いしいしんじに会っちゃった!
『プラネタリウムのふたご』
私の好きな小説の一つだ。
おとぎ話感もありつつ、しっかり現実的なところもあり、人の感情をこんな風に表現できるのかと心底驚いた。
大学で、文芸創作についての授業をとっているのだが、いしいしんじさんがゲストスピーカーで来てくれると聞いた時はわくわくが収まらなかった。
どんな人なんだろう
どんな人なんだろう、どんな生き方をしてきたんだろう、大切にしていることってなんだろう。気になることはたくさんあったが、あえて何も情報を見なかった。
先入観にとらわれるのが嫌だったし、いしいさんの言葉で聞きたかったからだ。
いざお会いするとびっくり!こんなにお洒落な人だったの!?
こんな大人会ったことない
小説家さんだし、気難しいとかクセが強いとか、よく分からないこだわりがあるとかを想像していたが、普通だった。普通の人だった。
気取ってなくて、こんなに等身大な感じなんや!とびっくりした。
そして、冗談も言うし、とても軽快に笑う。
何よりも、話がめちゃくちゃ上手い。
一瞬で、いしいしんじの沼に落ちた。
言葉選びが独特とかしゃべり方にクセがあるとかいうわけでもなく、例えや間、話の構成が巧みで、ただただ分かりやすい。
90分でさまざまな話題にふれたが、きちんとつながりがあった。
「そういえばさっきこんなこと言ってたけど、これとつながるな」と気付くきっかけをくれた。
聞き手にそれをさせるって、すごく難しいことだと思う。
1対1でお話し
授業後に、自由にお話しできる時間をとってくれた。
講義のときは気付かなかったが、いざ面と向かって目を合わせてお話ししたときに、目がすごく澄んでいると思った。
目が死んでいるというのは言い方が悪いが、目に光が無いような濁った目をしているような大人をたくさん見てきた。
あんなに澄んだ目をしている大人は初めて見た。
奥に、内部に、幼少期のいしいさんを見た気がした。
たった90分だったが、それだけでもいしいさんの魅力が十分伝わった。
有名な小説家だが、気取らず等身大。話も上手くて人を引き込む。
どんな人にもいい意味で同じ対応というか、人によって態度を変えたりしないという印象も受けた。
そこが人を惹きつけるのかもしれない。
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