飲食店CO2濃度共有システムに将来性はあるか?
こんにちは、企業が行った実証実験の記事をまとめている はしと です。
実際に業務では何件か(何十件ですね…)の実証実験を実際に行った経験を踏まえて、実証実験の背景やシステムの裏側をざっくり説明してみます。
飲食店のCO2濃度をネット配信する試み
今回の記事は、最近良く見かけるCO2濃度をネット配信する試みに関して実証実験を行うようなので、こちらについて書いていこうと思います。
CO2濃度で何を見るのか?
CO2濃度を確認する事で、コロナ対策のための換気が行われているかを、エンドユーザー(お客様)へ通知する試みです。
CO2濃度が低い場合は換気が適正にされており良い店となり、CO2濃度が低い場合は換気がされておらず悪い店となる形です。
どの情報を出すか?
今回の取り組みでは、1000ppm以下の店舗のみを表示します。
つまり、
「良い店だけを表示して、悪い店は表示しない」
という仕組みです。
この仕組の利点は「最悪の場合、1000ppmを下回る結果にできない場合も、店舗側には悪い点は無い」という事だと思います。
他の利点は?
今回の実証実験では、定期的に数値をメール通知する仕組みも導入されており店舗の管理者側はこの通知を受け取り、店舗の状態をリモートで監視することが可能という事です。
誰に対して売るのか?
ビジネスでとても重要なのはこのシステムを「誰に対して売るのか」です。
あ店舗にお金はあるか?
1つ目にこの仕組を導入する企業にお金はあるか?という話です。
現在、ウィルスの影響によりターゲットの飲食業界は大きなダメージを追っています。
居酒屋については全体の20%が減ってしまい、残っている店舗も苦しい経営を強いられている状態です。
現在も、この状態は完全に回復しておらず、厳しい状態は続いており、お金は正直なところ大きくは出せない状態だと思われます。
意思決定者は誰か?
店舗に関わっている誰に売るか?という話も重要です。
「店舗からCO2の量に関する通知が来る」という機能ですが、複数店舗を管理するエリアマネージャーや本社の店舗管理が受信すれば、換気が適正にされていない店舗が分かり有益だと思われます。
しかし、ここにコストを掛けてまで改善する余地があるのかどうか?という部分も重要になってくると思います。
お客様からのクレームで「換気がされておらず不快」などの連絡が複数無い限り、お金をかけてまで仕組み改善を行う対象ではないと判断されてしまうかもしれません。
ローカルのシステムの違い?
既存のローカルに設置するCO2測定器との違いは本社で統括管理できることです。
しかし、私が担当者であれば最初にローカルの仕組みを導入し、店舗の中で完結する仕組みで試したあとにクラウド版を導入するかもしれません。
そうなると、最初に販売するべきはローカル版(通常のCO2測定器)なのかもしれません。
売るには意思決定をお客様にしてもらってはいけない。
この商品にも言える事なのですが、もしも販売する場合は店舗側に運用を任せては難しい部分があります。
商品を構築する場合は、上記のレベルまで要件を落とし込んでから開発/販売を進めるべきだと思います。
今回の実証実験も、この部分を見極めるための実証実験であれば、大きな価値があるものと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?