【劇評258】右近、巳之助の『弁天娘女男白浪』は、歌舞伎の未来を予告する。
歌舞伎座で『京鹿子娘道成寺』を踊るのは、女方舞踊の頂点に立つひとりと認められるに等しい。世話物では、『弁天娘女男白浪』の弁天小僧菊之助を勤めるのは、同じような意味を持つだろうと思う。
音羽屋六代目菊五郎の藝統を継ぐ者として、中村七之助、尾上右近は、いずれはこの役を歌舞伎座と願っていたはずだ。七之助は、平成中村座で何度も勤めているが、歌舞伎座では右近が先んずることになった。
年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。