仕事とは、想像力から始まる
20230925 Mon
職場での昼休み、仕事のことについて後輩から以下のような質問を受けた。
「会議に参加していても議事録を書いているだけで、冒頭とラストに挨拶することしかできません。何もできない自分が悔しくて、でもどうすればいいのかわからないんです。」
彼は今年の四月に入社した新卒1年目の社員である。
一年前の自分の姿を振り返ってみる。
あの当時、たしかに自分も同じような感情があったのかもしれない。
でも、どうも彼のような感情とは異なっている。
悔しいという感情がなかったからだ。
それはなぜか。
当時の自分は、変な自信があったように思える。
今はたしかに仕事はできないけれど、絶対に時間が経って経験を積めば、必ずできるようになっているはず。
だから今は、とにかく辛抱強く耐えて日々をやり過ごそう。
落ち込みそうになるたびにそう言い聞かせては自分を鼓舞していたような記憶がある。
仕事のレベルがとてつもなく難しいとは思っていなかった。
ただ、自分が仕事というものに対して経験がなく、慣れていなかっただけ。
もっと言えば、コツを把握していなかっただけだと信じていた。
でも、だからといって何もしていなかったわけではない。
学んだことをメモにまとめて残したり、自分がその案件のメイン担当者だったらどんなことを行う必要があるのかをタスク分解し、洗い出しをしていた。
そうやって手を動かしながらアウトプットをしているうちに気がついたことがある。
「仕事とは、解像度の高いゴールのイメージを想像し、それを達成するためにやるべき必要な準備・タスクを洗い出し、期日までに実施したうえで、イメージを現実にすること。」
それが一人であろうとチームであろうとやるべきことは変わらない。
上記が仕事の本質であり、タスクを分解したり案件を管理することは仕事の本質ではない。
すべてはゴールの鮮明な映像を想像することから始まる。
ともすれば、そのゴールイメージがチームやクライアントと同じ画を見ることができているのかどうかに最も神経と時間を注ぎ込むべき事柄であるといえる。
ここがずれてしまっていれば、その後のタスク分解や案件管理は真価を発揮しなくなってしまう。
タスクの洗い出しや分解、クライアントとのやり取りをしていることに満足し、仕事をしていると勘違いしないようにしなければならない。
今任されているタスク、目の前のプロジェクトのゴールを鮮明に描けているか。また、それを言葉で周囲に説明できるかどうか。
それができたうえで、ゴールを達成するために必要なタスクの分解があり、案件管理がある。これが正しい順序であると思う。
冒頭の話に戻ろう。
何が言いたいかというと、
自分から主体的にゴールを解像度高くイメージし、そのために必要なことを洗い出し、計画を立てて期日までに現実にすること。
議事録しか取れないということは、厳しい言い方をすると、
その案件に対して受け身の姿勢であり、ゴールをイメージできていないということ。
つまり、責任感のない時間を過ごしてしまっているとも言えるかもしれない。
もちろんまだ入社して半年だから、みんなそう。
自分も一年前はそうだった。
そこからこの本質に気づき、自分なりにどうやって仕事に取り組んでいくのか。自分なりの仕事の定義をどんなふうにするのか。
そんな道のりを楽しみながら進んでほしい。