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旅を通して世界史を学ぶ

 

世界史×旅で歴史を楽しむ


 さて、永井忠孝氏の『世界史で学ぶ教養の英単語』(ダイヤモンド社)を読んで豊富な語彙を獲得したとしても、世界史を学ぶのはハードルが高いであろう。なぜなら、机の上で世界史の本を読んでいても楽しくないからだ。ならば、最も楽しく学習できる方法を実践すればよい。それが「旅」だ。


 

 世界史講師の佐藤幸夫氏は『旅する世界史』(KADOKAWA)で世界の見方を養うためには旅をすることだと強調する。しかし、多数の国を訪れ、世界の文化的体験を重ねるうちに日本文化が根付いていないことに一抹の不安を覚えたと言う。

< 今まで100か国以上の国を訪れ、世界史講師の目線でたくさんの伝統文化に触れてきました。いずれも素晴らしいものでしたが、そこに住む人々は日本の文化に関する知識が乏しいためか、ガイドをしてもらっても一方的に情報伝達されるのみで、国際的なコミュニケーションをとれた気持ちにはならないことが多いのです。これと同じことが我が国でも起きてしまうだろうという不安が私にはあります。>

佐藤幸夫『旅する世界史』KADOKAWA p.2

 佐藤氏は上述のような懸念を示し、次のような執筆動機に至ったことを述べる。

<「あなたの国のあの建物と比べると…」「あなたの国のあれを造った人と同じで…」こんな会話こそが、国際交流であり、本当に相手を喜ばせる「おもてなし」ではないでしょうか。
 海外旅行好きの人は、国際交流がうまくできないもどかしさを感じたことがあると思います。しかし、「歴史を勉強しておけばよかった!」とその時は思っても、歴史の分厚い教科書ではなかなか勉強が進まないかもしれません。そこで、「歴史を知ることで旅を豊かなものにしたい」人のために、この本を書きました。>

前掲書 p.2-3

 世界史の教科書を一通り理解できたとしても、現地に足を運んで自分の国と異国の文化を比較すれば共通点が出てくる。このようなやり取りをしてこそ真の国際交流につながるという佐藤氏の指摘を真摯に受け止めよう。

 本書から3つの国を取り上げる。その中で興味深いトピックを拾い、他の文献を引用しながら補足説明を行うことにする。


①  フランス



 フランスといえば、パリにあるエッフェル塔が象徴的存在だというイメージを思い浮かぶ。華麗な都市空間に身を置けば、街角のおしゃれな雰囲気に包まれ、優雅なひと時を過ごすことができる。他にも、ロワール渓谷の古城、ルーヴル美術館、ヴェルサイユ宮殿などの歴史建造物が観光スポットとして注目の的となり、訪れし者を魅了する。フランスの歴史を振り返ると、当時は自由と民主主義の思想に基づく豊かな社会とは別物だった。絶対王政に固執する体制であった。佐藤氏は次のように解説する。

< スイスにおける宗教改革の影響で、カトリックの多いフランスにもカルヴァン派(ユグナー)が増え、この新旧両派の対立から約30年にわたるユグナー戦争が勃発しました。最終的にはヴァロア王家も巻き込んだ大内乱になり、ヴァロア王家の断絶により、ユグノー諸侯しょこうであったナヴァル王アンリ4世として即位し、ブルボン朝(1589-1792、1814-1830)を創設しました。彼は多数派のカトリックに配慮して、自らはカトリックに改宗、ナントの王令を発布し、ユグノーを認めることでこの戦争を平定しました。その後は、ルイ13世・ルイ14世と続き、絶対王政を完成させることになりました。
 のちに「太陽王」と呼ばれたルイ14世は、蔵相にコルベールを登用し、貿易に力を入れる重商主義政策をとり、東・西インド会社による植民地戦争を繰り広げ、イギリスに敗北し、多くの植民地を失いました。一方、熱心なカトリックであったため、ナントの王令を廃止し、商工業者の多いユグーの大量亡命を生み出しました。このことは産業の停滞による経済的衰退を引き起こしました。さらに、オーストリア継承戦争で戦費がかさんで王室は財政難となり、フランス革命の一因となったのです。>

前掲書 p.44-45

 絶対王政の時代の象徴とするものが本書に登場する3つの歴史的建造物になる。その中でヴェルサイユ宮殿は王権政治を党是とする体制のためのプロパガンダとして建てられたと言われている。ヨーロッパ近現代史に詳しい歴史学者の福井憲彦氏はヴェルサイユ宮殿が建立した理由について次のように説明する。少し長いが、引用する。

< その理由をひと言で言うなら、「王権の強さを象徴的に示すものが必要だったから」でしょう。つまり、王権のプロパガンダです。
 ルイ十四世は、「太陽王 ロワ・ソレイユ Roi-Soleli」という異名で知られています。ブルボン朝最盛期を築いたことからつけられた異名だと言われていますが、実際には彼自身がそう呼ばれるよう演出したと思われる事実がいくつも見られます。
 まず、彼は、宮廷舞踏にメヌエットを取り入れた人物と言われていますが、そのとき自ら身にまとったのは「太陽神アポロン」の衣装でした。また、ヴェルサイユ宮殿で玉座が置かれた部屋は「アポロンの間」です。
 揺るぎなき王権を確立するためには、武力や資金力も重要だが、それだけでは人々の心を掌握することはできない。人の心を掴むには、文化的かつ象徴的なもので王権を示すことが必要だ、とルイ十四世は考えたのだと思います。一種のイメージ戦略です。
 事実、ルイ十四世はパリのサン・ドニ門やサン・マルタン門など、自らの業績を示すモニュメントを各地に数多く造っています。
 ルイ十四世にとってヴェルサイユ宮殿は、彼が望んだ秩序を体現するための場でした。国王の生活の場であると同時に、政治の中心でもあるヴェルサイユでは、国王にプライヴァシーはなく、一挙手一投足がすべて儀礼化され、人々の目にさらされました。
 このような国王の生活の儀礼化は、そこに参加する人々に序列を生み出しました。
 たとえば、国王の目覚めの儀式である起床の儀に参加できるのかできないのか、参加できたとすれば、何番目に王に謁見できるのか。他にも、晩餐会では王から何番目の席に座るのかといったことが、すべて序列に直結したからです。>

福井憲彦『教養としてのフランス史の読み方』(PHP研究所)p.151-152

 想像しただけであの時代に生まれなくて良かったと思う。自由がないからだ。絶対王政を貫徹する体制下で序列意識に適応しなければならないという勤勉実直な生活は割に合わないと考えるべきだ。


② イタリア



 次にイタリアだ。イタリア人は明るく気さくなイメージが強い。訪れた観光客は楽しそうな雰囲気に包まれるイタリアの風情に心が和むことだろう。佐藤氏はイタリアの中世都市について解説する。

< 12世紀以降の北イタリアでは、遠隔地交易の発展とともに、自治都市を建設するコミューン運動が起こり、これらはそれぞれ領域を広げ「都市共和国」と呼ばれるようになりました。こうした都市の繁栄は各都市に豪商を生みました。ミラノのスフォルツァ家やフィレンツェのメディチ家は有名です。
 半島南部では、東ローマ帝国の領土縮小により、イスラーム勢力の支配下に入るようになりました。そのため、ローマ教皇の支持を得て、北フランスにあるノルマンディー公園の騎士が南下して、この地を奪回します。そうして、1130年に両シチリア王国が建設され、その後、ナポリ王国とシチリア王国に分裂し、15世紀にはスペイン領に編入されました。>

佐藤幸夫『旅する世界史』KADOKAWA p.56-57

 

 そのうちのシチリアについては次のように解説している。

 

< ギリシア人の植民都市だった島東部のシラクサ、フェニキアの植民都市でイスラーム教徒・ノルマン人が支配したパレルモの2都市が有名。パレルモ発ジェノヴァ行きの列車は、メッシーナ海峡を渡り、トンネルではなく列車を車両ごとに切って船に乗せて、半島側に着いたら再び接続して出発するという世界でも珍しい運行をしている。>

前掲書 p.57

 


 シチリア島のパレルモという街は現代に入り、SDGsに基づく持続可能な社会を目指す一環として「エシカル消費」( ethical consumption )が回っているのだ。
 「エシカル」(ethical)は「倫理的」という意味であり、人として守るべき道や行いのことを指す。「エシカル消費」とは、何かしらの犠牲の上に成り立っているのではなく、自他共に、自然に、そして地球環境にとってよいものを積極的に選択して経済を回そうとする概念である。SDGsで示す持続可能な経済指標の12番目の「つくる責任、つかう責任(持続可能な消費と生産のパターンを確保する)」に該当する。
 つまり、シチリア島では、自然の恵みによって育まれた農産物を大切に消費しようと島内の地場産業の強化に取り組んでいるのだ。

 ノンフィクション作家の島村菜津氏はシチリア島を取材する中でオーガニック食品を多く取り揃える市場の姿に触れている。バレルモはエシカル消費に取り組む象徴的なモデルだと理解できる。

< 「パレルモで質の良い土産を買いたいならば、お勧めはここです。マフィアからの押収地で作られるおいしいものを扱っているのです」
 そう教えてくれたのは、パレルモの宿の若い主人だった。それは、優雅なポリテアーマ劇場近くの「Libera Bottega dei Saperi e dei Sapori della Legalita」(合法性の知識と味)という何とも長々しい名の店だった。イタリア語の味と知識は音の響きが似ているから一種の言葉遊びなのだろう。国を挙げての教育プロジェクト「合法性の船」のように、ここにも同じ「合法性」という言葉が使われていた。
 地味なサッシの扉を開くと、左手の棚にさっそくおいしそうなものが並んでいた。パンテレリーア島のケッパー、ウスティカ島のレンズ豆、天日干しの塩、地蜂の蜂蜜と、どれも普通の土産物屋ではあまり見かけない希少な食材ばかりだった。
 その時、高い棚のチェントパッシ、「百歩」と書かれたワインが目に飛び込んできた。あのチニジのマフィアと闘った青年ペッピーノに捧げられたものだ。コルレオーネの労働運動家リッツオットの名のボトルもあった。どうやらこの辺が、押収地で生まれた商品の棚だろう。パスタ、ジャム、オリーブ油、クッキーなどもある。
 すっかり見入っていると、レジの若い女性が声をかけてくれた。
 「この店の商品の半分くらいは、マフィアからの押収地で活動する各地の社会的協同組合で作られた商品です。ものによってはまだ認証がありませんが、ほとんどオーガニックです。認証を持つものがだいたい四割くらいです。」>

島村菜津『シチリアの奇跡』新潮新書 p.159-160

 パレルモでは、オーガニック食品を主流とした農産業で商いを行っている。自然食品を多く扱っている。このような地場産業の隆盛が持続可能な消費を促しているようだ。日本と比べれば、シチリア島をはじめとするイタリアの食料自給率は高いのだろう。
 さらに、島村氏はエシカル消費に拍車をかけた背景について説明する。

< シチリア州は、知られざる有機農業の先進地だ。国立統計局の調査によれば、二〇一七年の有機農場やその加工業者の数は一一二三六社で全国一位、イタリア全体の十八・九%を占めていた。耕作面積も約四二万七千ヘクタールで全国一位。消費は中北部に比べてまだ低いが、生産量は二〇一〇年以後も目覚ましい成長率を示している。押収地を有機の畑に変えるという発想は、そんな現状に後押しされてのことだろうか。
 「マフィアが所有していた土地の暗くネガティブなイメージを変えていく。そのためには、農薬を使う普通の農場ではダメだからです。不正にまみれた社会と真逆の世界を目指す。そのことを表現するには、そこで作られるものが取り立てておいしく、人にも大地にも負荷をかけないこと、つまり、オーガニックを目指す必要がありました。
 もうひとつは経済性です。強く意識し始めたのは、南部各地の生協との連携を深めた頃からです。古代から産地だった葡萄や小麦は、安直競争に巻き込まれないように質で勝負し、デザインの良い商品化をよくするためと言っても、経済性が低い活動は続きません。農産物の質を高めていくにも、それなりの投資が必要ですから」
 大学でマーケティングを専攻したという彼女は、いっそう饒舌になる。
 「『リーベラ・テッラ』の商品は情報のツールなのです。スーパーの店頭という日常のありふれた場所で、それを手にとって買い、おいしく食べるだけで、子供も、お年寄りも誰でも気軽に参加できる社会活動です。マフィアのことなど考えたこともない、会ったこともない人の日常と、現場で闘う人たちをつなげることができる商品だからです。たとえ姿が見えなくなっても、マフィア問題はまだ深刻です。過去の犠牲者たちのことを思えば、陰鬱な課題でもある。その解決することが難しい問題に、誰もが楽しみながら参加できる。この楽しめるということが、私は一番大切だと思うのです」
 それはまさにエシカル消費の醍醐味だろう。>

前掲書 p.169-171

 マフィアが所有していた土地では暗く鬱々としたイメージが付きまとう。だから、明るく幸せな場所へと姿を変えるべく、島の人々は立ち上がった。オーガニック中心の農産業に転換したことで大地にも人にも負荷をかけず、エシカル消費が循環するようになったのである。かつて映画『ゴッド・ファーザー」の島と呼称されていたが、今では子供から大人まで誰もが社会参加することができる生き生きとした社会に生まれ変わった。持続可能な経済社会の最先端を進んでいるのだ。
 因みにシチリア島に住む人々は100歳以上のご長寿が多い。島ならではの健康法を実践しているのである。


③ 台湾



 最後は台湾である。台湾は日本との友好関係が強い。2010年代に入り、台湾の人々は日本のアニメや押しキャラなどのポップカルチャー・サブカルチャーに触れるべく、観光も兼ねて来日することが多い。そんなこんなで台湾との関係性は身近に感じるのだ。佐藤氏はかつて日本の植民地だった台湾の歴史的経緯について解説する。

< アロー戦争で清朝を破った列強が淡水・台南を開港させたことで、近代化が進みました。そして、日清戦争に勝利した日本が1895年から植民地化したのです。日本の支配下では、農業の振興・交通網や水路の整備に加え、義務教育制度を試行され、日本語教育も浸透しました。しかし、反日運動に対しては厳しい弾圧を行っています。日本敗戦後は、蔣介石率いる中華民国の支配になりましたが、1947年に本省人による反対運動が起き、蒋介石はこれを厳しく弾圧し(二・二六事件)、台湾民族意識を潰すための恐怖政治を長年続けることとなりました。ちなみに、この事件を題材とした『非情都市』のロケ地として有名になったのが、『千と千尋の神隠し』のモデルとも言われる九份きゅうふんで、日本統治下では金鉱の街として栄えました。>

佐藤幸夫『旅する世界史』KADOKAWA p.172

 映画『千と千尋の神隠し』を観たことは誰でもあるだろう。登場する街のイメージ画として起用したのは台湾である。過去の歴史が暗い影を落とし、日台関係を悪化させたことに言葉を失うしかない。戦争における良し悪しに関わらず、過去の教訓を生かす。乗り越えた上で良心的な互恵関係を築けたことは奇跡と呼ぶべきであろう。
 しかし、近年では中国を念頭に東アジアの国際関係に緊張が走っている点も否めない。米中関係の摩擦も見逃せない状況になりつつある。台湾も中国による強硬路線に突き進んでいるという動向が新聞やテレビ報道を通じて、あちらこちらに散見されることも珍しくなくなった。佐藤氏は台湾の経済的地位向上と米中対立の構造について解説する。

< 国共内戦に敗れた蔣介石率いる国民党は、その拠点を台湾(台北)へ移しました。この際、北京にあった宝物の大半を持ち出し、現在は台北にある国立故宮博物館に納められています。また、台北には中正紀年堂という蔣介石哀悼のための記念館があります。
 国際連合の発足後、中国の国連代表権は台湾政府(中華民国)が持ち、1954年に米華相互防衛条約が締結され、冷戦の波にのまれていきます。しかし、1970年代に米中が接近したことで、国連代表権は本土に移り、外交的には苦難に陥りましたが、一方でNIES(新興工業経済地域群)として経済的地位を高めていきました。そんな中、蔣介石・蔣経国親子の後継者となったのが本省人出身の李登輝でした。彼は1996年の台湾初の国政選挙で勝利し、その後、本省人を支持基盤とした民進党が政権を握り、本土からの独立問題が米中対立の火種となっています。>

前掲書   p.173

 李登輝の政治的手腕は台湾の中でも熱烈な支持を受けていた。後に故・安倍晋三元首相との親和性が高いことでも知られている。李登輝の日本に対する提言は保守界隈で広く浸透している側面があるが、当然ながら賛否は分かれるだろう。
 2020年代に入り、台湾の独立問題を巡って中国が強硬な態度を示している。後に日本にも影響を及ぼす状況になりうるかもしれない。ジャーナリストの野嶋剛氏は中国が台湾を統治しようとしている背景について、次のように述べている。

< 中国と台湾島の間の台湾海峡は直線距離100km以上の海があります。ならば向こうが船で近づいてきたら察知することができますよね。さらに、中国と面した海岸線はすべて干潟になっており、船をつけられるのは、最北端か最南端に限られてきます。
 もし上陸されてインフラなどを破壊されても、台湾島の内陸は標高4000m近い山々が連なる台湾山脈が存在する、天然の要塞です。よって台湾を面で支配することはほぼ不可能といえます。局地戦となり、ゲリラ戦、持久戦に持ち込むことも予想されます。そのうちに国際的な介入も行われるかもしれません。
 いずれにせよ、大量破壊兵器は絶対に投入できません。共産党にとって台湾の「解放」はあくまで内戦であって、中華民国政府を駆逐して自国民を救い出す戦いだからです。
 最近になって、中国が打ち出しているのが「一島三峡」という言葉です。一つの島と三つの海峡、具体的には台湾島、台湾海峡、バシー海峡、宮古海峡を指します。
 バシー海峡と宮古海峡は、中国が設定した軍事防衛ライン「第一列島線」の上にあります。各国が自由に使用できる公海の範囲が広いため、中国は盛んにここで訓練を行っています。
 この二つの海峡をおさえることで、台湾の重要基地がある東側から侵略できれば、アメリカをはじめとする国際的な介入が入る前に、台湾を封鎖できる可能性が高まるというわけです。>

野嶋剛『台湾の本音』光文社新書 p.166-168

 「一島三峡」という考えが中国共産党の内在的論理であるならば、アメリカも決して黙認するわけではない。台湾に沈む海底資源をものにしたいがゆえに、海域を占領されることはアメリカ自身の国益に直結するからであろう。アメリカにとって台湾は重要な貿易相手国であると考えれば、中国の出方には目をつぶるわけにはいかない。米中対立がエスカレートすると、台湾にも日本にも飛び火がくる。本格的な米中衝突が現実味を帯びることのないよう、外交交渉だけでなく共有財産(コモンズ)の経済圏を確立するしくみを作るのが紛争を呼びこまない手段となるかもしれない。

 『旅する世界史』は旅を通じて世界の歴史を俯瞰するのに格好の学習書である。旅行関係者の方々はアイデアづくりのために役立つヒントになると思う。


<参考文献>

佐藤幸夫『旅する世界史』KADOKAWA 2023
福井憲彦『教養としてのフランス史の読み方』PHP研究所 2019
島村菜津『シチリアの奇跡』新潮新書 2022
野嶋剛『台湾の本音』光文社新書 2023



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