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自伝

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本マガジンは私の自伝的エッセイです。私自身の「生きづらさ」を感じるようになった体験を綴っています。
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#カナダ

異国の地・カナダへ

 小学5年生の頃、父の仕事の関係で海外移住することが決まった。
 父の仕事は公務員である。主に国税にかかわる業務に携わってきた。国際税務に関連する重要な仕事を任されたため、2年間の海外出張を命じられたからだ。

 父は普段温和な人柄で、豪放磊落な性格の持ち主である。しかし、怒ると目を光らせるほどの表情に変わり、怖くなることもある。だから機嫌を損ねぬよう細心の注意を払わなくてはならない。それでも真面

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またか…

 カナダの現地校に通い始めてまもない頃、学校生活には多少なりとも慣れてきた。だが、相変わらず勉強する気が出ない日が続いていた。成績はあまり良くなく、クラスメートにちょっかいを出して迷惑をかけることが多々あった。なんとも野放図な小学生だったことか。

 帰宅後は家庭用ゲーム機で遊んでばかり。両親は人間関係から回避する傾向がますます強くなる私の生活態度に対して開いた口が塞がらなかった。

 そんなある

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カナダを旅する

 もちろん学校生活では嫌なことばかりでなく、楽しいこともある。

 カナダの学校では、英語のほかフランス語の授業がある。モントリオールやケベックなどの町はフランス語を公用語として使用しているため、当然ながらフランス語に堪能なカナダ人もたくさんいる。

 カナダの歴史を紐解くと、フランスやイギリスからの移民が多く入ってきたため、両国の公用語を受け入れたことが理由に挙げられる。ただし、州によって使用す

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