#15 風景をつくるごはん【糸島】
糸島市
糸島市は玄界灘に面する福岡県最西部のまち。人口は10万人ほど。姪浜で福岡市営地下鉄から筑肥線に乗り換えてちょっと行くと海が見えてきて、九大学研都市、周船寺を通り過ぎて、波多江駅から糸島市に入ります。
伊都菜彩
伊都菜彩はJA糸島が運営する直売所で、波多江駅そばにあります。
2016年度の「日本農業新聞のJA直売所アンケート」で売上高日本一だったそうで、第二位の和歌山県の直売所の売り上げ高約27億円に対し、伊都菜彩はなんと40億円! その規模の大きさといい、混雑具合といい、驚くばかりでした。(こんなところ中々ないからめちゃくちゃテンション上がってしまった…)
【記事はこちら→】JA直売所売上高10億超39店 所得向上に寄与9割
【写真1:日曜のお昼過ぎで大混雑】
【写真2:海浜に自生するハマボウフウ】
【写真3:糸島は天然真鯛漁獲量日本一】
生鮮食材から加工品や花までとにかくたくさんあって目移りするばかりでしたが、持ち帰れる程度に野菜・果物を買いました。
ふくおかエコ農産物認証制度
【写真4】の甘夏は、無農薬・有機肥料で育っていて、皮もマーマレードで食べれるというPOPに目を引かれて購入。よく見ると「ふくおかエコ農産物」のシールもあります。
ふくおかエコ農産物とは、環境と調和した農業を推進する取組みであるふくおかエコ農産物認証制度で認証された栽培方法で栽培された農産物です。
ふくおかエコ農産物認証制度とは、化学合成農薬の散布回数(成分回数)と化学肥料(窒素成分)の使用量をともに県基準の半分以下で生産する栽培計画を認証する制度です。この制度に基づき生産された農産物(認証農産物)には、認証マークを表示することができ、消費者は農産物の情報を知ることで、安全・安心で環境にやさしい農産物を購入することができます。(ふくおかエコ農産物HPより)
HPでこの甘夏生産者の情報を見てみたら、ちゃんと化学肥料・農薬使用回数は0回になっていました。ちなみに化学肥料の福岡県基準は36回、エコ農産物の認証基準では18回です。それと比べると0回はすごいですよね。
有機肥料と書いてありましたが、「豚糞堆肥」、「ミネチット2000」、「有機石灰シーライム」を使っているみたいです。ここまで公開してるなんて!
こういう工夫をしている生産者と、それを消費者に見えるようにする取り組みがさらに充実すれば、消費者の選択肢も広がりそうですよね。
【写真4:糸島の甘夏】
『糸島の甘夏マーマレード』レシピ
★材料
甘夏4つ(皮350g、実と果汁700g、種)
砂糖350g(上白糖:こってりした甘さ、グラニュー糖:すっきりした甘さ)
ホーローまたは銅鍋(アルミなどは甘夏の酸に弱く、ジャムの色が悪くなる。)
★行程
①ヘタの部分を取って、十文字に皮に切り込みを入れ、皮と実を分ける。
②皮の内側の白い部分をスプーンで取り除く。(苦い部分)
③皮をスライサーか包丁で2㎜くらいに刻んで、水を張ったボウルにつける。
油が浮いてくるので、時間をおいて3.4回水を替える。
【写真5:③と④の間】
④皮を水につけている間に実の薄皮を取って、種と果実に分ける。
種は茶こし用の袋に入れておく(種にはジャムを固めるのに必要なペクチンが含まれているので後で煮詰めるときに使う。)
⑤茹でこぼし
水にさらしていた皮をひたひたになるくらいの水でゆっくり煮る。あまりグツグツに過ぎない。
沸騰して2,3分経ったらざるにあげて軽く水洗いする。
※この手間を怠ると苦くなるそうです。苦みをなくしたかったら2回茹でこぼすのもありかも?
【写真6:⑥の1時間経過後】
⑥水を切った皮、果実と果汁を鍋に入れて、皮と同量の砂糖を入れて、30分~1時間くらい置く。
⑦水分が上がってきたら、茶こしに入れた種と共に中火にかける。
水分が少なくなるまで、時々木べらなどで混ぜながら煮詰める。
※混ぜすぎると皮が煮崩れるらしいです。
※果実をたくさん入れて水分が多かったので1時間くらいかかりました。
冷えると予想以上に固まります。もっと水分残しておいてもよかったかもしれません。
【写真7:おいしくいただきました】
ちょうどよいほろ苦さと口いっぱいに広がる甘夏の香りを楽しみました。
ひとり暮らしから実家暮らしに戻ってから、「食材を買って、料理して、食べる」という一連の工程を日常的にやらなくなってしまっていましたが、これからもゆるっと継続していきたいなぁ。さて、次はどこに行こうか、何をつくろうか。