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【29歳無職日記】私がタイに行く理由

2024年9月3日


人生初、自分がしばらく無職になろうという選択をしたきっかけの大部分を、明後日からはじまる、タイへの旅が占めている。

むしろ、タイに行くために無職を選んだといっても過言ではない。
そして、気づけばいつの間にかその日が明後日に迫っていた。

YOUは何しにタイへ?

私は明後日から約3週間、タイのチェンマイという地を訪れる予定だ。
首都バンコクで一度飛行機を乗り継ぎ、日本でいう京都的な、古都として知られているタイ北部にあるその地で、タイ古式マッサージのスクールに2週間みっちり通うことになっている。おまけで、実際の本場のタイ古式マッサージを受ける時間や、ショッピングや観光の時間を追加して、全部併せて贅沢に約3週間という期間を設けた。

うれしいことに
「一緒にタイの旅に出ませんか?」
という唐突な誘いにも関わらず、乗ってくれた前職を通じて出会った友人と行けることになったのでこの上なくハッピーだ。

切れたパスポートの更新、失業保険認定日との兼ね合い、航空券・スクール・ゲストハウスの予約、eSIMの申し込み、海外旅行保険の加入、、、etc。海外に全く行ったことがないわけではないものの、そういった込み入った部分は今まですべて一緒に行った友人たちに丸投げしていたことを深く恥じ、勝手に一人で深々と頭を下げてその友人たちに謝罪してしまうほどに、準備は困難極まりなかったけれど、とりあえず、出発までこぎつけた自分に拍手を送りたい。

YOUはなぜタイに行く?

今日はここに、自分がタイに行く理由を綴っておこうと思っている。

人は何か行動をするとき、その行動の目的や理由、方向性をしっかりと定義し、前提とした上で行動をした方が、生産性が爆上がりするみたいなことをよく新卒時代の上司が言っていた。

たしかに、何のためにしているかよくわからない仕事の目的や背景を知ることで、仕事のイメージが鮮明になり、実際にモチベーションが上がったみたいなことが何度もあって、それ以来、身に染みて習慣づいている。

のちに、仕事において実は、何のためにしているのかよくわからないままにしていた方がよいことがたくさんあることに気づいて、その事実に愕然としたことも何度もあったけれど、やはり、大抵の場合は、何かしらの理由付けをしておいたほうがよいという結論にとりあえずは至っている。


話を戻そう。


特に今回の旅に関しては、なんというか、旅自体がふわふわしていて、浮遊したままでどこかに飛んで行っちゃいそうな雰囲気が私の頭の中で漂っている。
別にマッサージを勉強したとしてそれを仕事にするかどうかも決めていないので、それはつまり、仕事のためでもないし、かといって、完全なる余暇目的の旅行というわけでもない。マッサージ留学という表現が一番近いだろうが、いわゆる学業に専念するみたいな感じともまた違う。

だからこそ、ここにはっきりと文字化しておくことにする。

①タイ古式マッサージを本場で学びたいから

私は、会社都合で解雇されるまでの約1年間、セラピストの仕事に就き、実際にタイ古式マッサージをお客様に提供してきた。

そもそもこのタイ古式マッサージとは、タイ古来から伝わる伝統的な施術スタイルで、タイでは医療として認知されている。2019年にユネスコの無形文化遺産にも登録されて以降、世界各国でも人気が高まっているマッサージだ。

私自身、前職で研修をし、実際に施術をしてみて、これは個人差があるかもしれないが、ただ単に指圧をかけるもみほぐし的なマッサージよりも、お客様のほぐれた感、満足度が高く、特に辛い凝りに悩んでいる方に満足していただけるケースが多かった。


それに何より、施術している側も局所的な負担が少ないのだ。タイ古式マッサージは、別名、「2人ヨガ」とも呼ばれ、身体全体を使ってストレッチを交えながら筋肉をほぐしていく。
施術する側も身体全体を使うため、もみほぐしで指だけ使いすぎて痛くなったり、オイルマッサージで長時間同じ体勢で腰に負荷がかかったり、みたいなことがないので、本当に感動した。

そんな素敵な施術を、発祥の地で、さらに深く学んでみたい。そして、本場で実際に施術を受けてみたい。

これが私がタイに行く1番大きな理由である。

②自分と海外の距離感を掴んでおきたいから

私が日本を出て初めて海外の地を訪れたのは、ちょうど11年前。
インドの南に浮かぶ小さな島、スリランカ。
空港に降り立ってエントランスを出ると、日本とは全然違う匂いがして、空気がいい意味でおいしくなくて、けれど「これが異国か!」となぜかとても感動してしまったことをよく覚えている。

空気も街も言語も人も、そして何より価値観、日本とは全く異なる世界にハマって、学生時代はずっとアジアを中心に社畜のようにアルバイトをしては、せっせと足を運んでいた。
いつかは海外で暮らしてみたい、ワーホリとか行きたい。
異国のパワーに自分の人生を180度変えられてしまうほどに影響を受けた私は、そんなことを本気で夢見ていた。

そして早8年が経った。
社会人になってからというもの、海外に行きたくても仕事が邪魔して言うことを聞いてくれなくて、気づいたら海外は愚か日本で生きることさえもしんどい毎日が続いていて、それに追い打ちをかけるようにコロナウイルスが蔓延し、私のパスポートの有効期限は当の昔に切れたまま、まったくと言っていいほど海外との接点がなくなった。もはや行きたいとも思わなくなっていた。

そんなときに出会ったのが、先に書いたタイ古式マッサージ。
結局、心のどこかでは憧れがあったのだと思う。
施術を日本で学ぶ中で、いつのまにか、本場に行ってみたいという気持ちが強くなっていた。
それに周りには、コロナ明け、海外暮らしをしている友人たちも多く、いつか海外に暮らしてみたいと思う気持ちがまた、強くなっている自分がいた。

今回のタイの旅は久しぶりの海外だ。
自分の人生に色濃く味を残しながらも、離れてしまっていた異国の地。
そこを私が訪れたときに、自分は何を考え、感じるのか。
別に何かが変わるわけでもないかもしれないけれど、それでも、自分の心に耳を澄ましてみようと思っている。


そこでもし、もし、やはり海外との接点を今後も持っておきたい的なことを思うのであれば、どうやら31歳の誕生日前日までにビザを申請すればギリギリ行けると聞いたワーホリの選択肢を本気で考えてみてもいいかなとも勝手に野望を抱いている。


③できる限り「無」の状態に近づいてみたいから

私がここでいう「無」の状態とは、できる限りいつのまにか自分の周りを囲い込んでしまっているノイズ的なものをできる限り排除した状態のことを指している。

私の気のせいかもしれないが、人は年を取るごとに、このノイズがものすごい勢いでおびただしい数周りに増えて言っている気がしている。

仕事、仕事、仕事、キャリア、お金、お金、投資、老後資金、家族、結婚、出産、、etc。

考え始めると枚挙にいとまがない。
もちろん、ノイズ(雑音)と呼ぶにふさわしくないみたいな考え方もあるだろうけれど、私にとっては結構全てがノイズで、それらによって、自分でも驚くほどにフットワークが重くなり、足かせがキツすぎて身動きがとれなくなってしまっていた。

怖いのは、これらノイズたちは、無意識のうちに、もはや自分自身の思考回路までをも侵食してしまっているということ。

どんなに純粋にポジティブに自分自身の人生とかやりたいこと的なことについて考えているつもりでも

気づいたら仕事を言い訳に
気づいたらキャリアを言い訳に
気づいたら家族を言い訳に
気づいたら結婚を言い訳に

言い訳まみれで、自分の意思が消えてしまって
何もできない、何もやりたくないみたいな結末に最終的に辿り着きがちだ。

だからこそ

一度「無」になってみたい。
そう思っている。

準備はそれなりにいい感じだ。
まず今回、日本というノイズにまみれた現実の地を離れるということは、ものすごく大きい。


そして、タイに行くにあたって、私はできる限りあとの予定を入れないことに専念した。

私に関して言えば、こと仕事というものが、耳をつんざくようなとてつもなく強いノイズになり得る。今まで何度もその強烈なノイズに悩まされてきた。


だからこそ、いい意味で帰ってきても無職のままにした。次の仕事が決まっていない無職。そうすれば、そのノイズから限りなく遠ざかることができる。強いて言えば、タイから帰ってきて数日後に2回目の失業認定日の予定が入っていることくらいだろうか。あとは何の予定もない。

そのくらい徹底して私は自分にとって現時点でのベストの「無」の状態を準備をした。

こんなにあれこれ自分の周りを取り巻くノイズについて考えない機会って本当にいつぶりなのだろう。
少なくとも、大学を卒業して社会人になってから、いや大学3年生で就活をはじめた頃くらいからずっと、ノイズまみれで生きてきた。

「無」の状態で、自分の本当の心の声みたいなものをぜひとも聞いてみたい。そう思っている。


④タイパンツ買いたいから

①〜③の理由と比べたらいささか温度が異なるが、これも今回の旅の重要な目的だ。

私は学生の頃からタイパンツを愛用している。
なぜこんなにも可愛らしくて、なおかつ着心地もよくて、速乾性に優れているのだろうか。

近年ネットでもよく買えるように便利になったものの、できることなら、これは果たして売り物なのかと言わんばかりに無造作に積み上げられた無限の選択肢の中から、1つ1つ手に取って、パッと目を引く運命の1枚的な出会いをしてみたい。


そんなこんなで、これらが私がタイに行く理由だ。

さぁ、あともう少し。初めて海外に行ったときから愛用しているスーツケースの上に乗った大量の荷物ともう少し格闘して、まずは久しぶりの飛行機に乗ることを目標に頑張ろうと思う。

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