今週の読書録(2024.8.3)
眠れぬ夜のご褒美
『眠れぬ夜のご褒美』は、夜食をテーマにした短編集。
「喫茶ドードー」シリーズの標野凪さんの作品を目当てに手に取りました。
「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」は、自分で料理をしない人にとっては簡単そうに思えるかもしれない。
しかし、実施には意外と難易度高め…
夜中に突然会いに来て、「簡単なものでいいから何か作ってよ」で要求されることに迷惑といえない主人公のその後の展開は予想通り。
その他の作品も意外な展開は少ないので、安心して読みやすい短編集かもしれません。
わたしの知る花
町田そのこさんの新刊『わたしの知る花』。
小説丸でのインタビューにも記載されているように、既存作品と近い地域を想定して描かれています。
人へ対する強い思いは、時に事件にも繋がる。
自分の常識は人の常識とは違うかもしれないと疑わないことは、本当は結構怖いことだと町田さんの作品を読むたびに思います。
人生には単独では昇華できず「誰かと一緒に何かを乗り越えないといけない時」があります。
幼馴染、夫婦、家族、形は異なれど結局は他人。
どこまで相手の思いを受容できるのか?
町田さんの作品を手に取るたびに、自身の人間関係の在り方を考えることが続いています。
マリエ
千早茜さんの『マリエ』は、香りが漂ってくるような作品。
小麦粉で作る料理、こだわりの香水。
『透明な夜の香り』でも表現された五感を刺激する小説です。
思わずモチーフにした香水が存在するのか探してみたくなりました。
ライフスタイルの変化と自身の行く末。
現実でも似たような経験をしたタイミングで手にしたため、考える物が…
千早さんの美しい文章に誘われ一気読みしてしまいました。
ワトソン力
「ワトソン力」、ホームズが名探偵になれたのは実はワトソンの能力かもしれない。
ある日、自身の周りにいると推理力が向上するスキルに気づいた主人公。
能力をいかすべ警察を志し、都合よく捜査一課に配属になる。
大山誠一郎さんの『ワトソン力』は、そんな非凡なスキルを有する和戸さんが主人公。
しかし、本人の推理力はいま一つ…
それでも周囲が名探偵よろしく推理合戦を繰り広げた結果、なぜか警察が到着する前に事件は解決する不思議。
この和戸さん、なぜか殺人事件に度々遭遇します。
それも勤務中に限らずプライベート休暇中や非番に日に…
遭遇力だけでいえば、まさに名探偵並。
加えて、なぜか何度か誘拐もされます…
非凡な能力を有する平凡な主人公が周囲へ知らず知らずのうちに影響を及ぼし展開するストーリーは、ミステリー好きには物足りないかもしれませんが、手軽な短編集を読みたい方には悪くない作品です。
夢をお金で諦めたくないと思ったら 一生使える投資脳のつくり方
「一生使える投資脳」、昨今のNISAブームにあっては需要がありそうなフレーズです。
どちらかといえば入門者ではなく、ある程度投資を経験して、個別株にも挑戦したい段階の方によいかもしれません。
テンバガーの見つけ方、投資先の絞り方、投資信託以外にも個別株投資を始めたい方には分かりやすそうな難易度でした。