狂言面になっているかを想うて留めてござる

呟】狂言面打ち 空吹の顔つきも徐々に手本に近づいてきたようにござる 口元と顎、頬を調えると 随分好くなってござる 目と鼻を調える前に全体にヤスリを掛けてから微調整 色を入れる前に裏を彫りまする 今月中に上げる予定でござる

呟】仕上の彫りでは手本の面をいろんな角度から見比べ 曲がり加減や深さ形、長さや厚さを測って調えまする 手本は師匠の写し面なれば持ち帰って打つこともできるのでござるが未だ借りて帰ったことはござらぬ 今後少しも早く仕上げるには自宅で打つ時間を融通する必要があると感じてござる

呟】狂言面空吹 昨日口元と顎、そして頬骨を調え こんにった休憩中に紙やすりを掛けてござる 彫り痕の凹凸をなくすと 随分すっきりした面差しになってまいった 四月二十一日からの作品展まで二ヶ月余り できるだけ精度を高めてまいろうと存ずる

本年は狂言面をも打ち励みょうと存じまする

呟】狂言面空吹を打って半年 容貌は整ってきてござるが 手本の面を視ては削り また視ては削る 額の皺を深くしては表面を整え 角張った額から丸みを帯びさせてまいりまする 耳周りの膨らみを削ぎ出したところで今日はお仕舞い 少しでも打つ回数を増やしてまいろうと思うてござる

呟】今月二回目の狂言面打ち 先月進められなかった分 今月は高頻度で伺いまする 額の形と皺成型が半分後半は耳の成型に集中してござる 左耳が七割👂の出来右耳は厚み角度など未だ三割未満でござる 部分毎に八割ほど進めては隣接部位へ移ってまいります 今月中には彫り終えたいと存じまする

呟】狂言面空吹(うそふき)仕上げ彫りは部分ごと調えてまいります 左耳から右耳へ 頬から頬骨の膨らみへ すぼめた口の筋肉の締り 顔下半分はとくに引き絞れてまいりまする 次回鼻筋と唇を整形したれば残すは微調整となりまする 手本を好く観較べ 各部の均衡をとりつつ年内に彫り上げとうござる

呟】こんにった狂言面打ち 空吹を彫ってござる 型を遣った粗彫りが終わると ひたすら手本の面と睨めっこでござる 大きく出張った眼の大きさ位置が極まったところで距離を測りながら耳の上、頬の出っ張りから顎への傾斜と眼の上の出っ張りを調えてござる 少しずつ空吹面らしゅうなってござる

呟】わたくしの面打ち師匠は猫に好かれ数多の猫面を打ってござる わたくしも猫を好きまするが 古典狂言には猫の役は無く 猫と名の着く狂言は鶏猫のみ しかも実体の猫は出ませぬ 狂言にそのまま出る生物には 猿と狐、牛や馬、犬に狸 蚊や茸は精として出まする 人が真似るならば鶏に烏、鳶に鯛

呟】まだあつさ残る京都でござる午後は代休にて刀を携え狂言面打ちに参ってござる 狂言面空吹には目鼻口に孔がござる この孔を穿つ準備として裏面を彫り進めてござる 表の位置を確認しながら裏を削り落としまする 常に指で挟み厚みと位置を測りながらでござる 指の感覚が重要でござる

呟】ココロに来た知らせをつかむと流れが好くなると存じまする 転職が叶ったのは友人の助言にピンときたことがきっかけでござる その助言で動いた結果翌日に今の職場にご縁し この職場で狂言に再会を果たし、その公演で島田師と出逢いお稽古を始めることになってござる 狂言の流れを泳いでまいろう

呟】目と小鼻の周りの形を整えながら高さを出してまいりまする これで先に拵えた口と合わせて表裏に通じる穴を穿つ準備でござる 次に裏から厚さを測りながら彫り進んでござる 狂言面打ちひと月振りに空吹に刃を入れてござる 一刀毎に表情が狂言になってまいりまする

呟】こんにった狂言面打ちに参ってござる 空吹の目鼻口の孔を空けるべく裏面を程良い厚さまで彫り進め 電動ドリルにて緩やかに穿ってまいりまする 空けた孔を刀で拡げたれば 厚みを調整しつつ手本と較べながら容を調えてまいりまする まずは耳の傾き、そして額の丸み少しずつ少しずつでござる

呟】自分が快いと思うことをやってござる 毎日狂言の台詞を繰るも、お稽古動画を観るも、舞台を観るも、舞台で披露するも、狂言面を打つもただやりたいからでござる 太郎冠者が無断欠勤するも、秀句や古歌で競うも、できもせぬことをできると云うもやりとうてやるのでござる それで好うござる

狂言の地を広げようと存じまする

狂言面打ち 発表会で一区切りでござる

呟】狂言を披露めることは、ただ伝統芸能に目を向けてほしいのではござらぬ 狂言にある和らぎの、和みの、調和の和らいを通して 心も身体も健やかに生きるという選択肢を提案することと思うてござる そのために学び、お稽古し、面を打ち、より多くのご縁のかたへ届くよう発信を広げようと存ずる

狂言面『賢徳』打ち終え 発表会にも出展できましてござる

呟】今週は狂言のお稽古が一つ、狂言会が二つ、そして社中の仲間の住む舞鶴への日帰り旅行、その合間に狂言面打ちの仕上げ彫りからできれば彩色へと 狂言の予定が目白押してござる さりながら、狂言の予定はいくらござっても、好いものでござる そう思えるものと出逢えたことに感謝でござる

振り返れば狂言三昧の二〇二一年