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自伝

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本マガジンは私の自伝的エッセイです。私自身の「生きづらさ」を感じるようになった体験を綴っています。
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#仕事

なんのために働くのか

 本腰を入れて英語の勉強に取り組み始めた私は、大学の授業の終わりに書店に足を運んで専門書や学習参考書を購入して読み込んでいた。英語力を伸ばそうと思い、TOEICや英検などの資格試験に挑戦して、その能力を試そうと奮闘する日々を送っていた。
 モチベーションアップにつながった理由はやはり生涯の恩師となるK先生のおかげだったからだ。いずれ恩師のようなユーモアあふれる人間でありたい。そう願う次第だった。

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虚無感

 自分の家に閉じこもり、外の世界との関わりを避けるようになった私はいつしか憂鬱な気分へと変わっていった。

 暗闇のトンネルに迷い込み、出口を目指して彷徨うように自分の内面世界に入り浸った。どうしようもない虚無感と孤独感を抱えていた。

 部屋に引きこもった私はもはやどうすることもできなかった。過労死問題がクローズアップされたテレビ報道や労働者が求人詐欺に遭い、酷な労働条件や低賃金で働かされたケー

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就活塾に通う、そして・・・

 印刷工場で重労働に携わる日々を送っていた頃、私はある就活塾の塾長に出会った。
 就活中の妹から紹介されたのだ。自分のキャリアについて相談に乗るという話である。
 心境はかなり複雑極まりない。不安定な状況を何とか脱したい。」ともがく私と「人や社会とのコミュニケーションで失敗するのが嫌だ。」と社会的責任から逃れようとする私。その板挟みに苛まれていた。

 でも、状況を変えるためには会って話を聞くしか

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