《絵本レビュー》いそがしいよる
個人的な話になっちゃうんですけど、昨年末、私がキャンペーンで作った張り子(辰)たちが、無事に当選した人のお家に着いたみたいで。ホッとしとります。
なんだか、それは自分の子供が旅立つような気になり。しっかり仕事してきーやっ!!みたいに応援しちゃう。
2016年から張り子とご縁があって、作家としてデビューする前に200体くらいお客さんのところに旅立ったんですよ。
んで、思った以上に大事にしてもらって可愛がってもらってビックリして。んじゃ本格的にってことで今に至るわけなんですが。
こう、なんちゅーか人生ってわからんですよねっていう話をしたかった、良いことも悪いことも。
だーれにもわからんです。
歳を重ねたら、わかるのかなーなんていうのも、またわからん。今日はですね、そんな歳を重ねた、ばばばあちゃんシリーズ全19作品からの第1作目【 いそがしいよる】の絵本レビューをしようと思います。
パチパチパチ。
〔作〕さとうわきこ
〔絵〕さとうわきこ
〔発行所〕福音館
〔初版〕1981年9月
《ストーリーについて》
ある夜、家の窓から星空を見上げて、ばばばあちゃんはヒラメキました。
お星さまがキレイだから、外で見ようと。
ばばばあちゃんは、揺りイスを外に持ち出し腰掛けながら、お星さまを見ました。
そしたら、またまたヒラメキました!
お月さまもでてきて、もったいないからココで寝ようと…
その後もヒラメキ続けた、ばばばあちゃんの行く末は、どーなるのでしょうか?もちろん、おばあちゃん自身にも先のことなんてわかりませんよ?
アグレッシブで、なんやかんやとヒラメキの多いばばばあちゃんが、今作も読者を楽しませてくれる愉快痛快な物語です。
《10コの視点》
【キャラクター】
・ばばばあちゃん
【舞台】
・ばばばあちゃん家の外
【構成】
キレイな星空を窓から見ていた、ばばばあちゃんは、外で見ようと揺りイスを持ち出した。
↓
お月さまも出てきたから、一晩中みようと、ベッドも外へ持ち出し置いた。ついでに、毛布とマクラも。
↓
いろいろと心配になり、お茶の道具も、テーブルも、レンジも牛乳もジャムも、ついには冷蔵庫もその他あれもこれも外に持ち出した。
↓
たくさん外に置いて、雨の心配をし大きな大きなテントを設置して星空のことなんてすっかり忘れて、安心して寝た。
【文】
ばばばあちゃんの経験豊富な知識と、そこから来る不安対策がここぞとばかりに表現されている。
最後には対策しすぎて、すっかり星の存在を忘れている。忘れっぷりもまた年の功なのか!?
注目すべきところは、20ページ目の文は古典落語の〝じゅげむ〟のように、外へ持ち出すモノの名前のセンスたちよ!
【絵】
全ページにおいて、ばばばあちゃんは前を向いている。決して後ろは振り返らないタイプ。
星を快適にみるために、たったその為だけに家のものを次から次へと持ち出している絵が、何ともたくましい。
冷蔵庫は引きずって、ベッドもソファーもタンスもよ!一体、家と外を何往復したんだろうと読者の想像力を刺激するとおもう。強すぎるよ、ばばばあちゃん。
【ハッピーエンド】
物を運び出し終えたことに安心して、ぐうぐう寝ながらのハッピーエンド。
【カバー表表紙・裏表紙】
揺りイスに座って編み物をしている、ばばばあちゃん。
【見返し】
白い用紙だけれど、わたくし何とサインをゲット。
もうこれは、サインの為の白い用紙にしか見えぬ。
【題字の文字】
ばばばあちゃんが書いたような書体。
ペンで書いたようなディテール。
《読み聞かせをしてみて》
『ちからもちだね、このひと(8)』
『がっこうで、このえほん人気だよ(10)』
『そーなんだけどわたしは、ただ、わきこ先生がすきなんよな(母)』
さっきも書きましたが、これ20ページ目の文は、長いんですよ。なもんで、じゅげむのように息継ぎなしで読み聞かせしようとチャレンジしました。
(349文字きみは、読めるか)
《おしまいの言葉》
こう、読んでみると冒頭でも書きましたが先のことなんて、ばばばあちゃんにも、わからなかったですね。w
だけれども、失敗を恐れずにパワフルに生きている、ばばばあちゃんを見ていると、なんだか元気をもらえます。
ちょっと気になって、ばばばあちゃんの性格を調べてみると、こう書かれてありました。
パワフル&ハートフル…おぉぉぉぉ
どんなに先のことを案じても、わからんくても、パワフル&ハートフルで結果オーライになるのか…
パワフル&ハートフル(気に入った)
だって、パワフル&ハートフルですよ?(何回も言う)
今年のパワーワード決定です。
☆彡月も満ちる時も満ちるコボシより