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親子で笑顔になる“課題の分離”の実践

 先日、人間関係に悩む小3の子どもと話した時に、「課題の分離」の考え方を伝えたところ、とても役に立ったとのことでした。
 私自身も、この5年ほどは、なるべくその視点を持って子どもと接することで、無駄なイライラがかなり減ったのでまとめてみます。


課題の分離って?

 課題の分離とは、アドラーの「嫌われる勇気」で有名な考え方で、【自分の課題と他人の課題を区別して、他人の課題に振り回されないようにする】ものです。
 私自身は、「親業」の訓練講座の中で同様の考え方を知り、少しずつ実践ができるようになりました。

 例えば、「子どもが友達と喧嘩して怒ってる」「おもちゃをなくして泣いてる」のは、あくまで子どもの課題です。
 でも、子どもが小さいときほど、この子どもの課題を親がとってしまいがちですよね。「喧嘩したの?相手の子が悪いんじゃない?先生に何か言おうか?」「困った、おもちゃを急いで探さないと…」といったように。

 親業訓練講座では、「自分が受容できるかどうか」で線を引き、それが子どもの問題なのか、私自身の問題なのかを分けていきます。

親が実践できる課題の分離

 私自身は、この課題の分離の考え方が子どもに対してできるようになって、自分比半分くらいにイライラする時間が減ってきた感じがします。
 特に私は「子どもの所有物かどうか」で判断をするようにしています。自分の課題から手放して楽になったのは例えばこんなことです。

  • 子どものおもちゃを片付けるスペースが汚い →あくまでここの管理者は子ども自身。共有スペースにはみ出してさえいなければ、どれだけ汚くても私は困らないしノータッチ。時々片付けたら?と声かけする程度。

  • 買ったおもちゃやシールを大人がみたら「もったいない」使い方をしてる… →でもそれの所有者は子ども自身。好きに使う権利もあるし、きっとこれが楽しいんだろうな〜と見守る。(子どもが5歳の頃の実例はこちら

  • 子どもがものをなくした・忘れていった →(私が届けに行かないといけない時は実害があるので私の課題ですが、そうでなければ)困るのは子ども自身。きっと困ることで学んで次からは変わっていくだろうと前向きに信じる。

  • 姉弟けんか勃発!!片方が泣き始めた… →私は最初から見てたわけじゃないから完全に部外者。助けを求められたら「能動的な聞き方」で受容はするけど、積極的には介入しない。

といったように、これまでイライラしてたことの見方を変えることで、楽になることが沢山ありました。

子どもにも課題の分離を伝えてみた

 上の子が1年生の時に登校渋り気味になった頃から、不定期で休みの日に二人でカフェに行ってゆっくり話す時間をとるようにしています。

 今回は子どもが学校での出来事でイライラしてることが増えてきていたので、久しぶりに話に行こうかとなりました。
 スタートは、自由に最近嫌だったこと、イライラしたことを話してもらいます。ポイントは、感想や否定するようなことは言わずに、「能動的な聞き方」で、本人が話す言葉を繰り返したり、置き換えて「こうだったんだね?」と気持ちの言語化を手伝って返すことに徹すること。そのことで子どもは安心して話すことができます。

 これまでは、親業で習ったことを元に、この「能動的な聞き方」だけで留めて、本人の気づき(あったりなかったりですが)を促すことで留めていたのですが、今回はちょっとこれはしんどそうだな〜と思ったので、「課題の分離」について説明をしてみました。

 今回子どもがイライラしてたのは、「クラスでうるさい男子に注意すると、クソババア!って言われてめっちゃムカつく!」という案件でした。
 確かに「授業中に大声でうるさい」は集中できなくなってしまうので自分にも影響がありそうでしたが、よく聞いてくと、「授業中なのに本を読んでるから注意してる」といったこともあるようで…

私「その子が授業中に本を読んでて、何か困ることある?」
子ども「困ることは、、、うーんないかな?」
私「困らないけど、注意しなきゃって思うの?」
子ども「だって授業中なのに本読んじゃダメじゃん!」
私「そうだよね、ダメだよね。なんでダメだと思うの?」
子ども「本読んでたら授業わからなくなっちゃうよ!」
私「その子が授業わからなくなると、困るの?」
子ども「うーん、、、、こまら、、、ないかなあ?」
私「うん、正直、その子が授業中に本を読んでて、勉強ができなくなって、テストの点数が悪くても、全く関係ないし困らないよね?」
子ども「確かに・・・!」

 というやりとりがあり、併せて逆の立場(私自身が課題の分離として、子どもの問題だからと気にしないようにしてること)を伝えたところ、とても腑に落ちたようでした。

 その話をしてから1ヶ月経ち、その後どう?と聞いたら、「ぜーんぜん気にならなくなったー!!」とのことで、課題の分離に成功しているようでした。

「親として教えること」と課題の分離の境界線

 親の視点で課題の分離をやろうと思うと、ある意味「子どもの問題」として切り捨ててしまうのって、すごく冷たいし、「とはいえ親として教えないといけないこともあるんじゃない?」という意見もあるかと思います。

 私自身はここの違いは、「イライラするかしないか」だと思っています。
 子どもの課題だと認識できていると、イライラせずに「こうしたら?」と話すことができますが、分離できずに自分の課題にしてしまうとイライラしながら「こうしなさい!!」と怒ることになりがち…

 なので、分離をするから見捨てて何も言わないというわけでは決してなく、分離をすることでイライラせずに、客観的にアドバイスができるようになるというイメージです。
 子どもにとっても、イライラ怒りながら言われるより、フラットに言われた方が伝わるし、自己肯定感も下がらずに受け止めてくれてるんだなと実感しています。

 一朝一夕にはできないですが、できる時だけ、思い出した時だけ、続けてきたことで、イライラがぐっと減ってきた、おすすめ「課題の分離」についてでした!

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