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中学の職場体験で、支援級の中度知的障害の子と行った話。


中学の職場体験のことをよく覚えています。なぜなら、僕の同行生徒は、支援級の中度知的障害の子だったからです。

確かたまたま高校の時に再会した時に、療育手帳のランクが一個下がったんだよねと教えてもらって、多分中学の時は軽度と中度の間だったのかな?と思います。

僕は精神障害者手帳持ってるよ!と教えてあげるとなぜか嬉しそうでした。君ももってるの!?と。

嬉しかったんだろうね

その時、そう言えば一緒に職場体験行ったよね?と言う話になり、そのことを邂逅します。

(今思えば、高機能自閉症の僕と、知的障害の子を同時に連れてくのは面白い)

通常級の自閉症の僕と、支援級の知的障害の彼の対比をお楽しみください。



職場体験の場所は本屋


学校から勤務先の本屋まで一緒に向かいます。僕はありえないくらいの方向音痴ですが、彼は道順をしっかり分かっているようでした。歩いていると、坂道に差し掛かります。

僕「楽ちんだよ、ありがとう」
彼「ちょっと走ろう」急に走る彼。
僕「え!?ちょっ、なんで!?」

坂を登り終えて、すごい疲れました。彼はニコニコしていました。なぜ急に走ったのか真意は不明。あの道の最中、何を話したのか覚えていませんが、休日何してるの?と聞くと、団地の敷地内で遊んでる!と教えてくれました。

そんなこんなで本屋に到着します。


僕「あ!あれかな?」
彼「そう!俺ドラえもんとかよく借りるんだ」
僕「DVDもあるのか」

職員用通路を探し出し、ドキドキしながら2人で入りました。社員の人が出てきて、にこやかに挨拶してくれました。


彼「〇〇中学校の春野とAです!今日はよろしくお願いします!」
僕(一緒に言う流れだったのに言ってくれたwwwお辞儀だけしとこ!)

支援級で習っているのか、礼儀作法は僕よりしっかりしている彼。多分偏りがなさそうだから、知的障害だけなのかなぁ?今思うと。

僕は色々な記事で書いていますが、礼儀作法をしなきゃ!と言うのは分かるんですが、タイミングなどを掴むのが苦手で、これが本当に正しいものか疑ってしまう為、結局曖昧な対応しか出来ないことがあり、凄いなーと思っていました。


僕らがまずやるのは、品出し


本屋によくあるカラフルなペンを生花のように収納していく作業。これは2人とも見通しがある、キッチリとしたい特性が同じだったのか、完全にハマります。

たまに「これどこだろ?」「ここかな?」と2人で協力してポールペンを品出ししていきます。見つけるのが苦労するので、少し頭がポカポカしてきます。

わかんなかったらそのまま持ち帰ってきていいよ!と言われていたので、互いに数本残して、ボールペン品出しは終えました。

次は本運び

重い。死ぬ。以上。彼は巨体なので軽々持ち上げていきます。僕は空間認識能力がバカなのに、本を品出しする場所が見つけられず、慌てるという華麗な流れ。重作業はもう嫌だ。

彼「いやースッキリスッキリ」
僕「どこがスッキリするのさ」

ニヤニヤの彼と、へとへとの僕。


次は返却されたDVDを元の位置に戻す作業。


これが本当に汗が出るくらい難しかったし、頭を使いました。DVDケースの面ではなく、あの細いタイトル部分しか見えない部分を頼りに探す訳ですから、僕も彼も苦手分野でした。

僕「これ分かる?」
彼は首を横に振ります。流石に辛いようです。

僕も見つからずイライラするくらいですから、彼も同じだったんだと思います。結局半分くらいしか分からず、半分は社員の人に聞くことに。

でも僕らからしたら、他人を頼るという行為にも意味があるのだろうなと今はおもっています。僕らはどんどんそういう経験を積み重ねていかないと、生きていくのが難しい。

(当然だけど、R18作品は渡されなかった)

レジの記憶が全く無い

レジやった記憶ないんだけど、やったかなぁ。。。流石に中学生には任せないよなぁとか思いながら。これを読んだ人で、お子さんがやった!という人がいたら教えて欲しいです。


後の記憶はないけど、ありがとうございました!と今度は2人で一緒に言って、3時には学校に帰ったと思います。五時間くらいだったかなー。楽しかったと、働きたくないという両方の感情がありました。

彼「楽しかった!」
僕「僕は疲れた」

彼「春野と一緒で楽しかった!」
僕「あ、そう?////」

まさかの言葉にドゥフドゥフしてしまう僕。帰り道、少しだけ涼しくなった風が心地よかった。



まとめ


今思うと、やはり、得意なことをそれぞれやらせれば、最大限効率的な社会が実現できるのではないかと思います。

彼のパワー、見通しがあるものに対してキッチリと遂行する力。

知的障害だからと全てを決めつけてしまうのは勿体無いなと、今は思います。

ちょっと変わった2人の職業体験でした。

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ASDの大学生 春野モカ 
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