樹木管理における地域差とは??
私の記事で、『地域差』という言葉を度々使います。
一言で地域差と言っても、抽象的かと思ったので、今回は、浜松市を中心に静岡県西部で作業をした経験と、他の地域で見聞きした知識を比較しながら、具体的にどのような違いがあるのかをお伝えしたいと思います!
みなさんの地域に合った樹木への接し方を、少しでも正しく理解していただけたら、幸いです。
地域差とはどんな要因があるの?
私自身は、気候がメインで、風土や習慣など様々な要因があると思っています。
大きなくくりの地方や都道府県では、気温や降水量、日照時間、土壌など、そして、一軒単位だと、日照条件や土壌の他に、風当たりや風通し、水はけ、排気ガスなどなど、様々な要因があります。
この中で、風土や習慣と言った歴史的要因も含め、その土地に合った樹木への向き合い方があると思います。
地域差があるとどうなる??
それでは、地域差があると樹木にどのような影響があるのでしょうか?
①樹木の生育
単純に地域差によって、その地域、その土地に合う合わないがあります。
例えば、寒冷地で育つ樹木を暖かいところに植えると適応できずに枯れてしまうことが多いです。
②剪定時期
4月に30℃を超えるところと6月に30℃を超えるところとでは、新芽の出る時期や伸び方が異なるため、剪定時期も変わります。
③開花時期や紅葉の仕方
地域差によって、開花時期も異なります。
また、紅葉の仕方や美しさも異なります。
例えば…
Ex.1 桜前線
イメージしやすいところでは、桜の開花時期の桜前線ではないかと思います。
桜の開花条件は、一定期間の低温と気温の上昇などによって変わると言われています。
例年だと、南から徐々に開花していくため、開花時期は日本でも異なります。
開花時期が異なるということは、新芽の芽吹き時期や剪定時期も違います。
このように、沖縄や九州のような南の方で剪定をする時期と、北海道や東北のような北の方で剪定をする時期は同じではありません。
Ex.2 雪吊り
ニュースなどで、一度は見たことがあるかもしれませんが、素晴らしい技術のつまった美しい雪吊りもそうです。
雪吊りの主な目的は、降雪による樹木への損傷を軽減するためのものです。
浜松市のように、ほとんど雪が積もらない地域では、雪吊りをする必要がないため、無縁な話なのです。
Ex.3 松の剪定
前述した降雪に関係してきますが、雪があまり積もらない地域では、松の芽摘み(みどり摘み)を行い、年2回の手入れで、松の枝張りを細かく作ることができます。
しかし、降雪量が多い地域では、どんなに細かい枝張りの松を作りたくても、雪の重みに負けてしまうため、難しいそうです。
Ex. 紅葉
モミジは、紅葉も美しく、夏には柔らかい印象の葉が出て、おすすめですが、写真などでよく見るモミジも、地域によっては、イメージ通りの紅葉をしない場合もあります。
きれいな紅葉には、朝晩の気温差が重要です。朝晩の気温差が少ない地域では、本来の紅葉を楽しめる前に落葉してしまったり、葉が枯れてしまうこともあります。
浜松では、その年々で綺麗に紅葉する時もあれば、ほとんど紅葉せず、落葉してしまうことも多々あります。
いかがでしょうか??
今では簡単に検索できて、多くの情報が見られる時代になりました。
しかし、樹木の情報に関しては、『地域差』があります。
それらの情報も加味した上で、最高のお庭づくりに役立ててもらえると幸いです。
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