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私と『日本製』

昨年、漆塗り体験に行った際の作品ができあがった。地元の陶芸作品に漆塗りをしたもの。
本当なら、ろくろで造った作品に漆を塗りたいところだが、まあとりあえず皆でわいわい塗り体験から。
私はこういったもののワークショップが大好き。
陶芸、機織り、ガラス工芸、リース、門松、泥染め、紙漉きetc…伝統工芸のワークショップがあれば、無理して時間を作りでかけていく。仲良くしている友人たちも不思議とそういった事が好きで、その都度が声をかけるとそのうちの4~5人が集まり体験教室で作品造りに勤しむ。毎回バラバラのメンバーだ。

ガラス玉

そしてこの中のメンバーと時には音楽観賞、映画観賞、演劇観賞に行くこともある。これは更に好みが分かれるため、このときはだいたい行く相手は固定されてしまうのだけど。
上のお姉さんは73歳から下の妹は38歳と年齢層は幅広い。
作品が出来上がるとまた寄って品評会をする。

陶あかり

皆が都合を合わせるのはなかなか難しく、今はコロナ感染防止の為、会う事もままならなくなってしまったけれど、記憶に残す事がまた宝物になると思いできるだけ会う時間を作るようにする。
中でも陶芸は一番無になれるから一番好きだ。雑念があると、すぐに失敗するからわかりやすい。ろくろが回っている間の土の感触が堪らない。まるで生き物のようでこちらの感情が伝わる。
地元の焼き物は、釉薬をつけずに焼きその時の薪の灰が灰釉という形で出来上がるのだが、それがまた渋く素敵な焼き物に仕上がる。出来上がりが想像できない焼き方だ。多少値も張る。陶芸体験などでは釉薬をかけて焼くものしかできないのだけれど、次に陶芸をしたときには一度灰釉をお願いしてみようかなと思っている。

今は蠟燭台になった小皿
自作の器。ビアカップは購入品

田舎育ちの田舎暮らしの私にとって、ひょっとしたら日常の暮らしが「日本製」なのかもしれないが、それでもきっちり伝統を守って暮らしているかと問われたらきっと違うだろう。
でも四季折々の花が咲き季節を感じられる、義父が手入れをしている庭は、きっと私もするんじゃないかと漠然と感じている。

雀の餌台の中で雀を待つ
灯籠もおかまいなし

若い頃はおしゃれな洋風の住宅に憧れ、近代的な生活を理想としていたけれど、現実は大きく違った。実家は和風の日本家屋だが、我が家ももちろん典型的な古い日本家屋なのだから。しかも農家だし。
甘い新婚生活を夢見ていたが、とんでもなかった。
一時は、友人たちを羨んだ事もあったけど、今は年を重ねたせいかむしろ日本家屋がいいとさえ思うようになった。

ただ一つ難点は、古い家のためとっても寒いこと。寒すぎる。かといって夏は普通に暑いし。やはり家の中では快適に過ごしたいのが本音。何年か後にはそこを改善したいと一人で考え中。
その点、夫や息子達は自分の家である、生まれ育った家やこの環境が大好きのようだ。

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義母が畑をしているから、普段の野菜は旬のものを食べることがほとんど。だから採れ過ぎたらそればかり続いたりする。でも旬の野菜が一番美味しい。

お米もうちの田んぼで作ったものだから、美味しさは格別。去年は夫が怪我をしたから稲刈りは息子達が頑張ってくれていた。頼もしい限り。

歳の暮には毎年餅つきをして、年越し蕎麦を打つ。餅つきと蕎麦打ちは男性陣が主役。私は去年は12月に入りぎっくり腰が再発した為、餅つきの返し手はパスした。
皆大人になったせいか、おろし餅が大人気。今年は私があんこを炊いたのでそれでも食べた。
蕎麦打ちは三男の役目。だんだん上手になっている。手先も器用で、嫌いでないようだ。
せっかく上手く出来たお蕎麦、失敗しないように茹でないと。
お蕎麦もやはりおろし蕎麦にして。

つきたての柔らかいお餅や作りたてのお蕎麦を、家の畑で採れた大根のおろしで食す。そば粉も地元産でお醤油は隣村のお醤油屋さんのもの。一升瓶で半ダース配達してもらう。息子にも、ここのお醤油のペットボトル入りを送る。このお醤油屋さんはとても美味しいのだが後継者がいなくて、今の代で終わってしまう可能性が大きいとの事。伝統産業の後継者不足を肌で実感する。我が家もそうなっていくのだろうか。

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冷酒でいただきます

息子達が両親と祖父母にと日本酒をプレゼントしてくれたので、それを呑んで年を越した。
日本酒も夫がハマった時期があったのたが、好みの大好きな地元の辛口吟醸酒を選んでくれた。三男はフライングだが、皆で飲むお酒は今までで一番美味しかった。

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ミニ門松

新年は、村の氏神様へお参りに行った。
どうか皆が健康で過ごせますように…

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年末の餅つきで作った鏡餅を早めに下げて、薄く切りかき餅作り。青のりをまぶし、オリジナルにしてみる。
大変!試食が止まらない!
あんこを食べながら、干し柿を食べながら…
甘いのや塩っぱいので口の中が忙しい。

ちょうどいい具合に雪が降ったから、運動も兼ねて雪かきをした。雪は程々に降ってほしい。

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そして今また春馬さんの『日本製』を読み返している。私の大好きな物や興味のある事が沢山つまっていて、私にとってはとても贅沢なワクワクする参考書。忙しいのに大変だったろうな。でもきっと春馬さんの事だから、大変だけど楽しくて仕方なかっただろうなと思っている。
北海道から沖縄まで触れて感じてみたい、そして後世に伝えていきたい伝統産業文化が沢山ある日本。県内の伝統産業文化や歴史もまだまだ知らないことばかり。知らないことを学ぶのって楽しい。

今年は身近なところからまた、時間の許す限り一つひとつ伝統産業文化に触れていきたい。そして春馬さんの『日本製』の足跡を辿っていきたい。

新年の抱負です。






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