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部下に動いてもらうには、まず自分

ページを見てくれてありがとうございます。
『メンバーのキャリアに関しての悩みに、マネジメント者としてどう向き合うか』シリーズの第三回です。

『自分のキャリア、このままでいいのだろうか?』そんな不安を抱える人は少なくありません。実は、私もメンバーたちと話しながら、何度もこの問いと向き合ってきました。

このタイトルの記事では、彼らに伝えてきたアドバイスや気づきを少しずつシェアしていきたいと思います。誰かの参考になればありがたいです。


山本五十六の言葉


「部下が思ったように動かないし、成長しない」

という部下マネジメントに関する相談がリーダーポジションのメンバーからありました。組織で働く以上、上司がいて部下がいます。上司は部下の目標を明確にし、その目標到達のための支援をしていきながら、組織推進をする役割。

従来型のリーダー(管理職)は、『その仕事レベルが高い人』がなることが一般的に多くありました。しかし、VUCA時代に突入した今、仕事を取り巻く変化が早く、今までと同じことをしていても成果があがる保証はなくなっています。そのため、新型のリーダー(管理職)は『人を動かせること』『人として成長させられること』ことが求められることが強くなっていると考えます。

ですが、なかなかそのミッションも簡単ではありません。

私はそんなときに山本五十六の言葉をよく伝えることがあります。山本五十六は大日本帝国海軍の軍人で、太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官として、多くの部下を統率してきた人物です。

そんな山本五十六の言葉で『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。』というものがリーダーシップ論が詰まっている内容だと感じます。耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

私は、その中でも最も大切で、難易度が高いのが「させてみせ」の一文。
つまりは、自分でやらせてみることです。

メンバーには目標さえ与えれば自走できるタイプと自走できないタイプがいて、自走できるタイプは「やってみせ」さえすれば、コツを掴むまでが早く比較的成長しやすい傾向があります。一方、自走できないタイプは「やってみせ」ても動けないことも多く、根気よく「言って聞かせて、させてみせ」が必要になります。

言って聞かせるも大切ですが、部下育成・人材育成の肝は次の「させてみせ」に醍醐味も、難しさも凝縮されていくところです。手間がかかるし、辛抱強さも必要。私は、部下マネジメントに携わっている人は自分本位ではなく、心の習熟度が高い人ではないと難しいとさえ思うことがあります。

だから部下マネジメントに携わる人達は、部下からの相談事に対して、すぐ答えを伝えるのではなく、「あなたはどう思う?どうしたい?」と問いかけることも重要。部下自身で考えさせ、自分なりの一歩を踏み出させることも【させてみせ】の一つです。

今回のような相談に対しては、部下の状態を見極めて、『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。』の観点で、成長支援してみるのはどうかと伝えていくようにしていています。

まとめ

リーダーから後日報告をもらいました。

“自分が部下の成長をなんとしてもやらなければいけないと焦っていましたが、やってみせ(模範を示し)、言って聞かせて(相手の目線でやり方を伝え)、させてみせ(一歩を踏み出す支援をした)にフォーカスを当てた結果、メンバーに初めての達成をさせていくことができました。数字の達成だけでなく、それ以上にメンバー自身が自分で考え、動いて成功した経験からか、自己効力感があがり、自律的に動けるようになってきたと感じます。メンバーを動かすには、自分が変わることが必要だと改めて感じました。”

リーダーとして部下をまとめ、成果を出して、部下自体も成長させていく役割は簡単ではありません。しかし、それゆえに部下の成長はまさに自分のことのように嬉しく感じる場面を味わえるのもリーダーの醍醐味です。難しいからこそ挑戦して欲しい、そんなリーダーへの一歩を踏み出して欲しいと思いました。

実は、山本五十六の言葉には続きがあります。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で、見守って、信頼せねば、人は実らず」

人を育てるには、相手の話をよく聞き、途中で口出しせずに任せること。信頼して見守ることが大切ということと、相手へ敬意を払って一人前の人として接っしていくことで人は育つという内容が、言葉に詰め込まれていました。

歴史の人物であり、若い管理職にはピンと来ないかもしれませんが、今の時代だから、より役立つ内容かと思います。

ぜひ参考になれればと思います。

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