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10月の読書記録

10月も、すきま時間を使って読書を楽しめました。

ひとはこ本棚のオーナーを始めてから、自分では手に取らないタイプの作品とも出会えて、世界が広がっています。

今回は8冊の本を紹介!気になるものがあれば嬉しいです。


短編集 マドモアゼル・レイニー(勝間田まい)

ライター仲間である糸崎舞さんの短編集。

どの話も好きすぎます…!

なかでも、最後の「或るモノロオグ」が強烈に印象に残っていて。大袈裟ではなく、魂が震えました。

どこまでフィクションなのかは分からないけれど、舞さんの人生そのものを見た気がします。

この青い空できみをつつもう(瀬名秀明)

きれいなブルーの表紙に惹かれて手に取りました。高校2年生の早季子と、同級生の和志の青春物語です。

この作品では、折り紙が重要な鍵を握っています。私にとって、子どもの遊びのひとつだった折り紙。けれども、本を読んでみて、その奥の深さに驚かされました。

過去と現在、未来は、それぞれ別のようで、本当はすべてつながっている。大切なことに気付かされた作品です。

兎の目(灰谷健次郎)

物語の舞台は小学校。新卒の小谷先生が、クラスの子どもたちと向き合うなかで、教師として、人として、少しずつ成長していきます。

時代は違えど、大切なことの本質は、いつだって変わらない。

私も自分の娘に対して、できないことではなく、できることを探して育てていきたいと、改めて思いました。

きっと君は泣く(山本文緒)

自分の美貌に自信があり、何でも思い通りにいくと考えている椿。しかし、うまくはいかず……。

山本さんの小説に登場する女性たちは、危うさがあって、ときに恐怖さえ覚える。だけど、憎めない。

それは、何かに依存しながらも、どうにかして生きようとしていた過去の私と共通する部分があるからなのかもしれません。

ナベちゃんのヨメ(辻村深月)

学生時代に仲が良かった男友達の婚約相手が、いろいろヤバい、というストーリー。ページをめくる手が止まらず、30分程度で完読しました。

先月読んだ、「パッとしない子」と同じく、日常にある怖さみたいなものが印象に残る。「辻村 深月」という本のジャンルがあるのではないかとさえ思えてきます。

最後、もやっとするのだけれど、決して嫌な感じではない。余韻の中に、ぴりっとスパイスが効いているような感覚です。

群青の夜の羽毛布(山本文緒)

山本さんの作品は、親から支配される娘を描いた内容が多い気がする。

この物語の中心人物である女性「さとる」も、おそらくアダルトチルドレンだろう。

毒親のレベルはいろいろあるけれど、根っこにあるものは共通している。以前の自分の不安定な心と重なる部分があり、苦しさもあったのだけれど、最後までさとるを見守りたくなりました。

じゃあ、あんたが作ってみろよ(2)(
谷口菜津子)

以前、「じゃあ、あんたが作ってみろよ(1)」を読んで、THE・昭和男である勝男にイライラしまくった。

でも、勝男ほどではなくても、「~はこうあるべき」みたいな価値観は、誰でも持っているんじゃないかな。自分の当たり前を見直すきっかけにつながる作品だと思う。

自分が元パートナーにしてきたことを反省した勝男。2巻では、周りの人の意見も受け入れながら、どんどん変わっていく。

相手のことを思いやれるようになっていく彼の姿を見ていると、元気が出ます。

いつもの木曜日(青山美智子)

大好きな小説「木曜日にはココアを」に登場する人たちが、あの日に出会う前の物語です。

印象に残っているのはメアリーのお話。

つらかったけれど、そのおかげで幸せな今がある。だから、忘れたくない。ものすごく共感した。

私の場合は、うつ病や離婚により、先が見えなくて苦しかった過去によって、生かされていること。いつか幸せに慣れて、思い出さなくなる日が来るかもしれない。

そうなるのは寂しいから、たまにメアリーの物語を読み返して、振り返りたいと思いました。


10月の読書記録はここまで。

何の本読もうかなあと悩んだとき、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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春野なほ|エッセイスト・ライター
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