大皿に盛りつけた唐揚げ。 最後のひとつを子どもが取り皿にのせ、 箸を突き刺した。 「ダメだよ!突き刺しちゃ」 慌てて声をかけたけれど止まらず。 唐揚げは3分割され、それぞれの取り皿へ。 「みんなで1口ずつ食べようね」 と言った子どもの取り皿に残った唐揚げは、 いちばん小さかった。
「来てきてー」 ベランダにいた子どもに呼ばれて外へ出た。 「月が、きれいだよ~」 と教えてくれた。 少し湿気帯びた涼しい風が吹く中、ふたりで空を見上げた。 街の明かりを避けて東に目を向けた子どもが、 「あっ」 と小さく呟いてベランダの端へ。 「夏の大三角も見えるよ」 初めて見た。
笑顔が消えたのは きみのせいじゃないよ ちょっと元気がでないこと 気付いていたけど 無理してた 少しの間のつもりだったけど きみに泣かれて ずいぶん時間がたっていたことに 気付いたよ ごめんね 自分のことばっかりで心配かけて ありがとう 笑顔がなくなっていたこと 教えてくれて
「しばらく、おばあちゃん家に行ってくる!」 帰宅後の忙しさから発作的に叫んだ後、洗面所でクールダウン。ご飯の準備… 「ストレス溜まってるみたい おばあちゃん、面倒見てあげてくれる? あ、いま替わるね」 子どもがスマホをくれて、 「子どもに、なに言ってるの?」 と母に叱られた。