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造園・剪定の専門用語~切るとは言わない!?~

色々な職業において、専門用語や特殊な言葉があるかと思います。
もちろん、造園業界でも、そんな用語があります。

今回は、『枝を切る』時に使う言い換えや使い方、意味などを紹介したいと思います。

地域差や業者によっては、若干、表現が異なったり、他の言い回しがあるかもしれません。
参考程度に読んでいただけると幸いです。



枝を切るとは言わない?

庭師は、枝や葉を切ることを「切る」と言わない場面が多くあります。

昔から庭師の間では、「切る」という言葉は、忌み言葉として、避けられていたそうです。

その変わりに、「外す」「抜く」「おろす」「飛ばす」「落とす」「取る」「摘む」「透かす」「刈る」「揃える」「もらう」などと表現します。



「外す」「抜く」「おろす」

これらは、多くの場合、大きく樹形を変えるようなときに使っています。
太い枝や幹を外す・抜くことで、樹木全体がすっきりします。



「飛ばす」「落とす」

これらも大きく樹形を変えるようなときに使われますが、どちらかと言うと、マイナスな方向で樹形を変えるときに使われる気がします。

例えば、木が大きくなりすぎて、手間がかかるので、枝数を減らしたりするときに使われます。



「取る」

これは、比較的、どんな場面でも使われます。

中でも、わかりやすく目立った枝を取る時に使うように思います。
大きく枝を取る場合でも、飛び出た枝を取る場合でも、よく使われます。



「透かす」

字の通り、枝や葉が込み合って見える部分をすっきりさせる時に使います

葉が濃く見える部分を透かすような微調整から、枝張りをすっきりさせるような手間のかかる剪定まで、幅広く使います。

透かし剪定や小透かしといった剪定方法で呼ぶこともあります。



「刈る」「揃える」

これらは、細い枝や軽微な調整をするときに使われることが多いです。

「刈る」は、字の通り、刈り込みをする時、「揃える」は、樹木の先の方を整えて、全体のなりや高さを調整する時に、よく使われます。



「もらう」

これは、大きい樹木をお客さんのところに植えるために、運搬するときなどに使われます。

樹木を運搬する際に、基本的には生産者は、運搬するトラックに収まるサイズで仕立てます。
しかし、場合によっては、樹冠(幅)が広く、大きい樹木を使いたい場合があります。

そんな時、様々な技術でトラックに収まるように積みこみますが、どうしても収まらない枝ができることがあります
その時、どうしても収まらない枝(特に不要な枝)を切るときに、「もらう」という表現をします。

ほとんどの場合は、収まる(収める)ので、あまり使うことは少ないかなと思います。



まとめ

いかがでしょうか?
あまり知られていないですが、「切る」という言葉だけでも、これだけの言い方あります。

これらを知っていることで、庭師の言葉も理解できるかなと思います。

まだまだ、私自身が知らないだけで、他にも色々な言い回しがあると思います。
そんなお話をするのも面白いかと思います。



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