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「☆ アイノモト ☆」創作短編小説 (「ザ★チャーハン」投稿コンテスト「チャーハン大賞」参加作品)
「☆ アイノモト ☆」
赤城春輔 著、 創作短編小説
(「ザ★チャーハン」投稿コンテスト「 #チャーハン大賞 」参加作品)
☆ この作品はフィクションの創作小説で、私のエッセイではありません。私は安定の独身です(笑)。 (ノ´∀`*)
☆ あらすじ
チャーハンで愛をつなぐ遠距離恋愛の2人が、ついに結婚して、念願の愛しい赤ちゃんへ捧ぐ、ビデオレターならぬストーリーレターです。
楽しんでご覧いただければ、とても嬉しいです。
どうぞ~。 (о´∀`о)
☆ アイノモト ☆
「たかゆきくんへ」
パパ、あいかわ たかし、
ママ、あいかわ みか、
これは、☆ チャーハン ☆ が大好き! な、
パパとママの物語です。
たかゆきくんへの、1番さいしょの、さいこうの、
愛のつまったプレゼントです。
ぜひ 受けとって、パパとママのことを、
たくさん、たくさん知ってください。
たかゆきくんは、こんな2人に愛されて、
ここに生まれてきました。
☆ ☆ ☆
それは、きれいな桜の花びらがお空でフワフワと舞って、
とてもワクワクした高校の入学式でした。
パパは2年生、ママは新しい1年生です。
2人は、オリエンテーションではじめて会いました。パパは先生のお手伝いの係でした。
パパは、ママのことを「カワイイ人だ!」と思いました。
ママは、パパのことを「軽そうな人だ。」と思いました。
でも、6月の暑い日の体育祭の係が一緒になって、ママは、「この人はまじめな人だ!」とだんだん好きになっていきました。パパは、ママのことは会ったときから大好きです。
そして、パパとママはつき合うことになりました。
楽しいことも、腹のたつことも、泣いちゃうことも、嬉しいことも、
たくさん、たくさん、
一緒に経験して、歩んで、
「しあわせ」へ進んでいきました。
ママは、チャーハンを作ることが大好きです。
パパは、チャーハンを食べることが大好きです。
ママのチャーハンは冷凍食品のチャーハンをフライパンで炒めたものです。
実は、ママは料理が昔から苦手です。ママのママとパパ、お姉ちゃん、妹、ママのお家はみんな料理が苦手です。
唯一、ママだけが、冷凍食品や缶詰め、ドライフルーツ、インスタントフード、お米たきがちゃんとできたので、
ママのお家では、ママがお料理担当でした。
たかゆきくん、ビックリしたでしょ?
でも、大丈夫だよ☆
たかゆきくんが生まれるころには、ちゃんと手料理もおいしくできるようになりました。
ちゃんと、お料理の先生から学んだんだよ☆
桜の季節が何度も訪れて、パパとママは高校を卒業して、
2人は大人になりました。
ママは大阪に残り、「はけん社員」として役所の受付のお姉さんになりました。
パパは東京に行って、日本一の美容師さんになるために、頑張っていました。
いつかまた、頑張ったら毎日会えるようになると信じて、パパとママは毎日のくらしを頑張っていました。
でも、本当は、ママはとてもさみしかったのです。
パパと年に2度しか会えなかったので、ママはとてもさみしかったのです。
昔、ママの作ったチャーハンをいつも美味しく食べてくれるパパに、とても会いたかったのです。
でも、ママがさみしくて泣く夜は、
「みかの作ったチャーハンをはやく食べたい。だから、オレもはやく会えるように、一人前になるように頑張るよ。」
という、パパの優しく愛のこもった電話の声を思い出しては、
明日また、チャーハンを作って、練習していくのです。
ねえ、聞いて、たかゆきくん。腹のたつことも、あったんだよ(笑)。
パパのいる美容室のオーナーの娘さん。その人の手作りチャーハンがとてもおいしい!とメールしてきたんだよ。
その人には別に好きな男の人がいたし、今では私のお料理の先生で仲良くなっているんだけど。
でも、その時は、ママはとてもショックだったんだよ。
でも、その時に、ママはちゃんと料理を勉強しなきゃ!と心に決めたんだよ。
パパの鈍感さはあの時にすこし治ったけど、
たかゆきくんは、パパの鈍感さを継いでいないかな?
でも、継いでいてもいなくても、変わらず大好きだよ☆
でも、仕事もお料理の勉強も、お家のことも他のことも、
全然上手くいかなかった時があったの。
とても、辛くて、さびしくて、でも、甘えられなくて、それに逃げられるところもなかった。
そういう時は、ただ今できることをして、できることからしていって、
一つずつ、乗り越えていったわ。
そうしたら、ふとある時、
その努力が急に大きく実る時があるの。
だから、たかゆきくんも、
そんな時は、こういう乗り越えかたもあるんだと、
いつでも相談してね。お話してね。
そうしたらね、
ある日サプライズで、
急にパパが大阪に帰ってきたの。
「みか、やっと試験に合格して、スタイリストになったよ!
ねえ、みか、結婚しよう。
そして、毎日、毎日、美味しいチャーハンを作ってほしい。
オレは、毎日、毎日、みかのチャーハンを食べたいんだ。
みかは怒るかもしれないけど、
みかの作る冷凍チャーハンが本当は1番好きなんだ。
火加減やお皿の盛り付け、味も、1番好きなんだ。
もちろん、みかの手料理チャーハンも食べるよ。
でも、時々はみかの冷凍チャーハンも食べたいんだ。
お願い、お願いします。オレの世界一愛しているみか。」
すっごいプロポーズでしょ。
ママもすっごいビックリしたわ。
でも、すっごい嬉しかった。
ボロボロ、ボロボロ泣いたのよ。
でも、2人の今までの大変な努力が全部報われたのよ。
そうして、結婚して、
私たちは、たかゆきくんを私たちのお家へ迎えたのよ。
パパとママはね、ずっとずっとずーっと、
たかゆきくんに会いたかったんだ。
だから、私たちのもとに生まれてきてくれて本当にありがとう!
これからも、
楽しいことも、腹のたつことも、泣いちゃうことも、嬉しいことも、
たくさん、たくさん、
一緒に経験して、歩んで、
「しあわせ」へ進んでいこうね。
そこに、
愛のもとである、☆ チャーハン ☆ も足して。
しあわせになろうね ☆ ☆ ☆
おわり
赤城 春輔