なぜブックオフがめだかを売るのか、元古本屋の視点で考えてみた「不定期連載 俺が古本屋の店員だった話」
旧Twitter(限X、ダセェ‼︎)にて打ち切り漫画愛好家の津尾尋華さんのこんなツイート(現ポスト、めんどくせぇ‼︎)を見て記憶の扉が開いてしまった。
「うおぉ、この謎の商材の取扱いには覚えがある‼︎」と思い反射的にこんなことをツイート(めんどくせえから旧表記で統一‼︎)。
というワケで久しぶりに古本屋時代の話、たっぷり俺の主観と当時の記憶だけで話すので付き合ってくれよな、脱線も多いよ‼︎
古本屋の衰退
俺が古本屋時代の末期である2010年前あたり、いよいよ俺の会社チェーンでも赤字の店が増えてきた。それまでは「あの店で赤字なんて努力不足」なんて言われるレベルでやる気がない店か、立地がクソ悪いところくらいで基本的に浮き沈みこそあれど8割の店がまず赤字になどならなかったが、半数ほどの店が恒常赤字に変わりつつあった。
原因はサブプライムローンハジケ由来の不景気なんて言われてたところもあるし、実際それもあっただろうが現場で感じてたことはとにかく「Amazonにゃ勝てねぇ……」ってことだった気がするな。インターネットがインフラとして完全に普及、多くの人がネット通販に抵抗がなくなってきて「現場に行くより早い」し「品揃えはハンパない」ワケだ。
分かりやすくiPod普及から始まったCDの売上なんかは、2006年ごろから毎年目減りしてって3〜4年後には1/5程度に減少してたし、音楽に関しては本より早く所謂「電子で買う」事の抵抗がそこまではなかったんじゃないかなぁ。古本屋とかでCDを漁る人は根強くいただろうけど、それまでの半数くらいは利便性を取ったようなイメージがある。分からんけどね。
それで本に関しては、その時は電子書籍が敵って感じではなかったと思うな。Kindleって名前すらまだ聞き馴染みがなかったし、せいぜいその当時は「自炊」してパソコンに本を取り込む人がいるって話を聞いてたくらいだと思う。それも本を断裁しなきゃいけないから古本屋からしたら「勿体ないなー」なんて話だったしなぁ。
ともあれ2010年頃はまだ本の売上で勝負できた時代だと思うが、今までブックオフブームで火がついて大したことをしなくても古本を売るだけで利益を上げられてきて出世した上の世代のジジイ共(まぁ当時はジジイってほどでもなかったと思うが)が、売上が目減りしてきたから騒ぎ出すワケよ。このままじゃヤバい、何か他の商材で勝負しなきゃ行き詰まるんじゃないかと恐らく会社に入って初めて危機感を抱き始めたんだ。
その懸念自体は間違いではない。後々の歴史を見ればある程度方針転換は必要だったんだが、残念ながら上の世代のジジイ共は売上しか見てないもんで本の持つ価値などをあまり知らない。とにかく「低リスクで利益が出せる」古本屋という仕事についただけの、堅実な商売人てだけだった。それまでの時代での古本屋の概念を取っ払ったブックオフに続いた「新古書」を売ってただけ。そもそも本に興味もない奴らばかりだから、自分の腕に自信もなかったんだろうな。
当時20代30代のエース級社員らは本やCD、ゲーム、DVD辺りで店の維持はできる程度のレベルはあったと思う。俺も当時は自信があったが(流石に今は難しい気がするけど)、とにかく本以外に古本屋で売れるもの、「中古」で購買力のあるものを見つける大喜利みたいなものが開催されてしまう。厄介なのは出世したジジイ共は現場にいない、ただ現場に「僕の考えた古本屋にあったら売れそうなモノ」を押し付けてあまつさえ設置や売り方はこっちにぶん投げ、売れなきゃ「なんで俺が導入したモノが売れないんだ、努力しろ‼︎」というだけのカンタンな仕事(パワハラ)で現場より高い給料が貰えるというボーナスステージに突入しているワケだから辞めない、現場は辞めるという負のループ開始だ‼︎
前置きが大変に長くなった、では古本屋の謎商品を紹介していくぜ‼︎
謎商品その1「駄菓子」
これは卸の会社でも近くにあれば簡単に始められる、手軽な客寄せ。駄菓子は飲食的な許可証も必要ないので手軽に始められる。
これは古本屋の営業が傾く前から、客寄せとして導入する店もあった。子供が多い地域なんかでは絶大な効果を発揮するが、レジを打つ回数が激増するしゴミもあちこちに捨てられる、そもそも仕入れに時間を取られる、賞味期限の管理など利益ほぼなしに大して多くのマンパワーを取られるのでスタッフの数が少ない小型店でやるメリットは正直微妙。駄菓子専門のスタッフをつけるほどの部門じゃないから、個人的にゃ大型店舗でもスタッフの他の作業効率が大幅に低下する印象。
だが責任者(店長)が「前年に対して利益は変わりませんが客数は増えているので、今後は上向きになりそうです」みたいな報告をして上役から褒められた経験があると導入しがち。大抵そういう責任者はレジに立たないからその辺の苦労を軽くみがち。
謎商品その2「トレーディングカード」
今となっては古本屋で取り扱うことは珍しくもないか? 遊戯王に代表されるカード、当時とにかく俺が嫌なのはこれだった。
ジジイ共は他の中古業者が「トレーディングカード」を取り扱ってるのが気になってたらしく、そこで馬の骨とも知らぬ業者から「レアカードはこっちが毎月発行する買取書の価格で買い取ってもらい、それ以外のカードは1cmいくらで買い取れば楽勝。レアカードは店頭で売ってもらい、余れば買取価格で買うよ」みたいなプレゼンを受け、さらにその1cmいくらで買ったカードは業者が持って帰り10枚1パックみたいな編成にし、それを店で売ればスタッフの負担はかからないし店でも売れるしwin-win、みたいなどう考えても裏100%みたいなプレゼンを全面的に受け入れてスタートした。
細かい話は思い出すだけでうんざりするからしないけど、当然そんな旨い話は儲かるワケがなく手間もかかる。オマケに管理職のジジイはトレカなんてよく知らねえから「なるべく沢山の種類でやろう」と遊戯王、デュエルマスターズ、ポケモンカード、マジックザギャザリングなどからゲーセンで遊ぶのに使えるプロ野球、サッカー、競馬、スクエニ(ロードオブヴァーミリオンだっけ?)のカード、ハヤテのごとくとか涼宮ハルヒの萌えキャラのカードとか、いくら手間がかからないと言えどそれなりに知識は必要になってくる。まして俺は遊戯王を通っていなかったから、大変だった……
一つの種類でも大変なのにあらゆる種類を取り扱うため買取にとにかく時間が取られるし、ミスも多くなるから当然客も怒る。ましてやカードの状態が悪いものを買うと、業者も買い叩いてきやがるのでマジで全員○してぇ……オマケに管理職からも「カード売上調子が悪いぞ、どうした?」のようなプレッシャーもかけられる始末。お陰で仕事を辞めてからもトレカの類を見るのも嫌になったよね。
謎商品その3「アウトレットCD」
マジであれはなんだったのか、未だ謎ではあるがよく知らねぇ態度のデカい業者のジジイが割引で販売できる新品CDを持ってきた。多分通常の流通ルートに乗らないもので、新品の2割引きくらいで売れた。当時3059円のアルバムなら2400円くらいで売れたので、何だったんだろうなアレ。
当然最新のCDじゃなくて1年遅れくらいのものが多かったので、利益を上げるほどでもなかったがあって困るってほどでもなかった。個人的にゃ何故かKing Crimsonのベストとか新品で買うには安い‼︎ ってモノがたまに混じってて嬉しくて買ったりしてたけど、客受はイマイチ。
謎商品その4「アウトレットエロDVD」
CDより謎だったのはエロDVD。1本300円程で通常の販売ルートでは見かけないエロDVDが、ある日大量に入荷された。古本屋で新品のエロDVDを取扱うこと自体は珍しい事ではないが、アレはなんだったのか一体。
多分管理職のジジイが業者からリベートでも受け取っていたのだろうと噂されていた商材、当然怪しいパッケージなので売れ行きも月に1本出るかどうかで大量にあったからとにかく邪魔だった。
謎商品その5「スロットゲーム、クレーンゲーム、お菓子落下ゲームの類」
商品てか、店の入口とか店の端っことかにちょっとしたゲームコーナーみたいな奴とかあるじゃん。古本屋はあの手のものを設置するフットワークが軽いから1.2台くらいなら全然あっても構わないんだが、店の広さに対して売上がイマイチな店に「いっそ本の扱いを少なくしてゲームコーナーを増やしてみたらどうだろう?」みたいな提案をするジジイは必ずいる……
ゲームコーナーを多くした結果、本屋にこないようなタイプの騒がしい客が増え本屋に来るようなタイプの客が少なくなる。ゲームコーナーの売上以上のモノを逃した。だったら最初からゲーセンにしちまえ‼︎
謎商品その6「フィギュア」
「オタクの購買力を舐めたらイカン」と2000年代では3周くらいしてたハズの言論をまるで初めて聞いたかのように、突然言い出したジジイがいた。どうやら中野ま○だらけを視察したらしい。
逆にそれまで東京で古本屋をやっててまん○らけ行った事なかったんか? という疑問もさる事ながら、「フィギュアはものすごい単価で売れるぞ‼︎」となかなか日本でもピーキーな値段設定でお馴染みの地域、というか文化を備えた地域の値段をこの辺でやって売れると思うんじゃねぇぞ素人が‼︎ と言いたいが管理職は「今ゲームの買取がネットで見れるぞ、ウチはソ○マップと同じ価格でゲームを買い取ろう‼︎」とかそういう地域性などを一切考慮せず、とにかくデカいモノに丸ノリしあまつさえそれを自分の手柄のように言う文化が根付くチェーンでは必然だったのかもしれない。
俺の担当した店舗では、取扱いが開始する前に幸いにも(?)俺が退職してしまったのでどうなったのかは知らんけど、その後その店舗はソッコーで潰れたのでさもありなん。
謎商品その7「1枚5円コピー機」
これも俺の担当店舗ではスペース不足で導入されなかったが、1枚5円コピー機というのを導入していた。そこそこ需要はあったらしいが、ボロいのか紙が詰まったり硬貨が詰まったりとそれなりに手数が必要で面倒くさいらしく、やはり取扱い注意であったとのこと。
こういう人の手が必要になる事を、現場にいないジジイは知らない。
謎商品その8「酒」
こっからは俺がこのチェーンを退職した後に取り扱っていた物の話なので、解像度は低いのはご勘弁を。
未開封のモノ限定らしいが(当たり前か)酒を買い取ってたらしいのよ。しかも店で販売もしてたらしい。古本屋行って中古の酒売ってても買う気になるかね?
恐らく、そのチェーンもネット販売やってたから「ウイスキーが高騰してる今なら行ける‼︎」と思ったのかな。もしくはまた業者に唆されたか……
謎商品その9「家電」
退職後5〜6年経ち、久しぶりにそのチェーンの本店近くを通ったので怖いモノ見たさに入ってみたところ衝撃を受けた。
かつて所狭しと漫画の棚を並べていたコーナーがなくなり、中古と思われる洗濯機が沢山並んでいた光景を俺は忘れることができないのであった……誰が古本屋で洗濯機を買うんだろうか……
家電じゃないけど、古本屋で中古のスマホの取扱いなんかもちょいちょい見かけるようになったな。アレは生半可な気持ちで扱ったらトラブルの元にしか見えないが、どうなんだろ。
謎商品その10「カブトムシ」
今回冒頭の津尾尋華さんのツイートを見て強烈に思い出したのが、割と近年古巣チェーンの店舗の近くを通った際に掲げられたのぼりに「カブトムシ売ってます」。
それを見た俺は「正気か」としか思えなかった。もはやリベートとでも思えず、なんなんだろうな……
尚、その店舗も数年後に閉店した。
まとめ
という程でもないが、お分かりいただけたであろうか? 大体のモノに共通して言えるのが、「何故古本屋でそんなモノが」という違和感しか残らないものばかり。
それもこれも当時、古本屋というよりブックオフ以降の「新古書店」で一時代を築いたジジイどもはバブル崩壊後の景気悪化の中で、それまでほぼ新品で買うことが当たり前だった漫画を中古なら安く買えるじゃんとブックオフが知名度を飛躍的に伸ばした結果、特に宣伝費などを掛けることもなく業界として勝手に右肩上がりになって行った時、たまたまその場にいて出世した人間ばかりである。
つまり、何の策があったワケでもなく「俺の時は今より売上が良かった」とノー努力でのし上がったワケで、奴らは内容で勝負することができない。古本屋は本屋なので、本の内容を充実させるべきだということが理解できないのだ。
とは言えその下の世代はそれなりに競合も増えてきて、ある程度工夫をしないと生き残れない部分もあることからレベルが上がるものの、売上よりも利益の面で上の世代には劣った(例えば昔の漫画買取価格は、何を持ち込んでも全て1冊10円とか20円とかいう世界)。ある程度買取価格を上げざるを得ない状態だから、売上を上げても利益の面で上の世代はマウントを取ってくる。
なので上の世代の人間は本で勝負するより、まだ中古販売なんかが定着していないものを探す傾向にあるんじゃないかね。上のモノで言えば酒なんかは「見つけた‼︎」って感じだったんじゃねえかなー。
世はメルカリ全盛時代になり、個人でも売り買いが容易になってきた時代。もはやそういうブルーオーシャンを探すのは難しそうだけどと思って古巣のHPを見たら、最近は「自転車」の買取を始めたようだ……
確かに材料不足で部品高騰、しかもコロナ以降また人気が出てきたからね。しかしそれもちゃんと整備できてこそって気がするが……性根逞しいこって。
しかしそんな東京とは言えローカルの古本屋がやってたような苦肉の策を、まさか天下のブックオフがやり出すとは。確かに今や電子で本を読む人が増えただろうし、業界でトップクラスに買取が渋いのもバレてるし、POS導入でスキのある価格の物も減ってきたしなぁ。ブックオフのお家芸である「大量入荷・大量消費」が通用しない時代になってきてる。
俺の退職前くらいは「本に拘ってる店ほど危ない、これからはゲームを強化していくぞ‼︎」という流れの店舗もあったが、スマホゲーム普及とある意味本以上にネット購入と相性がいい所以かゲームの中古もだいぶ厳しそうな印象を受ける。そもそも中古を扱うゲームショップなんか、古本屋より見なくなって来たもんな。
そもそもニンテンドーDSのバカ売れや、モンハンブレイクによるPSPブームによる携帯ゲームバブルが終わって以降はゲームで売上を確保するのも大変そうな時代になってきてるイメージだ。
万代書店とかぐるぐる大帝国みたいに、本以外にも色々扱ってて「毎日がお祭り‼︎」みたいなロードサイドの大箱店とか、専門的な古本を中心に扱ってる本物の「古本屋」が生き残ってて、その中間にあるような所謂「新古書店」が1番中途半端になって潰れていく時代になって来たのは、皮肉だよなぁ。
古本屋がめだかを取扱う理由
ということで話も長くなってきたし表題の回収もしないとねと、今までダラダラ書いてきたことから見えると思うが、3つ理由が考えられる。
・その1「業者との癒着」
上の奴だとアウトレットCDとかエロDVDとかがこれに当たるが、世の中には色々な営業の人がいて、色々な商品を取り扱ってるということを古本屋時代に知りました。
で、その際店の面積を削ってまで導入するモノは、例えば「社長の友達がやってる」とか「社長の娘の旦那が関わってる」とかのゴリ押しが強いことが判明しています(俺調べ)。あとは担当した管理職が恐らく「リベート」を受け取ってる場合もあると思う。しかしブックオフは言うても大手なので、流石にそこまで分かりやすく癒着で導入は考え難いか。
・その2「他の店がやってるから」
俺はこれが最大の理由のような気がする……
古本業界はコーヒーを1店舗導入したら横並びで何処の店舗も導入するコンビニ業界もビックリするくらいプライドがないので、上で言えば「トレカ」や「中古スマホ」なんかがそれに相当するがとにかく他の店舗がやってる事を丸パクリしたがる。
近年のブックオフの傾向的にも、そういう他の中古業者が始めて「上手く行ってそうなもの」を取り入れてる気がする。俺の古巣の上司とかだと「トレカやるぞ、成功するかどうかなんてやってみないと分からないだろ‼︎」とまぁ何の思慮もデータも恥も外聞もなく始めるんだが(そして現場には来ないので扱う現場の人間のモチベーションは下がる)、それと比べれば最大大手なので一応比較検討した上で導入はしてるだろう。事実古本業界で「ブックオフが〇〇をやり始めたぞ」ってのは見たことがないから、絶対1番石橋を叩いて渡っているハズだ。
当時俺が働いてたころは、各地の古本屋が「高額買取表」なんてモノを作って「この作品を是非お売りください‼︎」ってやってた頃、ブックオフだけがやってなかったもんそれ。1番最後にやり始めるんだよ、ブックオフが。多分他の店でやってることをやるにもあそこは大手で、フットワークの軽さはないんだ。だから多分会議とかを通して始めないといけないから時間がかかるんだ。
で、恐らく俺の古巣もカブトムシなんか古本屋で扱ってたくらいだから多分どっかで生き物を扱って成功した古本屋があると思うんだよな。
なので、多分ブックオフが「めだか」を販売するってことはそれで成功したとか話題になったところがあると思う。有象無象が色んなトレカを扱ってもブックオフはせいぜい遊戯王くらいしか扱わなかったところを見るに、やっぱ1番「売れそうな」モノを狙ってくハズだからね。
・その3「オリジナリティを狙ってる」
これまで散々言ってる通りパクリと猿真似が大好きな老害が跋扈する業界ではあるんだが、稀に良くも悪くも「オリジナリティ」を出したがる人はいる。上には書いてないが、アウトレット食品(?)とかを独自のルートで仕入れてきて売ってた管理職とかいた。駄菓子とかもその人が始めたもんだった気がする。
とにかく他と同じ事をしたくないとか、他の奴には負けたくないとかそうした反骨心から独自路線を貫く人というのはいる。それで成功することもあるし派手な爆死になる場合もあるが、自分で始めるだけで他に押し付けてこないだけマシではあったな。
でホントにそれは良くも悪くもなので、例えば駄菓子みたいに当たっても外れても忙しくなるだけの地獄みたいなことは余裕で存在する。
流石に大手のブックオフでそれをやれるとこはあるか? と考えるとこれは難しい気がするな。
終わりにブックオフへの提言など
散々古巣の業界にツバを吐き続けるnoteになってしまった自覚はあるんだが、新古書店の衰退は個人的に悲しさは感じている。学生の時なんて散々古本屋を梯子して色々買ったり、金がない時はブックオフで2時間くらい色々な漫画や小説なんかを立ち読みした(すまん‼︎)クソ人間だったからなぁ。
そこで業界最大手のブックオフには生き続けて欲しいと思うので、色々難しい世の中ではあると思うんだが言わせて欲しい。
今の時代こそ、ブックオフは昔のスタイルのままでいいという事を。
昔のブックオフは、今もある程度あるだろうが「本の状態至上主義」だった。本の持つ価値に値段をつける事をある程度放棄し、本の状態に値段をつけることにしたスタイル。それに満たないモノを100円で売り、100円に満たないモノを捨てていく。それにより、ある程度過去の本は足切りされていき新陳代謝されていく本棚になる。
それで散々捨てられてしまった価値のある本も多々あるだろうが、今は価値のあるモノはある程度売り手が判断できる時代になってきたし、なんならブックオフ側で価値が分かるならそれはオンラインショップで適正な値段で出すことができるハズ。今、昔のブックオフスタイルでやる事が逆に活路になるんじゃないかなぁ。
ブックオフの魅力は古本の圧倒的手軽さと、「これが100円で買えるのか‼︎」というコレクター的な面白さだと思うんだよな。今はPOS導入で値付けが可能になった結果、コレクター的な面白さが完全に失われて中途半端にウチの古巣のようになって行っているので、これでは緩やかな自殺と変わらないと思う。どこかでやっぱブックオフはこれだという落とし所を見つけて欲しいし、それにはやはり本屋であって欲しいんだよな。
あとは俺の古巣も含めて、もっと真面目に本を扱って欲しいなぁ。この時代難しいと思うけど、出版社は盛り返したし紙は減ってるかもだが、少なくとも電子書籍に中古はない。真面目に紙の書籍を扱えば、数は少なくなっても生き残れるとは思うんだよ。
少なくとも、この時代に現場で本が好きで古本屋で働いてる人のモチベーションが下がるような商品ばっか扱うのは絶対止めるべきだと思う。そんなことばっかやる現場に、いいお客さんはつかない。
……と、とっくに古本業界を抜けた気楽な立場の人間の独り言だと思ってもらえれば。
あーでも当時のクソジジイ上司共ななるべく苦しんで欲しい、以上‼︎
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