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社会×QNKS×けテぶれ

はじめに

訪問いただきありがとうございます。
この夏の学びを整理して、アウトプットしていこうと思います。

この夏、私にとって大きかった出来事は8月9日に行われたALLけテぶれFESTA2024!!に参加したことです。

午後のポスター発表の部で発表させてもらったので、その内容を他の発表者の皆さんに倣い発信してみようと思います。
この記事では、小単元のデザインについて紹介します。そうしている意図や成果、課題についてはまた別の記事を書いていきたいと思います。
よろしければ最後までお読みください。


社会の小単元デザインはQNKSで

私は、社会の小単元を大きなQNKSと小さなQNKSでデザインしています。

QNKSとは

ここで、QNKSをものすごく簡単に説明します。
QNKSとは、葛原祥太さんが提唱している思考のプロセスのことです。
Qは問い(Question なぜかこれだけ英語…)
Nは抜き出し(Nukidashi)
Kは組み立て(Kumitate)
Sは整理・まとめ(Seiri・matome)
わからないことに出会った時、考えたいことに出会った時、このプロセスを辿りましょうね。「わかる」ようになるよ。「考えられる」ようになるよ。
というものです。

大きなQNKS

大きなQNKSは小単元全体で回します。

大きなQ

小単元の序盤は学習問題をつかむ過程です。
1時間目に、小単元の学習問題をつくります。

私はこの時間は一斉指導、全体で行っています。
クラスのみんなで資料を見て気づいたことや不思議に思うことを出し合い、そこから学習問題をつくっていきます。

5年生の「米づくりのさかんな地域」を例にすると、
「なぜ庄内平野では米づくりが盛んなのだろうか?また、米づくりに関わる人々は、どのような工夫や努力をしているのだろうか?」
というような学習問題になるかと思います。

これが大きなQです。

大きなNとKとS

実際の授業では、大きなQをつくったあと、小単元の中盤は小さなQNKSを回すことになります。
大きなNから大きなSまでは小単元の終盤に行います。

後述する小さなS群がそのまま大きなNになります。
そして、小さなS群を構造化(大きなK)して大きなSにします。

なんだかよくわからないですね…。
先に小さなQNKSの部分を読んでいただくとわかりやすいかもしれません。

小さなQNKS

2時間目からは小単元の中盤、調べる過程になります。
私は、一斉指導はほとんどせず子どもたちに任せています。
自由進度学習がメインです。
ここで子どもたちは小さなQNKSを回します。

小さなQ

さて、小さなQは一体どこから出てくるのでしょうか?
それは、子どもたちの大きなQ(学習問題)に対する予想から出てきます。

例えば、
・きっと気候が米づくりに適しているんだ。
・平野だから川もあるはず。土地の様子も関係していると思う。
・たくさん売れるようにするために、おいしくて品質の良いお米をつくる工夫や努力があるはず。
・自分だったらできるだけ楽に仕事をしたいと思うから、仕事を楽にするような工夫があるはず。
というような予想です。

他にも予想は出てくるかと思いますが、教科書を使って調べられる予想を取り上げて、小さなQとします。
つまり、教科書の各ページの「問い」が小さなQになるイメージです。

小さなQをつくるのを1時間目にやってしまえるようならやってしまいます。

取り上げなかった予想に関しては、
「授業の時間にはそこまで調べられないけど、自主勉強で調べてみてね。」
とフォローします。
そうすると、本当に調べてくる子が出てきます。
そんな時は、熱を広げるためにその取り組みを誉めて価値づけます。

小さなN

小さなQがつくれたら、次はN(抜き出し)です。
ここでは、
・どの小さなQから解決してもよい。
・1人でやっても、友だちとやってもよい。
・必要ならNHKforSchoolの動画や図書室の資料を使ってもよい。
ことにしています。
子どもたちが自分で選び、自分で決めることが大切だと思っています。

子どもたちは、大事な言葉に線を引いたり、本文に書かれていることの根拠となる資料に印を付けたりしながら教科書を読んでいきます。
動画を見ている子も、図書室の本を読んでいる子もいます。
そして、小さなQの解決につながりそうな情報をどんどんノートに書き留めていきます。
ノートに書き留める時には、箇条書きで書いてもいいし、ウェビング(イメージマップ)のように書いてもいいと思います。

小さなK

Nで集めた情報をK(組み立て)します。

情報どうしの関係性に基づいて分類したり、重要度に基づいて取捨選択したりしながら、S(整理・まとめ)に向けて構造化していきます。
ステップチャートのようにKしていきますが、なかなかうまくできず苦しむ子が多いです。

ステップチャート

2学期の課題はKの解像度を上げていくことです。
社会の時間だけでなく、国語の時間も活用する必要があると感じています。

小さなS

Kの次はS(整理・まとめ)です。
小さなQに対する答えを文章にまとめていきます。

例えば、
・庄内平野は米づくりに適した自然条件がそろっている。
・米づくり農家は、種もみの選定から収穫、出荷前のもみすりまでさまざまな仕事をしている。耕地整理や機械化を進め、生産性を高める工夫や努力をしている。
・JAや水田農業研究所、土地改良区の人たちは、安全でおいしい米づくりのために、農家を支援している。
・生産された米は、カントリーエレベーターに保管された後、様々な方法で輸送され、消費者に届けられている。米づくりにはいろいろな費用がかかっている。直接消費者に販売する方法をとる農家もある。
・米づくり農家は、消費量や農業従事者の高齢化、減少などの課題を抱えているが、課題解決のために工夫や努力を重ねている。
という感じです。

小さなQに対する答えがまとめられ、小さなS群ができます。
そして、先述した通り、この小さなS群がそのまま大きなNになります。

再び大きなQNKS

大きなNとKとS

いよいよ小単元の終盤です。

小さなS群を使って、大きなQ=小単元の学習問題 に対する答えをSしていきます。
小さな S群がそのまま大きなNになるので、どんなSができているかを確認したら大きなKに進みます。
私はクラゲチャートを子どもたちに勧めています。

クラゲチャート

小さなSをクラゲの足にし、頭を考えます。
クラゲの頭は大きなSになります。
「調べてみたらこんな事実があった。これらの事実を整理すると、つまり、こうなっていると言える。」の「こうなっている」の部分を考えるということです。

例えば、米づくりのさかんな地域の小単元であれば、
・庄内平野は米づくりに適した自然条件がそろっているので米づくりがさかんだ。そして米の生産に関わる人々は、生産の工程や輸送方法を工夫したりして、安全でおいしい米を消費者に届けるために努力している。
というような大きなSになっていきます。

まとめ

長々とわかりづらい文章になってしまいましたが、こんな感じで大きなQNKSと小さなQNKS、2つのQNKSを回すように社会の小単元をデザインしています。
改めて分析してみると、私の実践はごくごく当たり前のことをやっているような気がしてきました。
問いに出会い、問いを解決するために情報を集めたり考えたりして、答えをまとめる。きっと全国の小学校で当たり前のように行われていることですね。
それをQNKSという枠組みで捉え直し、子どもに学習力を身につけさせたいという思いを強く持ってデザインしているだけです。
皆さんに、なんとなくでも伝わっていたら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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