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ブロッコリーの品切れにより思わぬクレームが発生。どう解決するか?
僕はWebラジオ「Voicy」のパーソナリティを担当していますが、ある日、リスナーさんから驚きのお便りを頂きました。
1. お便りの内容
はるゆきさん。
いつも放送をありがとうございます。ぜひ質問させてください。
近所のスーパーの「匿名でのお客様用掲示板」が、ちょっとすごいことになっています。
とある60代のマダムの投稿です。
達筆の文字で、ブロッコリーが夕方に手に入らないせいで、食卓に栄養と彩りがなくなることへの懸念。
わざわざ夫に、他のスーパーへブロッコリーを買いに行かせている。その際、夫がブロッコリーを大量に買ってきて、冷蔵庫がブロッコリーで溢れている。
そのせいで、自宅の冷蔵庫がブロッコリーだらけになっている。きちんと手に入れば、このような思いをしなくてすむ。
…というような、かなり個人的な長文の内容でした。
マダムの投稿を受け、担当者がブロッコリーが品薄にならないよう手配し、ここ数ヶ月、近所のスーパーのブロッコリーコーナーだけが、常に超山盛りです。
掲示板は、マダムと担当者の文通のようになっていました。
上記のことから
①マダムの個人的な事情をスーパーが聞き入れすぎている気がする。
②ブロッコリーが過剰在庫になって常に余っていて、割引コーナーに並べられるようになった。
という状態になっています。
個人的な懸念点は、ブロッコリーの廃棄や、マダムが今後、さらに個人的な要求をしてきそうで怖いなあと感じてしまったことです。
もし、はるゆきさんがスーパーの責任者だったら、この手の個人的な問題をどう解決されるか、またマダムにどのようにお伝えするのかなあと思い、ご質問させていただきました。
よろしくお願いいたします。
2. はるゆきの解釈
様々なお客様がいらっしゃいますね。60代マダムはブロッコリーに思い入れが強いようですね。(笑)
夫の存在にも注目です。他のスーパーへ買い物に行かされた彼は、自宅の冷蔵庫が溢れるほどブロッコリーを買ってきました。「これだけ買えば妻は文句言わないだろう」という思惑でしょうか。
しかし、溢れかえるブロッコリーを見たマダムは、怒りが沸き上がりました。夫の思惑は外れたと言わざるをえません。
さらに、マダムの怒りの矛先は、品切れを起こしたスーパーへ向けられました。自宅の冷蔵庫がブロッコリーで溢れかえったのは、品切れを起こしたスーパーの責任ではないと思うのですが…。
そして、マダムの投稿の影響か、そのスーパーではブロッコリーを余剰に仕入れるようになり、ブロッコリーが割引コーナーに並べられるようになったようです。
……客商売、色々なことがあるなと感じました。(笑)
では、セールス歴20年の僕なら、どのようにマダムへ伝えるか?
3. マダムへこう伝える
この度はブロッコリーの在庫切れにより、お客様に不快感を抱かせてしまい大変申し訳ございませんでした。
お客様がご来店いただいた際、お求めの商品をお届けできるよう、当店の在庫管理法を見直します。
お客様がお越しいただく時間によって、どうしても商品の在庫量は変動します。ブロッコリーの入荷は毎朝〇時です。〇時ごろにお越しいただくと在庫切れの可能性が低いです。
しかし当店としては、生鮮食品の廃棄処分を出さない範囲内で、潤沢な在庫をご用意できるようにいたします。
この度は貴重なご意見を、誠にありがとうございます。
4. 伝え方の解説
丁寧な表現ですが、主張するところはしっかり主張しています。
主張したいことは、以下です。
在庫量は変動する(在庫が切れるときはある)
生鮮食品の廃棄を出さない範囲で在庫を用意する
在庫がある時間に来てほしい
しかし、そのまま伝えてしまったら、マダムはお怒りになるでしょうね。
大切なのは、冒頭です。
「不快感を抱かせてしまい大変申し訳ございませんでした」
感情面にお詫びをして、冷静になっていただきます。
お客様はイライラしているのです。感情面への謝罪からスタートするのが良いと思います。
5. 根本的な問題と解決
根本的な問題は「匿名でのお客様用掲示板」の存在ですね。おそらく、ホワイトボードのようなものでしょうか。
これっていかがでしょう。あった方が良いですかね?
「匿名掲示板です、どうぞご自由にご意見ください」とすると、あまりにも自由すぎる意見が集まるリスクがあります。
今回のケースですが、マダムとスーパーのやり取りを見ている第三者に不快感を与えていることも、大きな問題だと思います。
匿名掲示板を置くと、誰しもが見えてしまいます。過度な要求が入ったとき、スーパー側が何も対応しないと、「この店は掲示板を設けているくせに、意見に対応しない」と思われてしまうかもしれません。
匿名掲示板は、不特定多数の方がいらっしゃるスーパーマーケットのような業態では、止めた方が良いと思います。
僕でしたら、物体としての掲示板を止めます。その代わり、ホームページに「意見収集Form」を置きますね。ご意見ある方はこちらに投稿をお願いします、とする。
このように対応すると思います。
6. まとめ
教訓は2つです。
①お客様の意見を聞くのは非常に大切。しかし、不特定多数に向けた商売の場合、意見収集の仕方を工夫しましょう。
②謝罪をするときは、まず、感情面にお詫びをする。寄り添う姿勢をみせながら、しっかり意見を主張する。
ぜひ参考になると嬉しいです!
最後までありがとうございます。
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本noteは「会社員の攻略本」がコンセプトです。次の記事もぜひお楽しみに!
今回の内容、2023年2月3日のVoicyでお話しています。良ければ聴いて下さい。※ クレーム内容のインパクトが強かったので…正直、笑いを堪えながら収録しました…(笑)
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