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「朧月夜」と言えば【#シロクマ文芸部 お題『朧月』|参加記事】
#シロクマ文芸部 お題「朧月」Vol.2です。
朧月 と言えば思い出すひとつの和歌があります。
照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の 朧月夜にしくものぞなき / 大江千里
この和歌になぞらえて、のちに「朧月夜」と呼ばれることになる女性が、ひとつの和歌を口ずさみます。
照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の朧月夜に似るものぞなき
ミステリアスな女性に心引かれた源氏は、彼女の腕を引き強引に引き寄せると、次の歌を詠います(返歌ですね)。
深き夜のあはれを知るも 入る月のおぼろけならぬちぎりとぞ思ふ
ここで新たな恋と逢瀬がはじまるのですが、このことは源氏の宮中追放=須磨行き へとつながっていきます。朧月夜は政敵の娘だったのです。
紫式部が『源氏物語』作中で引いた「照りもせず」。
これは、大江千里集こと『句題和歌』と呼ばれる和歌集に収録されています。
当時の都人は、こうしたことを諳んじていたのでしょう。ゆえに、その巧みな引用が読者の心を捉え、源氏物語を一大ベストセラーへと駆け上らせたのではないか。そう考えています。勿論、藤原道長というバックボーン、支援者が居てこそ、だったでしょう。その辺りについては、NHK出版で面白い本が出版されています。
今、大河で『光る君へ』が放映中ですが、源氏物語がドラマ内でどのように扱われるのか、無名の歌詠みとしては気になるところです。
等々、蘊蓄まじり💦な今回、お目汚しをいたしました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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