「失敗」ではなく「成功への途中」
スポーツメンタルコーチ橋本(@hashimotoyuro)です。
先日選手とのコーチングで新たに気がついたことがありました。
「失敗を伸び代と思えない」
とある球技をやっているこの選手。ナショナルチームに選出されるほどの実力を持っていながら非常に謙虚。笑顔が素敵な頑張り屋さんです。この選手とは1年近くコーチングをして来て、「失敗の受け止め方」について度々話をして来ました。
かなり良くなって来たと自分でも感じながら、今一歩このテーマに関して課題感を抱えていたようで、今回もそれについて話すことに。
自分の調子がいい時は失敗しても次に目を向けることができるけど、1日の中でも失敗続きだと、もうダメかもと思ってしまうのだとか。
そっかー。どうしてだろうなー。
と話しを進めていくうちに、この選手が原体験の話に。競技を始めた時はそもそも失敗を失敗とすら思っていなかったと話してくれました。
「お、じゃあなんだと思ってたんですか?」と聞くと
「失敗というよりもここまでできたって感覚。あとはもっとうまくなりたいという気持ちだけでした。」と教えてくれました。
「もしかすると、その感覚がいいんじゃないですか?」と聞いてみると「ですね^^」とニヤッと答えてくれました。
基準はどこか
そもそも「失敗は伸び代ですよ」と伝えていたのは私だったのですが、この選手はこの言葉の意味を自分なりに考え、経験に落とし込むことでアレンジを加えてくれました。本人のひたむきな努力が知識を知識で終わらせず、オリジナルな知恵に変えたのだと思います。その瞬間に立ち会えたことを改めて感謝したいですね。
話の中にも出て来たのですが、「失敗」という言葉に関するイメージにも「誰かが決めた失敗」という感覚があったようです。それに囚われてしまうと、自分自身の中の「ここまでできた」という感覚が歪んでしまうといったことを話していました。
いわゆる外の基準と、自分自身の中にある内の基準にズレがあることがわかったのは今回の成果だったのかもしれません。自分の内側にある基準を大切にした方が成長できると思うのであれば、それを信じて進む時も重要です。使う言葉の意味を改めて考えて、その言葉が適切かどうかを疑ってみることで見えてくるものもあるのだなと、改めて学びになりました。
さてさて、この選手にとってのこれからの「失敗」は「成功の途中」になりそうです。その心構えの先には、どんな体験が待っているのでしょう。
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