【超短小説】年雄と雨の涼しさ
雨か。
暑さでいつもより30分も早く目が覚めた年雄は、外を見て思った。
雨でも部屋の中は暑いのか。
年雄は窓を開けた。
雨で冷えた空気が部屋の中に入ってくる。
ああ、気持ちいい。
二度寝もいいな。
禁断の誘惑。
でもここで寝ると、恐らく起きられない。
仕事に遅刻する可能性、100%。
年雄は寝ないよう、ゴミを外に出しに行った。
傘はささない。
パラパラと冷たい雨が涼しく感じる。
年雄は涼しい雨が好きだ。
ゆっくり歩いてゴミを出す。
ほんの少しの距離。
ほんの少し、雨に降られる。
涼しい。
夏が来た。
夏を感じる朝だ。
浜本年雄40歳。
今年は海に行きたいな。
腹筋でもやりますか。