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菊之助は、玉三郎の代役、岩長姫を誰に教わるのだろう?
感染者数の拡大とともに、私の身近にも関わりのある人が見つかるようになってきた。
今日、もっとも驚愕したのは、坂東玉三郎が来月の歌舞伎座、第四部『日本振袖始』を七日まで休演するとのニュースだった。
日刊スポーツの伝えるところによると「22日に新型コロナ感染を発表した片岡孝太郎(52)と対面で会話をする機会があったため。2人ともマスクをしており、会食などではないという」という。
国立劇場第二部「毛谷村」は、孝太郎が感染したために千穐楽まで中止となった。普通に考えれば、「毛谷村」のお園の役を、玉三郎に教わったときに、濃厚接触の疑いがあった。そのため、保健所から指導が入ったと考えるのが、自然な読みだろうと思う。
もちろん、だれでも感染は起こりうる。孝太郎を責めるつもりは、みじんもない。
けれど、歌舞伎の役は、しかるべき先輩役者が、直接、型を教えるのが長い伝統となっている。こうした事例があれば、教える側も教わる側も及び腰になって、伝承に支障がでる。
七日まで休演する玉三郎がつとめる予定だった岩長姫実は八岐大蛇を尾上菊之助が勤める。また、菊之助が配役されていた素盞嗚尊は、坂東彦三郎が勤める。休演日をはさみ九日から二十六日までは、予定通り、玉三郎が岩長姫を、菊之助が素戔嗚尊をつとめる。
しかし、ここで、疑問が起こる。菊之助はだれにこの役を教わるのだろうか。
年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。