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今週の読書録
毎回恒例の美味しい小説、歴史小説とエッセイの3冊を読了。
古本食堂
原田ひ香さんの『古本食堂』。
祖父の弟が営んでいた古書店を継いだ大叔母と大学院生の二人の女性が主人公の作品。
原田さんの作品の楽しみの一つである美味しいものも登場するので、文学好きや美味しい作品が好きな方におすすめです。
古今の名作と神保町界隈の美味しいお店が登場します。
長編ではあるものの、章ごとにオチがつくので合間合間で読み進めるにも苦にならない小説です。
元禄15(1702)年創業のけぬきずしは、読んでいるうちにすぐにでも食べたくなるほど。
ます寿司や棒寿司が大好物で、出先で見つけるといつも購入していた身としては、次に近くを訪れる際には忘れずに立ち寄りたいお店です。
すぐには実現できなそうな今は、とりあえずゆず風味の棒寿司をお取り寄せして、次なる週末読書タイムに備えます。
話はそれましたが、読書家の大叔母が名探偵のように周囲の人々の小さなお悩みを本で解決していくストーリーは、読了感もよく続編も楽しみになる展開でした。
読むと食べたいものが思い浮かぶ飯テロ小説です。
女城主
池波 正太郎 、井上 靖、岩井 三四二という大御所の作品も並ぶ豪華な短編集。
大河ドラマにもなった井伊直虎や「のぼうの城」でも登場する忍城にゆかりのある甲斐姫、立花誾千代などの少し歴史がお好きな方であれば聞いたことのあるような戦国の女性たちが主人公。
見るからに気が強そうな女性もいれば、普段はおとなし気な女性も非常時には立ち上がる。
負ければ全てを失う時代に領地や領民、あるいは家族、あるいは矜持のために立ち向かう姿は性別を問わず勇ましい。
ひとつ40Pほどのボリュームなので、電車移動時のおともにもよい短編集でした。
今日は、これをしました
群ようこさんのエッセイ『今日は、これをしました』。
愛猫を見送り長年住んでいた住居からサイズダウンした住まい。
旧居では積もり積もった物を断捨離したり、新居では家電を買い替えたり。
何気ない日常を描いた作品にこそ、お人柄や価値観が強く現れるように思います。
長く住むと増えがちな物は、引っ越し時に想定以上の量で、引っ越し先まで移して結局は処分することもあるある。
生活の変化とともにサイズダウンを考える方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?
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