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自分を客観視するということ

友人から本を借りて読んだ。
辻村深月さんの『盲目的な恋と友情』だ。

テーマは題名の通り
盲目的な恋と、盲目的な友情。
嫉妬、執着心、憎悪、そんな感情がありありと書かれた作品だった。
辻村深月さんを好んで読む私からしたら、作風のガラッとかわった挑戦的な作品だったように思う。

恋は盲目。

そんな言葉をよく聞く。
恋に溺れた姿というのはとてつもなく盲目で
自分を客観的に見る余裕はおろか
他人の「ああすれば?」「こうすれば?」という忠告さえ耳に届かない。

しかし、いざその恋が終わってみると、
なぜ自分がそんなことで苦しんでいたのか
不思議でならない。

自分も、思い返すとなんでそんなことで悩んでいたのだろう、と感じるような恋をしたことがある。
いくら他人に相談を持ちかけようが
自分が渦中にいる間は客観的に考えることなんて到底できなくて
事が終わってみないと冷静な判断なんてできない。
でも、物事が終わってからその何かを判断するなんて意味の無いことであって。

どうしようもなく盲目になってしまう時があるんだよね。

私が思うのは
たぶん悩んでいる間も、こうしたいっていう答えは自分の中で少なからず持っているんだ。
でも行動に移すほどの自信や勇気はなくて
それを後押ししてくれる人を求めてる。
相談するときなんて、
自分が欲しい答えをくれるって判断した人のもとへ行くんだから。
それが無意識であろうと。

だからどうしろという訳では決してないけれど
何かに悩んだときには
全く違う視点
中立的な視点
そういうものを聞き入れる余裕は持っていたいなあと。

自分を客観視するってなんて難しいんだろう。

そんなことを考える作品。