ベートーヴェンを毎日聴く267(2020年9月23日)
『ベートーヴェン/ジングシュピール「凱旋門」の終末歌「成就せり」WoO97』を聴いた。
ジングシュピール「凱旋門」は、ゲオルク・フリードリヒ・トライチュケによる作品。この人物の企画した別の劇「ゲルマニア」に、すでにベートーヴェンは曲を提供していた(264回で紹介)。
「ゲルマニア」が上演された翌年の1815年、ウィーン会議に出席していた各国君主の前で「凱旋門」は上演された。
「ゲルマニア」と「凱旋門」には共通点がある。それは音楽が複数の作曲家によって付けられたことである。ヨハン・ネポムク・フンメル、ヨーゼフ・ヴァイクル、ベルンハルト・アンセルム・ウェーバー(「魔弾の射手」のウェーバーとは別人)、イグナーツ・フォン・セイフリート、アダルベルト・ギロヴェッツ、そして、ベートーヴェン。再び最後に演奏される曲を任されるという名誉をベートーヴェンは受ける。
そのベートーヴェンの曲には、ハイドンが作曲し、今のドイツ国歌でも歌われる「神よ、皇帝フランツを守り給え」が引用されている。最後に皇帝フランツを称えるという部分も「ゲルマニア」と共通している。
この祝典的な音楽は聴いていると、これから作曲される第九にも、どこか共通するような盛り上がりを見せている。
Denis DoukhanによるPixabayからの画像