【メディアの方のフェイクニュース】
◆伝えたいこと
・フェイクニュースにも様々な種類がある
・種類によって対応が変わる≒認識を間違えると騙される
あなたはこのようなニュースを見たことがあるだろうか?
BBCニュース - 【東京五輪】 なるべく見えないよう……都心から排除されるホームレスの人々(注1)
五輪期間中の7/31に出されたニュースである。BBCはイギリスにある世界的に有名な報道機関であり、また五輪前から東京ではホームレスの方を行政が排除するような動きが幾度か報道されており、いかにも「ありそうな」ニュースではある。(注2)
だが実はこのニュースいくつか疑義があるのだ。
確かに上記のように以前から東京ではホームレスを意図的に排除するような働きがあった。
ただ、このニュースの疑義の内容としては五輪期間中にホームレスが減らされるように行政が働きかけている。と動画内でも言われているが、それは事実なのか?というものである。
疑義が立ち上がったのが、東京を中心に有志で炊き出し活動をされている方々がBBCの報道に異論を唱えたことに始まる。
その方々によれば「ホームレスの数は減っていないし、ホームレスから行政が移動を強要してきたなどと聞いたことがない」と主張されている。ただこれも失礼ながら、言ってしまえば人から聞いた話ではある。
私がこの主張が「正しいのでは?」と感じたのは私自身、よく代々木公園や新宿を通ることがあり、ホームレスの方が減っているようには全く見えなかったことにある。
「それは見ただけで調べたわけではないだろう?」と言われてしまえば
それまでではあるが、どうにもBBCのニュースは全てとは言えないまでも多分に偏った報道であるようだというのがこの件による私の結論だ。
ここから学び、そして私の伝えたいと思ったことは冒頭の2つ。
・いわゆるフェイクニュース(注3)は種類がある
・種類によって受け手は対応を変える必要がある。
上記はどういうことかというと、フェイクニュースといってもニュースの出どころ、つまり報道機関(マスメディア、webメディア)なのか?個人のデマが発端なのか?によってまずフェイクニュースの分類が変わり、そして受け手も対応や認識を変える必要があると思うのだ。
もう少し詳細に私見を述べたい。今回の件でいうと出どころは報道機関である。ただしBBCは元から嘘の報道を流そうとしたのか?
と考えると恐らくだが、異なる。
(ここからはより多分に推測が混じることを断っておきたい。)
今回のケースは 取材対象に恣意的な姿勢があったように思われる。
報道機関(マスメディア、webメディア)がフェイクニュースを流す場合も2種類ある。
・メディア自体に何らかの意図があり、恣意的な報道を行う場合
・メディアが取材する対象が自らの利益・主張のため恣意的な受け答えを行う場合。
今回このニュースで取材を受けている方は元々五輪反対の活動を数年前から行っていたようであり、若干信憑性に欠けるように思う。
こういったケースもなにも今回に限らない。
例えば新聞は社会人の方で読まれている方は少なくないと思うが、
業界の方からするとその界隈に関する報道がかなり一部の主張をクローズアップして報道されている事実に違和感を感じることもあるのではないだろうか?
そういった報道は特定の企業の広報も兼ねており、企業の広報部が自社を取り上げてほしいとメディアに対して広報活動をしていることもある。
このような事象を統合するとどうにも一つの報道だけで物事を判断するのが危険であると感じざるを得ない。
個人のデマであれば、ある程度のリテラシーのある方なら見破ることもできるだろう。しかし報道機関が流してしまったニュースは見破るのが難しく、特に取材対象が恣意的なことを受け答えしている場合は殊更に厄介だ。
取材者もライターも悪意無く書いたニュースが誤っており、受け手がそれをもとに意思決定したことが、悲惨な結果を生むかもしれない。(注4)
受け手の我々としてはまずそのニュースがどれほど真実に近いのか?
そして誤っているとして,どの時点で誤っているのかを可能な限りチェックしていきたい。
ただ全ての情報をチェックすることはできない、ここで引用したニュースも誤っているかもしれない。ポイントをもってチェックする姿勢に加えて、全てのニュースを信用しきらず、動くという思考も必要かもしれない。
【サマリー】
・フェイクニュースには様々な種類がある。
■流す媒体別
・報道機関によるもの
・SNSなどを中心に個人によるデマ
■報道機関によるものの中のカテゴリー
・メディア自体に何らかの意図があり、
恣意的な報道を行う場合。
・メディアが取材する対象に自らの利益や
主張のため恣意的な受け答えを行う場合。
上記の種類によって対応を変える必要がある。ニュースの出元を確認した上で動かねば、自分がこういった情報をもとに意思決定をする場合に何らかの不利益を被る羽目になる。
最後に「進撃の巨人」に登場するキャラクターであるドット・ピクシスの言葉を引用したい。(注5)
「上手い嘘のつき方を知っとるか?時折 事実を交ぜて喋ることじゃ」
(注1)BBCニュース - 【東京五輪】 なるべく見えないよう……都心から排除されるホームレスの人々より
(注2)
(注3)総務省HP/フェイクニュースをめぐる動向より
(注4)それはそれで取材対象をよく調べるべきという話になるのだが、、、
(注5)進撃の巨人 110話 第27巻収録より
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