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高級さでなく独自性作り <朝日新聞連載 第2回>
朝日新聞さんで2023年より連載をさせていただいております
【農業をデザインする思考】がなんと朝日新聞さんのご厚意でnoteでも読めるようになりました!!朝日新聞和歌山欄で発表した後、こちらnoteへも記事を掲載してまいります。ただ、朝日新聞さんのご依頼で執筆しておりますのでまずは朝日新聞さんで公開します。そのあと、少し時間を置いてからnoteへ掲載、という流れになります。もし続きを早く読みたい!!という方はぜひ和歌山県のあなたは朝日新聞の購読を、他府県にお住まいのあなたはweb版の購読をお願いいたします!では、前回の続きをどうぞ!
前回、農業分野は「売る工夫」が弱く、売る側の農家も、買う側の僕たち消費者も不幸になっている。したがって農業にデザインが必要だと思うに至った、とお話しました。
今回は他の分野では当たり前の「売る工夫」であるブランディングとマーケティングのお話しをいたします。
まずブランドと聞いてどのようなものを想像しますか?LOUIS VUITTONやベンツなどでしょうか。それらはいわゆる高級(ラグジュアリー)ブランドです。しかし毎日食べる農産物にそんな高級感は必要なの?と思いませんか。僕は思います。品質の高さや安全性などの信頼感は必要ですが行き過ぎた高級路線はやはり売れない商品になります。
では、ブランディングは必要ないのでは?と思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。そもそも「ブランド」という言葉の語源は古ノルド語で『焼印をつける』という意味なのです。自分たちの家畜を出荷するときに、他の農場のものと見分けるためです。つまり、ブランドという言葉は農業・一次産業分野から生まれた言葉なのです。
しかし現在の日本においてブランドという言葉や概念を一番失ってしまっているのが農業分野です。それは自分たちの名前や商品の特徴をしっかり謳って商いをしてこなかったからです。農園や個人、商品の特徴で売るのではなく、基準さえ満たしていれば誰がどの様に作ったかなどは重要ではなく、みかんなら「みかん」と一括にして市場に出荷をしておけば売れたからです。その仕組はとてもメリットが大きく一つの答えだと思います。しかしこれからはその売り方だけに頼っていると、高い生産能力を備えた大規模法人や、品質向上が著しく且つ安く大量に生産できる海外産に負けてしまいます。個々の農家が生き残っていくには「独自性」を作り、選ばれることが必要です。他者との違いさえ作ることができれば市場出荷でも個人販売でも生き残っていくことが出来ます。その独自性を作っていく作業をブランディングと言います。したがってブランド=高級品ではなく、ブランド=独自性なのです。
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そして出来上がった独自性をどうやって伝えていくかを考えることがマーケティングなのです。これに成功したからこそLOUIS VUITTONなどは選ばれるのです。高級品だから選ばれるのではなく、独自性があるから選ばれるのです。
その独自性はどうやって作っていったらよいか?それは他者を見ることです。みかん農家に「他の人が作ったみかんを食べたことがあるか?」と尋ねると9割以上が「無い」と答えます。それなのに口を揃えて「自分の作ったものが一番美味しい」と自信満々なのです。他を知らないのになぜ自分のものが一番だと言えるのでしょうか。自分たちとはどういった農家なのか?自分たちの商品とはどういったものか?という問いかけをすることがとても重要なのです。
独自性と言うと自分自身に問いかけたくなりますが、大切なのは他者としっかり比べることです。他者との違いを見つけ出し、消費者の求めにしっかり応えることで売れるのです。
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