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舞台で主演する資質とはなにか。



男優の資質 

 野田秀樹作・演出の『正三角関係』で、松本潤は、堂々たる厚みで舞台を支配していた。松本には、スターとしての帝王学がそなわっているからだというのでは、理由を解明したことにはならない。まぎれもなく松本は、野田秀樹の舞台の主役ととして、揺るぎなく舞台にいた。
 私はかつて友人たちと交わした会話を思い出していた。

 昨年の冬だったろうか、気の置けない友人たちと、神保町の新世界飯店で夕食をとった。頭脳明晰なふたりなので、談論風発。話題はあれこれ飛んで、めくるめくような言葉の洪水を愉しんだ。

『正三角関係』から離れて

ここからは、『正三角関係』から離れて、この十年くらいの舞台についての話題である。
 そのなかで、私がふたりに問いかけたのは、なぜ、日本には、たとえばシェイクスピアの大役を演じるにふさわしい男優が払底してしまったのだろうという疑問だった。具体的に名前をあげつらって、俳優のよしあしを品定めしたわけではない。シェイクスピアの世界と埋蔵された歴史を背負って立つには、どんな資質が必要なのかを考えた。

 

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。