不登校とケース会議
こんにちは!りょーさんです。
今回は、必ずしも不登校についてではありませんが、「学校がしんどいお子さん」もしかしたら学校に行けなくなるかもしれないお子さんたちについて、支える大人の立場から、これまで僕が書いてきた記事を振り返りながら書いてみます。。
●不登校を子どもの生きている世界から考える
前回、子供たちが学校に行かないことについて、子供たちの生きる世界について、書いてみました。環境、生活、活動、学び、そして関係などに要素を分けて、それぞれにアプローチ方法があるのではないか?というお話をしました。
その「生きる世界」を整えるための一つの手段として「ケース会議」というものがあります。
●「学校に適応させる」ではなく、「その子らしく」
僕たちの活動(主に放課後等デイサービス事業)では、学校や(福祉の)相談支援事業所、児童相談所、そしてご家庭と会議をすることがあります。
子供に関わるさまざまな大人たちが一堂に会し、チームでサポートするための会議をするのです。これをケース会議と言います。
たとえば、発達凸凹があり、学校での学びや活動、関係性がしんどい、あるいは過剰適応※にあるお子さんがいたとして、
僕たちは、その子たちを「どうやったら学校に適応させられるか?」と考えるのではなく、「どうやったらやったらその子がその子らしく、活動し学べるか?」を考えます。
過剰適応についてもこの記事をご参考にしてください。
さらに、しんどい状況にあっても、しんどいってことに気づけない場合もあります。しんどいって気づけなければその子は対処もできず、「なんか疲れるなー」「なんかモヤモヤするなー」って思っていたらある時学校に行けなくなる…なんてこともあります。
学校をみんなと同じく、普通に過ごしていても、「なんか疲れる」ってお子さんについても書いています。
上記三つの記事は、すべて「発達凸凹」の特性や「過剰適応」の文脈で捉えられると思います。
●どんな視点でケース会議が行われる?
会議において、僕たちはどんな観点でお話をするか?
①学校や家庭、各事業所の様子と共通点とその違いを明らかにする。
②特性面について広い視点から仮説も含めテーブルにあげる。
③どんな配慮が必要で、活用可能な強みなのか?
④お父さんお母さんの想いや願いはなんなのかな?
⑤子供のニーズ(顕在化されているもの/潜在的なもの)は何かな?
⑥どーなっていれば「子供がもっと楽に、楽しく、自分らしくいられるかな?」
⑦上記について支援する大人がどのような想いや方針を持っているか?そしてそれを重ね合わせられないか?役割の違いとその結びつきは?
僕たちは、そんなことを会議のテーブルにあげるように意識しています。
とくに大事にしたいのが、子供にとっての「安心の拡大」と「負荷(大変さ)の調整」です。
安心の場がないと人はチャレンジもできないし、関係性も広げたいと思えません。
また負荷(大変さ)が高すぎると、いつのまにかパンクしていたーっなんてこともあります。
みんなと同じスピードで走れているように見えても、みんなは70%くらいで頑張っている、でも自分は120%で頑張っているってことだってあります。
この話については、以前、車のスピードと回転数の比喩で書きました。
よく僕はそのお子さんの発達特性的に「なぜ120%になってしまっているか?」をお伝えした上で「70%の力で安心して頑張り続けることの重要性」を学校の先生たちにお伝えします。
●大人たちが「考えが違う」ですれ違わないために
さらにもっと大事なのは、子供を支える大人たちが「本当はどんな思いを持っているのか?」を可能な限りテーブルにあげることです。
表面的なアプローチやしてほしいことはすぐに言葉として出てきます。ただ、これらをそのまま受け取ると簡単に対立関係に陥ります。
たとえば「もっと勉強させてください!」という親と、「授業でがんばっているから大丈夫!」っていう教員がいたら、、、そこでお互いがモヤモヤし、言葉だけ捉えたら対立関係に陥るのです。
「あの先生はやってくれない」「あの親は子供に過剰に干渉している!」という考えのもと、お互いがお互いを責め合います。
でもお互いがその奥にもっている思いを表に出せば、共通の思いが見つかるはずです。この共通点を見つけることで対立を乗り越え、共通の基盤に立って、子供を中心に置いてチームを作っていくことができる。
簡単なことではありませんが、僕はそう考えています。
そういった会議(対話)が行われ、支える大人たちの理解と努力のもとで、子供たちがより安心して、より自分らしく、学び活動できるならば、「学校に行ってもいいかな」と思えるかもしれません。
でも、そうでないならば、、、行かないのも一つの手段、だと思います。
どちらが正しいということではなく、「何がいいのか?」は個別的・状況に合わせて、ということかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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