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ゴールは心の中にあるもの

2022.3.16 Wed

大学受験期によく聞いていた曲がある。

レミオロメンの「もっと遠くへ」という曲だ。

2008年の北京オリンピック(フジテレビ)主題歌で、自分がこの曲に出会ったのは確か高校3年生の夏の前の時期だったと思う。

この曲を知った理由は、自分の背中を押してくれる曲をネットで調べていた時に出てきたからだったと思う。

これから受験を控えていて、歌の力を借りて頑張りたかったんだと思う。そんな心の支えが欲しかったんだと思う。


今日、同期の友達と3人でドライブをしていた時に、みんなの思い出の曲を聴きながら語り合うことをしていた。

みんなそれぞれが順番に思い入れのある曲や、応援ソング、あの時に背中を押してくれた曲をセレクトし、その当時のエピソードを含めて話すというラジオみたいなことをしていた。

そんな中自分も何曲かセレクトしたけれど、その日はこの「もっと遠くへ」という曲がとても心に響いた。


この曲を聴くと、夏休みに毎日のように通っていた家の近くの図書館を思い出す。

高校三年生の夏休みはまだ部活もあって、部活と勉強だけに励んでいた。

塾に通っていなかったので、勉強場所は家か学校くらいしかなかった。

そこで、近所の図書館で勉強を始めるようにしたのだ。

図書館が開館する9時頃にはすでに入り口に多くの年配の方が待機していて、開館と同時に席の取り合いになる。

勉強できるような机は数が多くなかったから、すぐに埋まってしまうのだ。

そんな席争奪戦を制し、勉強を始める。

まだ国公立大学を目指して勉強していた時期だったので、午前中は数学をメインで行っていた。問題に行き詰まったり、頭を悩ませると、この曲を聴きながら図書館の外に出てリラックスをしていた。

その図書館の入口には時計台があって、小学生、中学生の時には毎日ここで友達と待ち合わせをして登校していた。時間があるときは鬼ごっこをしたり、帰り道には石けりをしたり。

そんな思い出の場所でもある。

あの頃と景色は変わらないけど、あの頃はこんなふうに勉強をたくさんし、苦しむだなんて考えてもなかった。

そんな無邪気で何も考えていなかった小中学生時代に思いを馳せながら、この曲を聴いていた。

どこまで行っても
ゴールはいつも心の中にあるものだから
どの十字路がつなぐ未来へも
目の前の一瞬にすべてを捧げて
駆け抜けるよまだ明日はどんな色にも染まってないさ

レミオロメン「もっと遠くへ」

受験勉強は見えないゴール地点に向かう孤独なマラソンのようなものだった。どこまで行ってもゴールが分からない。

そんな自分にとって、「ゴールは心の中にあるもの」という歌詞や、「まだ明日はどんな色にも染まっていない」という歌詞がすごく響いた。

何度だってやり直せるだけど今は二度と来ない
心の奥の手付かずの場所
踏み込めば痛くて涙も落ちるけど
進んでくのさ時代のせいや誰かのせいにするくらいならもう一度夢を描けるはずさ

レミオロメン「もっと遠くへ」

何度だってやり直せるだけど今は二度と来ない」という歌詞は、当時の自分にとって道標のような言葉だった。

つらい、もう逃げ出したい。勉強をやめたくなることが多かったけど、それでも頑張ることが出来たのは、この言葉が自分の心の中に存在し、自分をコントロールしてくれていたからだと思う。

今逃げてもいいし、やり直しはできるけど、今という時間は二度とこない。これが本質であり、逃れようのない事実。だから、辛くても二度とこない今を全力で頑張ろうと思えたし、そう思えた積み重ねが結果的に受験当日まで続けることが出来た心の支えであったと思う。

諦めないでその心が決めた道を走り抜けて
強い風が吹いた日こそ誰よりも速く強く美しく
駆け抜けてよ夢の中を光の方へ闇を裂いて
きっと答えは一つじゃないさ
あらゆる全力を尽くしていくのさ
もっと遠くへ

レミオロメン「もっと遠くへ」

11月ごろに国公立から私立受験に切り替え、自分の決めた道を走り抜けた。

「強い風が吹いた日こそ誰よりも速く強く美しく駆け抜けてよ」

「きっと答えは一つじゃない」

きつい時も、心を支えてもらえたから、頑張って最後まで駆け抜けることが出来たんだと思う。


今もこの曲を聴くと思い出す。

あの図書館の中の匂いを。

古本の香りや、木で出来たあの机や椅子の感覚を今でも鮮明に。

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