【長男と三つ子育児実体験】エピソード8〜三つ子妊娠発覚〜
妊娠初期というものは、胎動も感じられないので
次の健診までお腹の双子が無事に成長しているか
確かめる術がなく、常に不安がありました。
不安と共に過ごす2週間はめちゃくちゃ長く感じられ、
検診の日はやっと!という思いで病院に行きました。
今回も主人と長男と3人で行きました。
待ってる間もそわそわしながらやっと順番が回ってきます。
検診が始まってすぐ。
先生が『ん〜?いや…あれ〜?』といった反応。
前回、双子妊娠のリスクの話も聞いていたので
かなり不安になっていました。
聞いていた通り、もうこの時点で双子じゃなくなっちゃったんかな…
一人は上手く成長できてなかったのかも…
そんな風に嫌な予感がしてしたのは
予想外の形で裏切られました。
先生『お母さん、落ち着いて聞いてね。
お腹の赤ちゃん、双子じゃなかったです。
……三つ子ちゃんでした。』
私『…ん?え?なんて?
…もっかい言ってもらっていいですか?』
先生『双子じゃなくて三つ子です。
もうひとり影にかくれてました』
私『え?!うそやろ!?そんなことあるん??!』
思わずここからため口になってしまいました。
先生『私も数年に一回とかしか出会わないけど
ある時はあるんですよ~。』
私はボーゼンとしてしまいました。
一緒に聞いていた夫もボーゼン。
当時3歳だった長男はあまり意味がわかっておらず
ミツゴってなに~?状態。
それから先生がモニターにエコーの映像を写してくれました。
確かにそこには複数の影が映っていました。
最初まったく状況が理解できず、
言葉の意味は分かってもまるで現実感がなく
目の前がぐるぐるしているようでした。
エコーの診察が終わり、別室で詳しい説明を受けました。
先生『ハルさんの場合は二卵性の三つ子ちゃんです。
胎盤がふたつあり、3人中2人はひとつの胎盤を共有している状態です。』
『前回双子妊娠のリスクについてお話ししましたが、
三つ子ということはさらにリスクが高まります。
うちの病院では出産まで診ることができないので、
MFICU(母体・胎児集中治療室)と、NICU(新生児集中治療室)
が併設されている大学病院へ紹介状を書きますので
そちらに転院してください。』
先生からそう説明を受けましたが
私の心は依然ついていけておらず、
はい、はい、と返事するので精一杯でした。
前回双子だと言われたときは不安もあったものの
前向きな気持ちで受け止められたのに、
三つ子と言われた途端、99.9%の不安に変わりました。
三つ子ってなに?
私に育てられるん?
そもそもちゃんと産めるん?
とにかく気持ちが落ち着かず、手は震えていました。
診察のお会計をするときも手が震えて小銭をうまくつかめず、
半ば投げ捨てるようにトレーに出したのを今でもはっきり覚えています。
帰りの車の中で夫と話し合いましたが、
私も夫もまだ気持ちが追いついておらず、
どうする…?どうしよ…
というような言葉しかでてこなかったと思います。
家に着き、ひと段落してソファに座った瞬間、
急に現実味がわいてきて、おそろしくなり、
気付けば泣いていました。
自分が三つ子の母になれる気がしない。
精神的にも体力的にも経済的にも不安しかない…。
今、自分の体内に3人も胎児がおるなんて…
心臓4つもあるなんて…
今から出産まで三人とも無事にお腹で育てられるの?
自分の身体はこれからどうなっていくの?
健康体で三人産むことができるの?
三つ子を育てていけるだけの力量が自分にあるの?
ここからの未来が途方もなくて
怖くて怖くて不安で仕方なくて
夫と長男の前で泣きながら不安をぶつけてしまいました。
その時、長男が小さい手で私の頭をなでてくれ、言いました。
『でも、ママはひとりじゃないで。パパとぼくがおるやん。』
当時3歳だった彼がどこまで状況を理解していたかはわかりません。
でも、私のこころにはぶっ刺さりました。
今度は別の意味で泣きました。