ハリス・ポーター
本マガジンは園子温が監督を務めた映画『エッシャー通りの赤いポスト』の全台詞を英訳したものです。コラム解説も付記しています。 映画の公式サイトのリンク先は以下の通りです。 https://escherst-akaipost.jp/
本マガジンは私の自伝的エッセイです。私自身の「生きづらさ」を感じるようになった体験を綴っています。
家族にまつわるエッセイです。
コーヒーへの愛 社会福祉士のサイボウズ@もっちー氏が書かれた上記の記事で述べた宮内氏のコーヒーへの愛の語りはこちらに伝わってきた。その魅力についてこう語る。 コーヒーの豆は多種多様だ。ブラジルのキリマンジャロやブルーマウンテンからハワイ島のコナまでありとあらゆる豆を扱っている。また、宮内氏はコーヒー店の仕事の醍醐味について満面の笑みを浮かべながら語った。 自分の入れたコーヒーを飲んだ来客が嬉しそうに言ったのを聞いて、宮市氏は自信を取り戻していることがよくわか
YouTuberのろこゆん氏によれば、語学上達のカギは早く間違えることだと言った。過去の経験でちょっとした英語のミスをした。実に恥ずかしい思いをした。その話をしてみよう。 あれは小学校時代に国際学校に通っていた頃だった。ある授業で料理の作り方について英語で発表する機会があった。これといった食べ物を思いつかなかったが、一番簡単なのはホットドッグ(hot dogs)だと思いついた。シンプルだし、それでいいだろうと決めた。 作り方を英語で書いて担任の先生に提出した。各々の生
波瀾万丈の人生 トリリンガールとして名を馳せる超人気Youtuberで最も勢いのあるインフルエンサーのYuna(ろこゆん)氏の『どんな逆境もホームにする生き方』(KADOKAWA)は自分軸で楽しむための思考法とマイ・ルールを提示する冒険的人生エッセイだ。(本記事では「ろこゆん」と呼称) YouTube動画の再生回数はなんと84万回である。若者たちに支持されているZ世代の若き女性インフルエンサーは悩める若者たちに世界への見方を広めることを勧めている。中高年世代の
少子化対策発言を巡って 日本保守党の代表を務める百田尚樹氏がYouTube動画「あさ8」の配信で少子化対策への発言に批判が殺到した。百田氏が提言した少子化対策としての内容は次の3つの発言だ。 「女性は18歳から大学に行かせない」 「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚できないような法律にする」 「女性が30歳を超えたら、子宮を摘出する」 百田氏の発言により、SNSでのやり取りは火を噴くほどの激烈な争いとなった。これはいったい何を意味するのだろうか。 結
ある男性の悲劇 東洋経済新報社が取材する上述のレポートを読んで、衝撃を受けました。思わず、言葉を失いました。「どうしてこんな決断をせざるを得ないのか…」と。 ジャーナリストの鈴木貫太郎氏は自死を選択した岩井さんの人物像について、次のように語ります。 名門大学を出たにも関わらず、36歳で世を去った岩井さんは社会に相談できる居場所がなく、孤独感に苛まれていたのです。いったい何に悩んでいたのでしょうか。転機となったのは学生時代の就職活動だったと鈴木氏は言います。
読書の価値 ビジネス界では言わずと知れた読書家が数多くいます。その中の一人で伊藤忠商事名誉会長の丹羽宇一郎氏は数々の著作を出版し、創作活動を行っています。丹羽氏の実家は名古屋にある街の本屋でした。少年時代は店番の間、店内の本を手に取っては読んで、その後にそっと戻したといいます。名古屋大学を卒業後に伊藤忠商事に入社し、営業畑を歩んできました。民間出身で初の駐中国大使に就任した経験を持っています。中国の内情にも精通しています。 先月惜しまれつつも逝去された三輪裕範氏は
経済評論家で作家の三輪裕範氏が2024年10月19日に逝去しました。ご冥福をお祈りいたします。 三輪裕範氏の英語学習本を愛用している学習者の方は結構いると思います。三輪氏は最後となるTOEIC本の『TOEIC®L&Rテスト Part5 至高の1500問』(コスモピア)を病を患いながらも書き上げたそうです。990点満点を獲得するためには語彙力を増強することだと提言していました。本書では豊富な練習問題を扱っています。 個人的に読んでいたのは『ビジネスマンの英語勉強法』(
労働経済学者の近藤絢子氏の『就職氷河期世代』(中公新書)で示した世代別の人々の不遇ぶりを統計データから分析し、解き明かした警世の書である。 本書を読むと、就職時に不運に見舞われた人々の経済事情がどれくらい酷くなっているかがよくわかる。 結論から言えば、就職氷河期世代の人々を放置することは日本において社会的損失になるとし、セーフティーネットを拡充することを提言する。 読者は気になるトピックがあると思う。あるいは関心がない人であっても、これらの世代が抱える問題を解消し
体験から若者支援に乗り出した一人の職員の話 社会福祉士のサイボウズ@もっちー氏が取材したNPO法人育て上げネットに関するレポートに共感を覚えます。上記の記事において、育て上げネットで若者支援に携わる宮内氏の原体験談が身に沁みるような想いに駆られました。この記事の中で宮内氏は当初「学校に行きたくなかった。」と述懐しています。その理由は幼少期の壮絶ないじめや不登校経験による失望が発端となったのです。 宮内氏は働く気がなかったものの、「普通」に憧れを持ち、大学にまで進学
生きる事の楽しさを伝えたい お笑い芸人でタレントのゴルゴ松本氏の『「命」の相談室』(中公新書ラクレ)は浮き沈みが激しい日本で子供や若者たちに情熱と激励のメッセージを込めた人生指南書だ。本書には芸人としての仕事経験と広範囲に渡る知識から導き出し、少しでも生きやすくするためのヒントを提示してくれる。 現在はテレビから離れ、芸能分野以外で活動を展開している。ゴルゴ氏は40代を過ぎた頃から少年院に通って講演活動を行っている。そこで人生の歯車を外してしまった子供や若者たちに
中公新書の魅力とは? ”その人の持っている中公新書でその人の趣味嗜好がわかる” Xで上記の文言と中公新書の写真を掲載し、話題を集めている。これを見て、「なるほど!柔軟な発想の持ち主だな!!」と思うくらいのラインナップに圧倒される。投稿者たちのポストを見るたびにつられてしまい、「やってみようかな。」と思った。彼らは特に見せびらかそうとする意図が無いそうだ。 中公新書は知的教養を高めるための格好の書である。だから、各々が持っている中公新書を紹介すれば、読者にとって
いざ、文学部の出番だ 上述の台詞の内容を変えてみる。 そう。この台詞は私も含めた人文知を養ってきた読者に向けての激励のメッセージである。私が作ったものだ。 今、人文学の存在そのものが危うい。「役に立たない」「利益を生まない」とみなされ、人文科学を学んだ者たちを異質な存在だと規定し、辺境に追いやる社会的風潮が蔓延しつつある。だが、本当にそれでよいのかと問いたい。 私たちは危機の時代にいる。社会が壊れつつある。そんな時代に求められるのは”物語”である。物語こそ人
Fランク大学不要論についての議論がネット上で巻き起こっているが、Fランク大学の必要の是非については過去のnoteに書いた通りである。 一方で、有名大学でも組織の不条理が発生する事件が相次いでいる。そのことがきっかけで学生たちの就職活動に響いていることも事実だ。日本大学(以下は日大)は典型的な例として挙げられる。 2018年に浮上したアメフト部の悪質なタックル問題や田中英寿前理事長(2024年1月逝去)の脱税事件が発覚した。この事件により、日大のブランド価値は低迷して
タイパ主義=無駄嫌いという発想 日本の若者たちの間でコスパ主義・タイパ主義が拡大して久しい。 上述の記事を読んで、私は唖然とした。ここまでタイパ主義を貫くのか。結論から言えば、徹底してムダを省きたいという若者の心境があるようだ。 老人の存在はムダ。病気で働けない者は納税できないからムダ。出産適齢期を過ぎた女性や独身者は少子化を防げないからムダ。これらの考えは危険極まりない。 もちろん、全ての若者がそう考えているわけではない。だか、この発想が罷り通れば大変な
短めの表現で会話をスムーズに 英語文体論を専門とする英語学者の倉林秀男氏と国際コミュニケーションとオリンピック教育について研究する音楽学者のジェフリー・トランブリー氏の『5語で通じるすごい英語表現』(ちくま新書)は短めの言葉でクールに決める英語表現を網羅した実用書である。定番の英語表現を使って会話のやり取りをするよりも、しまりの効いた表現を使えば円滑なコミュニケーションを行うことができる。ただし、ビジネスシーンは適さない。本書はアメリカの映画やテレビドラマに出てくる表
DJやラジオパーソナリティーとして芸能界で目覚ましい活躍を見せる小林克也氏の『英語がひらいた道』(玄光社)は興味深い英語学習法を初めて公開した参考書であり、自伝的エッセイだ。 本書では小林氏自身の人生を辿りながら、どうやって英語を学んできたかを語っている。英語との出会い、初のアメリカの仕事、DJの仕事に英語が役立ったことなどエピソードが満載だ。小林氏が何よりも大切にしていたことは英語で「遊ぶ」ことに尽きるという。 声真似から学び始める ー小学校時代ー 冒頭では小林氏