ベートーヴェンを毎日聴く237(2020年8月24日)
『ベートーヴェン/やさしいソナタWoO51』を聴いた。
この作品は「やさしい」と付けられているためか、ピアノを習う子供の練習用としても多く取り上げられるようだ。
ピアノ曲としてピアノで演奏されるが、ベートーヴェンは「オルフィカ」という楽器で演奏するために作曲したのだという。
「オルフィカ」と聞いてもいったいどんな楽器なのか、全く見当がつかないが、それは携帯用のピアノだという。あの巨大なピアノを携帯用にしたもの。今でいうキーボードなのだろうが、当然電気を要するそんな技術は無い。アコーディオンやピアニカ程度は思いつく。しかし、ピアノはハンマーで弦を叩いて音を鳴らすもの。携帯用といっても相当な大きさのものではないだろうか。
生産された数も少ないようなので、今では世界的にも希少なオルフィカが、なんと日本にもあるという。そこは武蔵野音楽大学の楽器博物館だとわかったが、現在リニューアルに向けて休館中だという。WEB博物館上にはオルフィカの詳しい説明も記載ある。
その音色は?初めて聴いたときはハープの音色か、と思ったのだが、どちらかと言うと「ツィンバロン」の音色が近いようだ。ツィンバロンは弦を鍵盤を介したハンマーではなく手に持ったバチで叩く。おそらくオルフィカの大きさも構造もツィンバロンににたようなものなのかもしれないので、似た音が出るのではないだろうか。
なお、オルフィカで演奏されたこの曲を聴きたくなった方は、以下のCDがある。でも、いまでは入手が難しいかもしれない。
武蔵野音楽大学の楽器博物館。リニューアルオープンしたら、ぜひオルフィカの実物を見に行きたい。
以下はピアノでの演奏。
Vlad VasnetsovによるPixabayからの画像