「わがままになるのが怖い奴に宇宙は拓けねえさ」 くー、大好きな幸村誠「プラネテス(2)」のおやじの一言。たまんねえなあ。
いま、僕がいる、ここが宇宙の真ん中だ。 宇宙に上下がないなら、そう決めてもいい。 それが真ん中かどうかも変わり続けるなら 毎日、自分が真ん中だ、ってセットするのも自由。
宇宙に上下がないように「これが正しい」なんてモノの見方や正解はどこにもなくて、実は「間違い」なんてのもどこにもないのかもしれない。ただ人はみんなどうしようもなく自分だけの「サングラス」をかけて生きてる。ときどきそっとはずして、まっさらな瞳で世界を眺めて、生きてみたいなと思う。
全力で失敗した方が気持ちいいように全力で「間違える」って「正しい」かも? とか言ってるとぽーんと宇宙に放られたように何が正解で何が間違いなのかよくわからなくなってくる。ただ「絶対」なんてものがあるとすれば最先端物理学でも明らかなように「絶対的客観性」は「絶対存在しない」ってこと。
東京にきて右も左もわからず、声優なんか本当になれるんかなあとか不安でどうしようもなかった時「まだ土俵にも乗ってないくせに悩むなんておこがましいよ、お前のことなんかまだ誰も知らないよ。まず土俵に乗ってやってみて、できるかどうかさんざんやってみてから悩めよ」って言ってくれた人がいた。
ピカソは人に「俺の絵を、どう思う?」などとは聞かなかった。 「俺の絵をどう思うかはお前の勝手だ」と言っていた。
もっと死ぬほど悩んでもいいかも。ぜんぜん足りないかも(笑)悩んでるほうが、スポンジみたいに深く読んだり見たりできるし。それが血肉になって、もしモノカキが仕事になったときに、その悩み深き暗黒時代の血肉こそが、書き続けるための体力になり、作品に滋味を与えてくれるシワになるだろうから。
「自分のわがままを繕うそぶりがまるでない。ああいう悪魔みたいな男はいい仕事するぞ」 幸村誠「プラネテス(2)」のおやじの一言。本当にこのキャラには心酔する。一番最初に入った会社の先輩シナリオライターのお薦め(16年ほど前になるか)。クリエイターでこれ知らなきゃ失格って言われた。
ゴッホじゃないけど才能だけあっても運悪く見つけてもらえなかったり、世の中の歯車と噛み合わなければ、一枚、あるいは数枚のみしか売れず、不遇のまま死ぬということもあるので、僕がいうことでもないんですが(笑)モノカキとして世に出るためには才能だけがマストではないという意識が大事かもry
人間はみんな他者との関係性のひずみの中でうごめく生物なので。かかわりあって、影響しあって生きていかざるをえない生命体なのです。でも、どう生きるかは自分で決めるものだと思います。そして、それが良いかどうかも自分で決めていい。ただし、それで金を払うかどうかは世間が決めることかと。
“感じる”ことにおいては自らを狂人であると称していた宮本輝。彼はシルクロードを旅するエッセーでこう語っていた。「命もいらぬ、名もいらぬ、金もいらぬ、という人間くらい始末の悪い人間はいない。しかし、そんな始末の悪い人間でなければ世の中を根底から変えることなどできはしないのだ」 と。
「自信」というのは「自分を信じる」って書きますが、それはもう、本当にその通りで、文才に自信がなくなるときなんて日常茶飯事ですが、そんなとき自分は「力がないから信じられないのではない。信じるから力がでるのだ」と言い聞かせてやってます。(これは、きしみの言葉。今でも言うと元気になる)
ここに書き連ねているのは、僕の体験でもありますが、自分がきちんと悩んで苦しんで、もがきながら、先人の知恵を求め、それに救われながら血肉にしてきた言葉たちです。今でも助けてくれます。
命のメモを残しているのですよ