ピッチという名の戦場~最高の瞬間を味わうために必要なこと~
2021.10.3 Sun
最近、サッカーをしていてネガティブなマインドになることが減ってきた。
子供の頃から、コーチや仲間に怒られないようにプレーすることを意識してプレーしていた。怒られることが怖かったからだ。
今考えると、サッカー中であっても、怒られたり、指摘されることが自分を否定されているという風に捉え、ネガティブな気持ちになり、それに耐えるだけの心の器の広さや余裕がなかったのだと思う。
最近は怒られるとか、そんなことどうでもいいから目の前の一瞬一瞬を全力でやりきりたいという気持ちが強くなったことや、「ピッチ上=戦場」のようなかたちで、ピッチ外と切り分けて考えることが出来るようになったので、ピッチ内のことは内のこと、外は外としっかり分けることができていて、自分が否定されているという感覚や怖さが、知らないうちに無くなっていた。
感情を自由に表現できる場所こそサッカーのグラウンドであり、そこでは時に厳しい声かけも必要であるということが、今では納得出来る。
絶対に負けないため、感情がぶつかり合うピッチという戦場において、少しでも甘えや緩い気持ちがあると、互角の戦いや厳しい戦いから勝利をもぎ取ることは難しいのだと思う。
それは、今までの自分に足りなかったことでもあると思う。
今までの自分は、サッカーでぎりぎりの戦いを制した経験がほとんど無い。練習試合でも何でも、厳しい戦いや、ハードワークしてくる相手との戦いでは全く活躍出来ず、個人的に迫力や気持ちの部分で完全に負けていたのだ。
それは、「ピッチ上=戦場」という意識が無かったからだと思う。
ピッチの中と外で線引きが出来ておらず、ピッチ外の気持ちをピッチの中に持っていってしまっていた。
目の前で感情をむき出しにしてまで勝とうとしている相手をみて、少し引いて見てしまっていたのだと思う。
「感情をむき出しにしてまで勝利を勝ち取る意味はあるのか」
「そんな感情むき出しな状態かっこ悪い」
そんな冷めた気持ちでいた。
じゃあ最近はなぜ、考えやマインドが変わったのか。
それは、サッカーをする意義を見つけたからだと思う。
サッカーを通して、サッカーでしか味わえない非日常、永遠に心の中に残り続けるような奇跡的な時間、いわゆる最高の瞬間を味わいたいから今もサッカーをしている。
でも、その最高の瞬間を味わうためには、難しい試合や困難な場面に勝たなければならないということに気付いた。
そのために、今まで自分が引いて見ていたような、感情をむき出しにしてでも勝ちにいく姿勢が必要なのだと分かった。
最高の瞬間を味わうためには、能力を最大限発揮しないといけない。困難な時は、それだけでは足りない。それ以上の能力をピッチで発揮するため、勝利のためにもっているものを出し尽くす必要がある。
それが、相手よりも負けない気持ちをプレーや姿勢、立ち振る舞いで表すということに繋がるのだと思う。
勝つために戦うのではない。最高の瞬間を味わうためには、勝つことが必要なだけなのだ。
結局、目の前のピッチ上で自分をさらけ出して勝ちに向かう姿勢を発揮することが、結果的に楽しさに繋がったり、勝敗という結果に関係なく、自分が目指している最高の瞬間を味わえることに繋がるのだと思う。
そんなことに気付けたからかもしれない。
今が人生で一番、サッカーをしていて楽しい。