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めまい
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
ヒッチコックの『めまい』を観た。初見。オープニングタイトルお洒落だな〜と思ったらソール・バス! 昔のキム・ノヴァクが美しいこと。有名過ぎるカメラワーク "Vertigo Effect" も堪能いたしました。オチは「へぇ〜、そうなるんだ」という感じ。随所に使われるグリーンが印象的。 pic.twitter.com/pMsrikuDx9
— もりはるひ (@haruhi_mori) April 16, 2017
1958年のアメリカ映画。後の映画界に多大な影響を与えた “サスペンスの神様” アルフレッド・ヒッチコック監督によるサスペンス作品です。極度の高所恐怖症のために刑事を辞めた男が、旧友から「妻が不審な行動をしている」と尾行調査を依頼される。奇異な行動を取る妻に接近して行くうち、二人は恋に落ちるが――。原題 "Vertigo"。
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出演は、主人公の元刑事・スコティに『スミス都へ行く』『素晴らしき哉、人生!』のジェームズ・スチュアート、スコティの尾行対象となる人妻・マデリンに『クリスタル殺人事件』のキム・ノヴァク、ほか。
監督は、『ダイヤルMを廻せ!』『裏窓』『知りすぎていた男』『北北西に進路を取れ』『サイコ』『鳥』など、数々のサスペンスの名作を生んだアルフレッド・ヒッチコック。
オープニングから、才能×才能×才能!
最初の見出しに「才能」の文字を三つも並べたら、ちょっとゲシュタルト崩壊を起こしそうになった、もりはるひです。こんにちは。笑
今回ご紹介するのは、あまりにも有名な、ヒッチコックの『めまい』! まずは、こちらのオープニング・タイトル・シークエンスをご覧ください♩
いきなり画面に大きく映し出された女性の顔から始まるこのオープニングは、タイトル・デザインの第一人者、ソール・バスによるもの。
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ソール・バス(Saul Bass)は、ほかにも下記のような映画のタイトル・デザインを手掛けています。
○『悲しみよこんにちは』(1957年)
○『北北西に進路を取れ』(1959年)
○『サイコ』(1960年)
○『ウエスト・サイド物語』(1961年)
○『ビッグ』(1988年)
○『ケープ・フィアー』(1991年)
ほか。
・・・
『めまい』のタイトル・シークエンスでは、目のアップと、ぐるぐる回転する渦巻き模様、くるくる定規(スピログラフ定規 *)で描いたような幾何学模様のモチーフが印象的ですよね。
*スピログラフ定規
歯車の穴にペンを挿して円形の枠をなぞるようにすると、いろいろな幾何学模様が描ける定規。子どもの頃、わたしもよく遊びました。
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こちらのヴィジュアルもソール・バスがデザインしたもの。
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オープニングから観客を不安な心持ちにさせるような音楽は、あの『タクシードライバー』(1976年)のサントラも作曲したバーナード・ハーマン!
下記、『タクシードライバー』を観た時のわたしの感想ツイート。
音楽がすごくいいなと思ったら、バーナード・ハーマン!
— もりはるひ (@haruhi_mori) June 4, 2020
『めまい』
『北北西に進路を取れ』
『サイコ』
も手がけた人。
『タクシードライバー』が遺作とのこと。
冒頭の不穏な感じと、ジャズ調の甘いサックスが印象的で、作中とても効果的に使われています。
名曲です♩https://t.co/JkykGzy6r5
どの作品でも、一気に映画の世界へ連れて行ってくれるバーナード・ハーマン(Bernard Herrmann)の音楽。う~ん、良いです♩
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そんな ソール・バス、バーナード・ハーマン 両名とタッグを組み、映画史に残る作品『めまい』を撮ったのが、「サスペンスの神様」アルフレッド・ヒッチコック!
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主演のジェームズ・スチュアート(中央)、キム・ノヴァク(左)と。
本作におけるヒッチコックの功績については後述しますが、オープニングのタイトル・シークエンスから、映画界の巨匠と呼ばれる三人の才能が楽しめるなんて、ワクワク感が高まるではありませんか♩
語り継がれる「めまいショット」を観る歓び♩
わたしが本作を観た時、何といっても楽しみだったのが、あの「めまいショット」と呼ばれるドリー・ズームのシーン!
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いやぁー、興奮しましたね! 映画ファンなら一度は観ておきたいシーンと言えるのではないでしょうか。
本作は物語の展開そのものが大きな醍醐味でもあるサスペンス作品。読者のみなさんにも、映画での発見や驚きを存分に楽しんで欲しい――という想いから、わたしの note では基本「ネタバレなし」を心掛けています。なので、ストーリーについてはなるべく触れないようにしながら、見どころをご紹介しますね。
「ドリー・ズーム」ショットは、またの名を「めまいショット」「ヒッチコック・ショット」、英語では "Virtigo Effect" とも呼ばれ、人によって様々な呼称が使われています。
具体的な撮影方法はいろんな所で説明されていると思いますので割愛。簡単に言うと、画面の手前とは別に、背景が “ぐわーん” と揺らぐような表現が特徴です。映画の撮影手法としては、特にヒッチコックが発明したというわけではなく、『めまい』以前から存在していたようです。
では、なぜ、こんなにも有名になったか? というと、やはりヒッチコックが『めまい』で使用したドリー・ズーム・ショットが傑出して効果を発揮していたから――なのだそう。
本作のドリー・ズーム・ショットはその後の映画人たちに大きな影響を与え、スピルバーグ、スコセッシ、タランティーノといった名だたる映画監督たちも自身の作品の中でこの手法を取り入れています。
その名も "The Evolution of the Zoom Dolly" というタイトルの、こんな動画を見つけたのでご紹介しますね。
うぉぉー。ぐぃーん、ぐぃーん。「これでもか」と言わんばかりに使われていますね!
本当に、このドリー・ズーム・ショット、世界中の映像作品の至る所で使われているんです。映画だけにとどまらず、日本のドラマなどでもわりと頻繁に見かけます。こうして元ネタを知っていると、「あっ、これも!」と気づくことができるので、作品を観るのが楽しくなりますよ♩
そのほかの印象的なショットたち
おしまいに、「めまいショット」以外でわたしの印象に残っているショットをいくつか。
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キム・ノヴァクは、監督が当初イメージしていた役柄と彼女の雰囲気がかけ離れていたことや撮影中の態度などから、ヒッチコック自身としてはあまりお気に召さなかったらしいです。(あらら……)
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