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Something related to triangle 1
2007年前後、私が二次創作小説を書いていた頃、試みたショートストーリーをnoteにあげてみようと思います。各章は1000前後で、全四章で完結します。お話の色彩はライトノベル風味。地味で盛り上がりに欠けますが(苦笑)。内容は題名の英文でお察しいただければ。区切り線より下、本文です。
「……ったく。結局、下戸の私が付き合う羽目になるんだよね、最後は」
「んな事言って、まだ帰りたくなかった癖にぃ~。照れなくてもいいって」
「アホらし。何が悲しくって、女同士で午前様な訳。憂いある男性とのツーショットっていうんなら絵にもなるけど。大体ねぇ、あんた飲みすぎ!他のみんなはとっくに撃沈してるってのに“夜はこれから~”ってのも」
「「いい加減にしときなさいよ」」。
「……」
「って言いたいのは分かってるから。それと、酔っ払いをほっとけなかった亜里沙の友情も♪」
「……後片付け役は一番の適任者がやればいい事だからね、それだけ。
あんまり調子乗ってんじゃないの」
「うん♪」
毎度の事で聞き慣れてはいるのだけれど、やはり溜息が出てしまう。
語尾に「♪」が見えてくる様な返事ばかり返してきて……
天然なのか、確信犯か。直海との悪友歴が二桁に乗っても、そこの処は未だに量りかねる。それに。今日はその天然に少しばかりの無理があるのが分かるから。
「もう飲まないからね。それでよかったら話、聞くけど?」
「うん」
「……で、どうしたい訳?」
「……うん」
「それしか言わないんだったら、帰るわよ」
「……うん」
「直海。きちんとまとめて話そうって、考えなくていいんじゃないの?思いついた事から言えばいいじゃない。そんな作り笑顔じゃ、言葉も出できやしないって」
「……そう見える?」
「見え見え。少なくとも私は誤魔化せないわよ」
いつもの仲間同士で集まった席で、何か言いたそうに、私の方を何度も見ていたのには気付いていた。その理由がその場にはいない人にある事も。それが、皆の前では切り出せない内容である事にも。
こうして言い出しやすい雰囲気を作ることが本当にいいのかは分からないけれど、このまま流してしまう事をお互いが望んでいない事は確かだった。
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2023/07/22追記:続きをUPしました。下記から飛べます。
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