「私は作家。テロじゃなく、自分の作品で世の中に訴えていくよ」 「わたくしはお父様の斧となり、道を開きますわ」 まるで、銀河の賞金稼ぎと小さな相棒。 現実の夜景にARの如く投影された、悪夢のRPGを巡る二人の旅は 呪いに満ちた現代日本で、ガチャ無き世界の道標を見出せるだろうか?
レックス社の稼ぎ頭、スマホの散歩RPG「DJP」。他社が類似アプリを出した今も、コロナ禍を乗り越えた歴戦の存在感。 その実態は、植民地支配も同然のドケチなガチャ搾取。5周年を経ても改善の兆しは無い。経営陣が新作乱発を控え、持続可能な事業を志向した今も。 「たかがゲームで?」
「レックス社が、テロの標的だって!?」 「可能性はありますの」 夢の中の酒場で、恐竜頭のスーツ男が驚きの声をあげる。 隣には、あのユッフィー姫。真夜中だが賑わっている。 「私から説明するよ」 話しかけてきたのは、ゴーグル姿の傭兵らしきおっさん。 「わたくしのお父様ですの」
ヤクザでも、カルトでもない。 動機の定かでない個人が、重大事件を起こす。 政治の腐敗を差し置いて、日本をときどき揺るがす一匹狼。 彼らはこう考えるかもしれない… 個人テロこそ、ダイレクトな民意の反映だと。 ジョーカーの時代が来た。公安も脅威を認め、専門の部署を設けるに至る。