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備蓄に「栄養学」という視点を入れる
備蓄をコツコツと続けて約1年半が経ちます。
しかし、なんでもかんでも余計に買っているわけではなく(^-^;)、
密かながらも、必ずひとつの「ものさし」をもって食品を選んでいます。
それは、「栄養学」という観点です。
自分では「栄養備蓄」と呼んでいます(笑)。
その原点は、私が22歳の時まで遡ります。
父は私が9歳の時、すい臓がんで49歳の若さで他界しました。
母は女手ひとつで苦労に苦労を重ねて私と姉を育ててくれましたが、
私が22歳の時、大腸がん手術の後の医療事故による心筋梗塞であっけなく他界しました。
53歳でした。
両親が病に倒れ、無念の思い、壮絶な最期を見てきた私は
この世で何より大事なのは「健康」だと痛いほど思い知ったのです。
この気づきは、両親が身を以て娘の私に遺していってくれた大事な宝だと
今でも心から感謝しています。
以来、私の愛読書は栄養学やら健康の本ばかりになりました(笑)。
特に影響を受けたのは、
今は亡き丸元淑生(まるもとよしお)さんです。
直木賞や芥川賞の候補に何度もなるほどの文学者である一方、
人生における食事の大切さを思うあまりに栄養学に傾倒し、
世界最先端の栄養学を翻訳し、広め、
当時我が国にはなかった視点「栄養学からのダイエット」にも言及した方です。
現在では「DHA/EPA」「中連鎖脂肪酸(MCTオイル)」などの言葉は一般的になってきましたが
丸元さんはすでに30年以上前から「アブラ」の種類と質が健康を左右することを説き、
オメガ3、6,9について言及・紹介されていて
私も影響を受けて、アメリカからオメガ3のサプリを個人輸入していました。
また、画期的だったのが、
本当に栄養のある料理を作るなら「鍋」が重要であると
教えてもらったことでしょうか。
5層以上のステンレス鍋による効率のよい加熱と密閉が、
調理によって失われる栄養素を最小限に留めるのです。
若い頃はお小遣いも少なかったのですが、
立派なお鍋をひとつ買いました(笑)。
それが、今も使っている「ビタクラフト」という鍋です。
今は廉価版があってバラエティ豊かな種類がありますが、
本当によい食事を作るなら、5層以上、できれば7層が理想的。
![](https://assets.st-note.com/img/1684584765321-aasJ8Nfxpe.jpg)
これは私の若い頃からのバイブル。
5層鍋でレシピ通りに作ると、料理下手なワタシでも実に充実した美味しさの料理ができるのです。
五層鍋以外でも、バーミキュラやストウブ、ル・クルーゼなどの分厚い鍋でも同じように作れました。
特に、さまざまな野菜を煮込んだだけのスープ、
夏野菜を炒め煮にしたイタリア料理「カポナータ」など、
シンプルな野菜料理は絶品。
姪たちに作ると、すべて平らげてしまうほどで、
いまでも「カポナータ作って」とせがまれるほどです。
私のブログで優秀な備蓄食品としてよく挙げている
「レンズ豆」や「ムングダール」「イエロースプリットピー」などは
丸元さんから教わった食材で、栄養価が高く、滋味深いものばかりです。
今後、深刻な食料不足の時代がやってこようとしています。
「自由経済」「消費者のニーズ」などという
見栄えのいい言葉に飾られて、海外の食料に頼り切りの現状を振り返ることなく
食料自給率は一桁のまま。
その頼るべき海外ではいま、あらゆる環境が悪化し、
輸出どころではなくなっているという事実から言っても
遅かれ早かれ、店の棚は欠品の穴だらけになることでしょう。
そうならないように願うばかりですが
もしなった時、限られた量の備蓄から最大限の栄養が取れるよう
栄養価という観点から備蓄品を選び取ることはとても重要だと私は思っています。
ただ、栄養を数字だけで追ってしまうのも危険です。
分かりやすいのが、
「これ1本で一食分の栄養が取れる」とうたった栄養補助食品など。
たくさんありますよね。
でも、それらを毎日食べたら本当に健康が維持できるのか?
机上の計算で数字が足りていても、自分の脳と身体は満ち足りているのか?
疑問が残ります。
ここでは、
そういった疑問も常に抱えつつも
全てを排除することなく、時には合わせ持って賢く取り入れつつ、
現代の「食」の清濁を合わせ呑みながら、
バランスを取って、
自分なりに「これはほかの人にも太鼓判を押せる」と思うものを
これからも取り上げていこうと思っています。