#マンガ感想文 参加します。
作者HEROさんのサイト「読解アヘン」やpixivで連載時、一気読みした作品がついに単行本にて完結しました。全八巻。
ファンタジーに分類できるのでしょうか、強いてあげるならば。ですが、この世界観をそうした既成概念に当てはまるのは余りに狭量だと思うのです。主人公のバンビが若きミステリー作家であることを除けば、どこにでもある風景、どこにでもいそうな若者たちが登場します。ただひとつだけ普通ではない存在がアコなのです。
ネタバレをしたくないので概略のみを綴りますが。アコとは何なのだろう。拝読しつつ、そう思っていました。夢なのか現実逃避なのか、それとも究極の願望なのだろうか、と。
1箇所のみ、台詞の引用をいたします。
一見すると現実逃避にも時間の停滞にも思える心の声。しかし、バンビが思うこの本音が、私は少しだけ解る気がするのです。
生活の事情、時間の経過、その他避けきれぬ状況によって失っていく、手放さなければならないこと、人。その寂寥と喪失の痛み。誰もが一度は感じることでしょう。アコを失いたくない、と本音で思ったとき、ポツリとこの本音が心の中に浮かび上がったのではないだろうか。そう思うのです。静かに見えるバンビの心、その中で起きたさざ波のように。静かな水面に落ちる雫、それが創り出す波紋のごとく。
物語は、柔らかな空気をまとい、時に読者の私たちをクスリと笑わせてくれながら、どこかに切なさをまとって、状況と時間が過ぎていきます。そして、アコとバンビは?題名はなぜ「アコ」ではなくて「あこ」なのか。それはご自身の目で確かめていただきたいと、この作品とHEROさんの一ファンとして思うのです。
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