haruta

短いお話やエッセイを書いています。

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    拙い文章ですが、ぜひ見ていってください。

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    日々感じていることを、気の赴くままに書き連ねています。

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優しい人を好きになれたら

蝉が鳴き始めた、大学3年の夏。 サークルのメンバー。適当に招集したメンツでお酒を飲んでいるときだった。 「私、コンビニで水買ってきますね〜」 そう言って立ち上がった私に誰かが声をかけてきた。 「え、夜だし、誰かついてった方がよくない?」 「あ〜じゃあ俺行くわ、タバコ買いたい。」 そう言って1人の先輩が財布をとりだした。 私と先輩を除くみんなが、にやにやしながら何か目配せしたように見えて、どういう顔をしたらいいか分からない。 私のことが好きだって、そう聞いたのは1年生の

    • ネックレス

      「このネックレス、かわいいでしょ〜」 「ほんとだ、いいじゃん。」 …予想通りの返答に、私は内心あきれる。鼻がツンとなって、目にこみ上げてきそうなものを、あわてて横を向いてこらえる。 が、そもそも私の方など向いていないあなたには、無意味なことだった。 付き合ってそろそろ1年。 私より1つ年上の、少し大人な彼。 黒に近い茶色の髪で、落ち着いた雰囲気。話すと案外無邪気。 たくさん話はするけれど、肝心なことに限って胸の内を明かさない。 どちらかと言うと犬系のかわいい顔立

      • SNSのおすすめ欄に突如あらわれた人物。2年前の夏別れたっきり、なんの接点もなかった君。興味ないって言って、SNSなんてやってなかった。そんなとこが君らしくて、好きだった。変わっちゃったんだって、寂しくなって、もう関係ないけどって思って、また寂しくなった。元気でね。

        • 友達を大事にするということ

          たとえば、小中高、どれでもいい。 卒業アルバムの最後、 寄せ書きのページを思い返してみてほしい。 「ずっと仲良しでいようね!」「私のこと忘れないでね!」そんな言葉達が並んでいるのではないか。 さあ、それを書いた時、書かれた時の心境は ___当たり前じゃないか ___今こんなに仲良しなのだから そんなものではなかったか。 今仲がいい友達はずっと仲がいい。 無邪気に、当たり前のように、 そう信じていた時期があった。 しかし実際は。 寄せ書きを書いてくれた友達で 今も変わ

        優しい人を好きになれたら

        • SNSのおすすめ欄に突如あらわれた人物。2年前の夏別れたっきり、なんの接点もなかった君。興味ないって言って、SNSなんてやってなかった。そんなとこが君らしくて、好きだった。変わっちゃったんだって、寂しくなって、もう関係ないけどって思って、また寂しくなった。元気でね。

        • 友達を大事にするということ

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        記事

          自分を客観視するということ

          友人から本を借りて読んだ。 辻村深月さんの『盲目的な恋と友情』だ。 テーマは題名の通り 盲目的な恋と、盲目的な友情。 嫉妬、執着心、憎悪、そんな感情がありありと書かれた作品だった。 辻村深月さんを好んで読む私からしたら、作風のガラッとかわった挑戦的な作品だったように思う。 恋は盲目。そんな言葉をよく聞く。 恋に溺れた姿というのはとてつもなく盲目で 自分を客観的に見る余裕はおろか 他人の「ああすれば?」「こうすれば?」という忠告さえ耳に届かない。 しかし、いざその恋が

          自分を客観視するということ

          後ろ向きでも前に進むということ

          「頑張りすぎて疲れて、後ろ向きになってしまう時だってある。 だけど 後ろ向きでもいいからその道を信じて前に進んでいってほしい。」何年か前、ある先輩にかけていただいた言葉だ。 そのときは、分かるようで分かっていなかった、というのが正直なところだ。 しかし 今になってようやく私は、この言葉に背中を押されている。 今進んでいる道に迷いがあるのだ。 このまま進んでもいいものか。 それとも、別の道を歩むべきなのか。 引き返すべきなのか。 そんなことを悶々と考える日々が続いていた。

          後ろ向きでも前に進むということ

          向き合うということ

          見たくないもの 考えたくないこと そういったものに蓋をして 見えないようにすることが得意だ 嫌なことがあったとき、私はわざと考えないようにする 苦手な人間を、「この人苦手だ」と思い込んでしまうと、上手く接することができない、だから、人への苦手意識もみないようにする 人間の良い部分だけを見るようにする _長所だよそう言っている自分がいる ずっとそう思ってきた _ほんとに?最近、そんな風に言う自分が少しずつ見えてきた 私は自分のことを 人を嫌いにならない上に 気持ち

          向き合うということ