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天才と名人の息子たち。勘九郎、七之助、巳之助のいま。

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十八代目中村勘三郎、十代目坂東三津五郎とは、筆者と同世代でもあり、彼らの舞台を熱心に観てきました。歌舞伎の伝承の基本には、家の藝があります。勘九郎、七之助の中村屋、巳之助の大和屋…
更新は不定期です。勘九郎、七之助、巳之助の舞台の劇評を中心に、映像などの周辺の仕事を書いていきます。
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記事一覧

「三田文學」秋季号に、勘九郎の『髪結新三』の悪、その色気について書きました

 「團菊爺から勘三津爺へ」と題して、雑誌「三田文學」に時評を書きました。ご想像の通り、早…

長谷部浩
1か月前
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【劇評346】勘九郎の『髪結新三』。果敢な挑戦。

型の美しさより、人間の業と考えれば、勘九郎初役の『髪結新三』が、がぜん意味を持ってくる。…

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長谷部浩
3か月前
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【劇評343】趣向の夏芝居で観客を沸かせる幸四郎。進境著しい巳之助と右近。

 趣向の芝居である。  七月大歌舞伎夜の部は、『裏表太閤記』(奈河彰輔脚本 藤間勘十郎演…

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長谷部浩
4か月前
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【劇評339】初代萬壽の一門の隆盛を願う気持ちが伝わってくる『山姥』

 時蔵が萬壽となり、名跡を梅枝に譲ると聞いて、ある種の感慨に捉えられた。  子供時分はい…

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長谷部浩
5か月前
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【劇評336】悪所の蠱惑を逆手にとった「歌舞伎町大歌舞伎」。

 歌舞伎役者がホストに扮したアドトラックが街を走った。  勘九郎、七之助、虎之介、鶴松の…

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長谷部浩
6か月前
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【劇評329】勘九郎、長三郎の『連獅子』。名人、藤舎名生、裂帛の笛に支えられ、難曲…

 勘三郎のDNAが確実に、勘太郎、長三郎の世代にまで受け継がれている。そう確かに思わせたの…

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長谷部浩
9か月前
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【劇評323】色気したたる松也の『魚屋宗五郎』。妹のお蔦はどれだけ殿や岩上を狂わせたのだろう。こんな宗五郎を観たのははじめてです。

 色気があり、キレ味のよい宗五郎を観た。  松也が勤める宗五郎は、単に断酒を破った酒乱の物語ではない。  江戸の庶民として、妹を妾奉公に出さねばならぬほどの窮地から、自分たち一家が救われたことのありがたさ。こうした庶民が強いられた忍耐によって、妹が突然の死を迎えた鬱屈を抑えに抑えている宗五郎の心境がまざまざと伝わってくる。  松也の宗五郎がいいのは、理屈で芝居を運ばず、つねに情を大切にしているところにある。松也の持ち味であるのんしゃらんとした性向を押さえて、しらふの芝居を律

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【劇評322】玲瓏たる玉三郎演出の『天守物語』は、本年の突出した収獲となった。

 透徹した美意識は、どこへ辿り着くのか。  泉鏡花作、坂東玉三郎演出の『天守物語』を観て…

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長谷部浩
11か月前
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鶴松がお光を勤める『野崎村』。勘三郎の思い出。

 猿若祭二月大歌舞伎。もう十三回忌となるのか。墓参りは欠かさないようにしているが、今も、…

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長谷部浩
1年前
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【劇評317】歌舞伎座で歌舞伎らしい歌舞伎を観た。仁左衛門が融通無碍の境地に遊ぶ『…

   十一月歌舞伎座、夜の部は、久し振りに歌舞伎を観たと実感できる狂言立てだった。世代を…

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長谷部浩
1年前
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【劇評312】歌六、勘九郎、児太郎の『金閣寺』。力作が揃う吉右衛門三回忌追善。

 祖父と孫の共演は、なぜ、ここまで観客の胸を打つのだろうか。  秀山祭九月大歌舞伎は、二…

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長谷部浩
1年前
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【劇評309】幸四郎、勘九郎の意気地。若手花形の成長を楽しむ『新門辰五郎』。

若手花形の充実が急がれる課題であるとすれば、真山青果の群像劇『新門辰五郎』を第二部の出し…

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長谷部浩
1年前
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松たか子の才能と、忘れられぬ思い出。『兎、波を走る』を見て。

 朗読劇ではなく、モノローグの名手として、松たか子は長く記憶されるだろうと思う。  その…

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長谷部浩
1年前
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【劇評301】歌舞伎役者の一員として責任を果たす。初代尾上眞秀の初舞台。

 上演年表を眺めて飽きることがない。  もっとも手軽なのは、歌舞伎座の筋書で、戦後ではあるにしても、上演年月、配役、備考、上演時間がコンパクトにまとまっている。幕間に、年表を眺め、自分が観てきた舞台を思い出すのは、歌舞伎見物の楽しみだと思う。  團菊祭五月大歌舞伎。昨年の團十郎襲名によって、十五年振りに團十郎、菊五郎が同じ舞台に乗る。今を盛りの松禄、團十郎、菊之助に、大立者たちがからんで大顔合わせとなるのが期待された。  まずは、『対面』。こうした定型の役柄の複雑な組み

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